東京理科大学 理学部 (2月12日) | 2013年

      2017/02/03

●2013年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は東京理科大学(理学部、2月12日分)です。

 

2013年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 

 

2013大学入試シリーズ第23弾。

 

私大シリーズ、第23弾。

東京理科大学(理学部、2月12日実施)です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

 

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

東京理科大学 理学部(2月12日)(試験時間100分、3問)

 

全体総評

難易度は昨年と変化なし。第1問-(3)は小問にするには重く、少し焦ったかもしれません。第2問、第3問はともに数学Ⅲの範囲で、理学部と言えども、かなり偏った出題。なお数学科の人はさらに別の数学の試験があり、ともにⅢCでした。

今年は、かなり行列を見かけます。いくら来年で終わりだからといっても、ちょっと出すぎなのでは、と思うほど。おそらく、大学側がストックしている問題を消化するためだと思われます。

 

試験時間100分に対し、目標解答時間合計は110分。

第2問、第3問が2分野融合(というよりただの合体問題)で60分かかってしまうため、少々オーバー。第1問の(3)でも時間を取られていまいます。第2、第3問も枝問が多いので、つまみぐい方式で出来るところを取るのがよかったでしょう。

■合格ライン

第1問は3問あります。(1)は全部取り、(2)と(3)で合わせて1問分欲しい。

第2問は極限が難しかったかもしれませんが、その他の超典型パターン(でも差がつく)を確保すれば一安心。

第3問は(3)の計算次第で、完答か4割に。最低4割欲しい。第2問が全滅なら、ここが出来ないときつい。

総合して、合格ラインは65~70%といったところでしょう。

第1問(1)・・・確率、さいころ(AB、10分、Lv.1)

なにやらルールだけ微妙に複雑なさいころの問題。ひねってあるにしては、ちょっと雑な設問で、さいころ2個ですから、書き出してしまえば終了です。

Principle Piece A-7

サイコロ2個は高々36個 表を書いて整理する

(Principle Piece 数学A 集合と場合の数 p.20)

 

第1問(2)・・・係数、数列(B、20分、Lv.2)

多項式の係数を求める問題ですが、分野としては数列の問題です。

(b)ですが、xの係数の和は、7!で通分すると、1+2+3+4+5+6+7 となります。これに気づけばOK。

ポイントは(c)です。こちらは8!で通分すると、分子は1~8の中から2つを取り、積を取ったときの和になります。まずこれに気づくことと、この和の求め方が分かっていれば解けましたね。

なお、拙著「Principle Piece 数列」 でも、1~nにして、同じ問題を取り扱っています。(p.29の例題12)

 

第1問(3)・・・積分、体積(BC、20分、Lv.1)

2つの四面体がうごくときに、その四面体の共通部分が通過する部分の体積を求める問題。誘導は多少あるのですが、小問にするにはちょっと重いかもしれません。

最初の交点と面積の最大値ぐらいは求められたと思いますが、通過部分の面積が、共通部分の頂点の軌跡とx軸で囲まれた部分であると分からないと、ここから答えられなかったでしょう。

最後の体積は、出た面積に高さが1/2の四面体になりますが、そこに気づかなくても、面積をz方向で積分すれば出ます。

 

※KATSUYAの解いた感想

(1)、(2)は特に問第なし。(3)の面積は積分か。小問にしてはなかなか思いな。(4)は断面積積分か。高さzでの面積は相似的に小さくなるとしてOKだろう。四面体とみなすよりはいいか。解答時間合計25分。(4+8+13)

 

 

☆第2問・・・絶対値積分、極限(B、30分、Lv.2)

出ました。難関大の大好きな絶対値付き積分。関数が超単純なので、まだ楽だったと思いますが、ややこしくなっても出来るように、原則をきちんとおさえておきましょう。分野としては数学Ⅱの積分で出てきます。

Principle Piece II-110

絶対値付き積分 → 「中身=0」と「積分両端」の大小で場合分け

(Principle Piece 数学Ⅱ 積分 pp17~20、24~25)

極限は、基本の形がどれも使えないと判断した場合は、はさみうちですね。S(t)自体が積分の形をしていることから、log x ≦ log t ≦log(x+1) を思いついて欲しいところです。

 

 

※KATSUYAの解いた感想

絶対値付き積分は典型問題。極限は、基本の形に変形しようとするも、ダメと判断。真ん中が定積分の式であることから、定積分で挟むことを思いつき、終了。解答時間15分。

 

 

☆第3問・・・行列、n乗、積分(数Ⅱ)(BC、30分、Lv.3)

行列のn乗の問題と、成分を関数中に組み込んで面積を求める問題。融合といえば融合ですが、ただ合体した感じで、やることは前半と後半では全く別もの。

(1)、(2)はともに漸化式で得られますが、わざわざ分かれていることがポイント。同時には証明できません。右からかけた場合と、左からかけた場合で得られることに気づけばすぐでしたね^^ 

(3)以降ですが、まず(3)がきちんと計算できなければ、(4)(5)はともに解けません。(3)の計算方法ですが、この計算をまともにやるとかなり時間がかかります。

(4)は、(3)が明らかに使えるだろうと予想できますね。(5)は、A^5ぐらいであれば計算したほうが早いでしょう。41^4の計算はめんどくさい(たぶん41^4って書いても○です。)

 

※KATSUYAの解いた感想

(1)、(2)楽勝。(3)も計算方法さえ知っていれば簡単なので、楽勝。(4)は(3)が使えないと困る(笑) (5) 41の4乗・・・・このままでもいいだろうと判断し、計算せずで終了。解答時間14分。

 

対策

ⅢCの割合は今年に限った話ではないので、ⅢCの演習を重点的にやっておきましょう。ⅢCの融合問題をやっていれば、ⅠⅡABもいやでも出てくるので、一緒にレベルUPできます。

青チャートあたりで演習量をがっつり積んで、入試問題集で標準的な融合問題を数多くこなしておくといいでしょう。

学部が多いですが、形式は他の理工学部などでも一致するので、過去問演習に使えます。

 

以上です^^

 

 

 

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■関連するPrinciple Piece■

★ 数学A 集合と場合の数 (第1問)

★ 数学B 数列 (第1問)

★ 数学III 積分法の応用 (第1問)

★ 数学III 極限 (第2問)

★ 数学Ⅱ 積分 (第2、3問)

 

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