京都大学 理系 数学 | 2013年

      2017/11/13

●2013年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は京都大学(理系)です。

 

2013年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 

京都大学(理系)です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

 

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

京都大学 理系数学(試験時間150分、6問)

1.全体総評~やや易化~

昨年よりやや易化した印象です。ここ数年、穏やかな問題が続いていますが、今年もその路線は割と踏襲されているようです。昨年の6番のような確率の大物もなく、どの問題も比較的アプローチしやすかったのではないでしょうか。

試験時間150分に対し、目標解答時間合計は140分。

質はそこそこといった感じですが、計算量は全体的に少ない(京大にしては)ため、考える余裕があります。第4問のような考え込む余地のないものもありますので、その意味でも易化したと言えると思います。

 

2.合格ライン~60%欲しい~

第1問はただの典型問題なので、絶対に取らないとまずいです。

第2問は、特殊な漸化式のパターンで、受験生が苦手そうです。ここは保留。

第3問は、経験済かどうかで、大きく差が付きます。解ければとりあえず有利。

第4問は微分の標準的な問題なので、ここはとりましょう。

第5問は差がつきそうな良問しかし、接点をおくという究極原則を守れれば出来るので、取りたい

第6問は(1)はおさえましょう。(2)はできなくてもいいでしょう。

時間的には余裕があるはずなので、飛ばした問題を戻って、どこまで出来るか。合格ラインは60%強ぐらいでしょう。5割では厳しいと思います。

医学部なら7割欲しいです。2完4半、あるいは3完3半ぐらいで。

 3.各大問の難易度

第1問・・・平面ベクトル、平行四辺形(B、15分、Lv.2)

平行四辺形を題材にしたベクトルの問題です。内積が絡まないパターンなので、ひたすら内分点の公式と、線分上にあることを使えば終わりです。原則通りにやればできるという、旧7帝大理系にしてはちょっと情けない問題。

Principle Piece B-35

 交点のベクトル 「1-s,s」と「1-t,t」の係数設定をして連立

(Principle Piece 数学B ベクトル pp.34-35)

 

Principle Piece B-36

 延長との交点 「実数倍」と「係数の和が1」

(Principle Piece 数学B ベクトル pp.34-35)

本問は平行四辺形なので、ABベクトルの係数が1になるように決めますね。

ちなみに、延長して相似を駆使すれば、小学生の算数でも解けます。こっちのほうが早いと思います(^^;)

※KATSUYAの解いた感想

好き勝手に線をたくさん引かれているので、ベクトル計算はメンドウと判断。私は算数で解きました。解答時間4分。

 

☆第2問・・・証明、数列(BC、30分、Lv.2)

数列を題材にした、証明問題。奇数ならば1を引いて2で割り、偶数ならば2で割るという作業を繰り返すもの。

問題の形からして、数学的帰納法を用いたくなりますが、用いなくても、実は一般項が少し場合分けすれば出ます。

もちろん、帰納法を用いても出来ますが、その場合、mではなく、Nに関する帰納法であることに注意してください。mはどれだけ大きくなってもいいので、帰納法に関係しません。

※KATSUYAの解いた感想

いくつか試してみると、n=4以降はいつも1引いて2で割ることが判明。よって、帰納法を用いるまでもないと判断。わり続ければ0が続くから、mがどれだけ大きくてもいいというのも、納得。解答時間15分。

 

☆第3問・・・証明、数列、漸化式、整数(B、20分、Lv.2)

第2問に引き続き、また証明。しかも、似たような問題が以前東京大学で出ています(2002年)。経験済でないなら、どちらもやってみましょう!!

この手の問題は、明らかに漸化式を用います。そして、漸化式を用いた証明であれば、当然数学的帰納法です。整数であることはほぼ明らかとしたくなりますが、互いに素であることの証明のために、一緒に証明しちゃいましょう。

なお、ユークリッドの互除法を使えば、k→k+1 のときの証明も割とすぐに出来ます。

G(a_k+1、b_k+1)=G(2a_k+b_k、a_k)=G(b_k、a_k)

でOKですね^^

※KATSUYAの解いた感想

2002年の東大とほとんど同じやん。パクリ疑惑おおあり。解き方までそっくりなため、ただの作業。解答時間6分。

 

第4問・・・微分、最大値(B、20分、Lv.2)

いたって単純な微分の問題です。関数を微分したときに、それが0になるときの値がいくつあるのかがポイントです。

y=sinx と、y=√3/2 x は、0≦x≦π/2 では、x=0以外にもう一つ交わる点があります。それがきちんと議論できればOKです。

最後に大小関係を聞かれていますが、素直に問題文にあるものを用いればOK。しかし、問題文の不等号の向きからして、明らかに大きいほうがバレているのはいただけません(笑)

※KATSUYAの解いた感想

ん?√3>1.7 こっち向きだけ? じゃあどっちが大きいかすぐわかってしまうやん。これでは計算する気にならないが、一応1.7×3.1×3.1 を計算し、終了。解答時間10分。

 

 

☆第5問-接線、面積、円(B、25分、Lv.2)

2つの関数(曲線)に接する円と、その面積に関する問題。接点がある場合は、まず接点をおくのでしたね^^ これは究極原則です。「図形と式」の円のところから、ずーっと生きています。

ULTIMATE Principle Piece 

 接する問題ではまず接点をおく

 

 

接点における傾きがすぐに出ますので、そんなに難しくないでしょう。なお、中心のy座標が正か負(ありえないと分かる)かは、一応場合分けして議論するべきだと思います。(私が見た予備校の解答では、正だと決め付けていますが)

※KATUSYAの解いた感想

y座標の正負はやっておこう。明らかではない。面積計算は慎重に行い、終了。対称性もあるので、きれいな感じ。解答時間14分。

 

☆第6問-確率、点の移動(C、30分、Lv.2)

昨年ほど大物ではないですが、今年も最後に確率が来ており、かつn回目に関する問題です。しかし、東京大学の確率同様、漸化式ではない方針で求めさせるようです。

(1)を求める際に、4通りをすべて書き出しておかないと、何がいいたいかに気づきにくく、(2)の方針が立たないので、割と難しいかもしれません。

2回試行を行うと、移動しない か 2進む か 2交代する なわけですね^^

それぞれが起こる回数をx、y、zで置き、それが満たす組数を見つければOKです。

 

※KATUSYAの解いた感想

(1)は・・・日本語で書くのめんどくさいから書き出し! (2)は・・・あっ、(1)書き出しておいてよかった。 移動しない、2進む、2後退する 回数をx、y、zでおけばいいのか。その組数で終了。解答時間17分。

 

4.対策~易化しているが油断禁物~

今年の京都大学は昨年より穏やかになり、典型問題で演習量さえこなしていれば解答できてしまうようなものもあります。しかし、受験者層を考えると、やはり質も高めて、差をつける必要があるでしょう。

まずはチャート式等の参考書で、典型問題をⅢCまでなるべく早い段階で終了させる必要があります。メドとしては、高3の夏までに、ⅢCを終了させておきたいところ。

ⅠⅡABはすでに終了しているでしょうから、こちらはレベルを上げてⅢCの典型演習と並行で、質を高める演習をしておく必要があります。

夏休み中、あるいは夏が終わってからは、入試問題集等で全分野のレベルUPをしていきましょう。

過去問はかなり前のものからありますが、あまり前のものは難しいです(~2003あたりまで)ので、適当な時期につまみぐいしてもOK。最新5ヵ年分ぐらいを、センター後にやるといいでしょう。

お勧めの問題集等は、過去の批評を見てください。

>> 2010年度の京都大学(理系)数学

>> 2011年度の京都大学(理系)数学

>> 2012年度の京都大学(理系)数学

 

以上です^^  

>> 他の大学も見てみる

 

■関連するPrinciple Piece■

★ 数学B ベクトル (第1問)

★ 数学B 数列 (第2,3問)

★ 数学A 整数 (第3問)

★ 数学III 微分法の応用 (第4問)

★ 数学II 図形と式 (第5問)

★ 数学III 積分法の応用 (第5問) 

★ 数学III 確率 (第6問) 

 

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