立命館大学 薬学方式(2/2) |2020年大学入試数学

   

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(薬学方式:2/2)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2020年大学入試(私大)シリーズ。

立命館大学(薬学方式:2/2)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



立命館大学(薬学方式:2/2)
(試験時間100分、4問、穴埋め型)

1.全体総評~計算量が全体的に多く、微難化~

2015年をピークに易化傾向が続いていましたが、2019年、2020年で難化し、難易度が戻りつつあります。

第2問の面積計算もうまく計算しないと時間かかるし、後半は数III的な考え方も必要で、題材的にも難しいです。第3問の空間ベクトルも、昨年に引き続き計算が多め。最後の確率はまだましといった感じです。


試験時間100分に対し、

標準解答時間は125分【84分】(←穴埋め考慮)

2019年は110分【74分】(←穴埋め考慮)

2018年は101分【71分】(←穴埋め考慮)

2017年は112分【76分】(←穴埋め考慮)

2016年は125分【83分】(←穴埋め考慮)

2015年は150分【104分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~基本でとにかく落とさないこと~

第1問は相対的に難易度が低いです。今年は12個ありますが、出来れば落とさず行きたい。
第2問はキー問題。前半の面積計算は正確性や、技の有無で時間差も出ます。後半は数III的センスが必要。どちらかをしっかり完答したい。
第3問もキー問題。やることは全て傍用問題集レベルのものですが、計算量の多いものばかりやらされます。耐えられるか。「サ」まで出来ればギリセーフでしょう。
第4問は確率。こちらも相対的に難易度が低いです。第2、3問で不本意な出来なら、ここで取るしかない。

第1問、第4問を8割以上で正解し、第2、3問を半分ずつでクリアする。70%弱ぐらいがボーダーでしょうか。

 

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【2次関数+複素数と方程式+指数関数】指数方程式、解の和(B 12分【8分】、Lv.1)

うまく組み合わされた問題です。置き換え型の指数方程式で、2次関数になります。

置き換えた式は正なので、正の2解をもつ条件に帰着させます。軸>0、D>0、f(0)>0のパターンですね。最後は「解の積を考えると」と書いてあるので親切ですが、指数の和α+βは、置き換えた式Xの解としては積になりますので、解と係数の関係の出番というわけです。

解の積は3/2なので、指数α+β=-1となります。

 

☆第1問(2)・・・【数列】漸化式(4型)(AB、9分【6分】、Lv.1)

文字pが入ってはいますが、基本的な漸化式です。=cとおいて特性方程式を作り、等比型に帰着させましょう。

体積が常に一定となるというのは、「n」によらないという意味です。従って、a(n)=a(n+1)=cとして解いたときのc=10pが、そのままa(1)=10になるときなので、p=1と考えます。特性方程式の解は、恒等変換となる値とも言えますね。

 

☆第1問(3)・・・【データ分析】平均、分散、標準偏差、データ値の変更(B、12分【8分】、Lv.2)

データ値の変更に伴って、平均や分散がどう変化するかを聞いています。思ったより数値を具体的に聞いていますので、点数が不明な3人も含めて、不明な10人とも細かく見ていく必要があります。

最初の分散は4、2回目の平均6まではいいでしょう。最後の標準偏差は、点数不明の3人についての議論が必要です。

未知数が3つで、1回目の平均と分散の情報から得られる式は、a+b+c=17、(a-2)^2+(b-2)^2+(c-2)^2=20 です。式は2つなので一般的には決められませんが、点数は0以上の整数であることを利用すれば、数値のj組み合わせとしては(9,5,3)と1つに決まります。これで出せますね。

なお、分散=(2乗の平均)ー(平均の2乗)の式を利用すると、a,b,cの2乗和が117であることしか使わないので、a、b、cを出さずに標準偏差を出せます。

 

 

※KATSUYAは計12分で解いています。去年の倍かかってる。データでちょっと時間取られたな。

 

第2問・・・【微積分II】3次関数、面積、水面の上昇速度(BC、30分【20分】、Lv.2)

「3次関数柱」とでも呼べばいいのでしょうか、そんな形の容器を想定し、水を入れていく問題。(0≦x<1の部分いらないですけどね^^;)

前半は容器の設定ははっきり言って大げさで、ただの微積計算です。極小点と極大点を「アイ」と「オカ」で答えます。ウはいいとして、エとキはただの面積です。エ、キともにテクニック次第では計算量は減らせますし、「キ」の方は「12分の」公式も使えます。qで割ることだけ忘れないように。

後半は、数IIの教科書の面積のところにあるやつです。奥行き1なので、本質的には面積の微小変化部分を、「ちょうどいい」横の長さの長方形に近似できるでしょっていう流れで解くパターンです。ちょっと水面上昇速度とかいってるので、数IIIチックですね。

 

 

※KATSUYAは14分で解いています。前半はただの微積計算で、容器にする必要なくない?「エ」とか「キ」って、qで割り忘れたらバツ?だとしたらひっかけとしては質が低い。後半は、、、数IIの教科書の面積のところに載ってる、「面積を長方形にして極限取る」パターン。なんか数IIIチック。

第3問・・・【ベクトル】4点を通る球面と平面との交線(円)の中心と半径、垂線など(B、35分【24分】、Lv.2)

空間ベクトルの問題で、1つ1つは大したことを聞いていないのですが、4点を通る球面の決定や平面に下ろした垂線など、計算の長い連立が2つもあるので、気持ち負けしかねない問題です。

最初はいいでしょう。条件からtとuの式を2つ作ってください。4点を通る球面に関しては、素直に一般形で置いて連立するしかないかと。

一般形 x^2+y^2+z^2+px+qy+rz+s=0 で置くのがラクかな。なお、ここが合わないと芋づるで落とすので、多少時間かけても慎重にやるべきです。

キクケは、z=kを代入して整理するだけです。これでコサまで行けるでしょう。

後半は斜めっている平面で切ったときの中心と半径。球の中心から平面OABに下ろした垂線の足がC2の中心になりますので、垂線を出します。それが平面OAB上にあるとして式を作ることになります。一般的には、平面上にあるので1-s-t、s、tの係数を用いて表し、OAとOBの両方に垂直なので内積ゼロとして連立します。今回は両方に垂直なベクトルを出しているので、これを利用して平面上にあることを式にしましょう。再び連立計算です。結構大変ですね。

最後まで行ければ御の字ですね^^

 

※KATSUYAは15分で解いています。連立2回もさせられるとはおもわんかったな。今年は量多い気がする。。。

☆第4問・・・【確率】カードと確率、確率の最大値(B、27分【18分】、Lv.2)

最後は確率で、小問2題構成といえます。前半5つは一般的な確率ですが、状況的には計算するより素直に書きだした方が正解しやすいタイプ。後半は典型的な確率の最大値の問題。後半の方が解きやすい?

(a)の2つは基本。戻さないくじ引きのパターンでいいでしょう。

(b)からは基本的には書き出しで、規則がつかめれば計算。2回なら3,7と4,6のみ、3回なら{1,2},7となる確率を出し、他に{1,3}、6など何パターンあるかを調べればOK。

※{ }内は順番入れ替え可能という意味

(c)も、1枚で終わる時、2枚で終わる時、3枚で終わる時などいっぱいありますので、書きだした方が変に計算するよりは早いかと思います。なお、「オ」は文脈的に条件付き確率のような気がしますが、この表現では分かりにくいのでどちらでもOKのはずです。

※今年の立命館、理系でもこんな感じのありましたし、個人的には、表現については受験生側のことを考えて推敲していただきたいと思います。

 

後半は確率の最大値で、問題文の誘導の通り(P(n+1)/P(n) を計算し、1との大小を比較することで求められます。こちらはパターンですね。

 

※KATSUYAは10分で解いています。前半の方で書きだして7分ぐらいかかっています。後半はパターンなのでカリカリ計算するだけ。

 

4.対策~確率と漸化式、文字計算の対策を~

今年はまた確率と漸化式が姿を消しましたが、出る可能性は相変わらず高いですので、引き続き確率と漸化式の対策は怠らないように。

第1問の小問集合を利用(?)して、その他の分野もまんべんなく出題してきます(後述の、関連する拙著シリーズ参照)。真ん中の第2問、第3問は数II、数Bの傾向が強いですが、両方数IIのときもあります。

時間的には決して余裕があるとはいえませんので、典型的な解法がスピーディに思いついて、すぐに手が動くようにチャートなどで繰り返し練習しましょう。

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでよさそうです。

以上です^^

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