神戸大学 理系 | 2020年大学入試数学

      2020/03/08

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は神戸大学(理系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。

2020年大学入試シリーズ(国公立)。
神戸大学(理系)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。





また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





神戸大学(理系)
(試験時間120分、5問、記述式)

1.全体総評~良問セットが続く~

難易度は微難化です。質・量ともに安定しています。演習するとしてもぜひやってほしいと思えるセットだと思います。出題内容やレベルもバランスが取れており、試験としても適切だと思います。

数IIIは2問で、微積分と極限。あとは数列、数IIメインの微積、場合の数です。5問中3問は数IIIの微分が絡みますが、ここ数年の傾向通りです。



試験時間120分に対し、
標準回答時間は125分。

2019年:115分

2018年:120分

2017年:145分

2016年:110分

2015年:150分

2014年:130分

2.合格ライン

第1問は理系であれば取れると思います。計算も含めて確実に合わせたい。
第2問はキー問題。(1)も意外と出来が分かれそう。(2)はノーヒントで計算を遂行できるか。
第3問は文理共通ですが、(3)がキー問題。経験の有無で差がでるでしょう。
第4問もキー問題。(1)は2回微分しないと様子がつかめないことに気づけるか。
第5問は(2)が難しい。(1)止まりかもです。

第1問を合わせて、第2問~第4問で2完を目指したいところ。残りは部分点狙いで60%~65%ぐらいでしょうか。

3.各問の難易度

☆第1問 【微積分(II)、微分法III】3次関数の性質、面積(B,20分、Lv.2)

最初は数IIの微積分からの問題で、最初は数IIIの微分も使えます。理系であれば押さえたいレベルの問題。

(1)は理系であればやり方含めて経験済みでしょう。(x-●)^2で割った余り(ax+bとおける)については、f(●)とともに、積の微分利用してf'(●)の計算が可能です。これがともに0であることから、a=b=0になることが分かります。

(2)は残りの解も分かったところで、再度微分します。積の微分など、数IIIの知識を活用すれば(x-α)をくずさずに微分出来るので、因数分解もラクです。

(3)は面積です。面積で必要なのは交点と上下関係です。f(x)=f'(x)の交点を探します。因数分解はすぐですね。あとは積分するだけです。

 

※KATSUYAの感想:解答時間10分。数II関連の微積かな。(1)はパターン。ん?ここは数IIIやな。(2)の微分も数IIIあったほうがいい。(3)はただの面積なので交点出して計算して終了。

☆第2問 【微積分総合】内心の軌跡、媒介変数表示、回転体の体積(BC、30分、Lv.2)

三角形の内心の軌跡を媒介変数表示で求め、回転体の体積を求める問題。

(1)ですが、OABは二等辺三角形なので、ABの中点をMとしたときに、PはOM上にあります。あとは内心の問題のパターンで、角の二等分線からBO:BM=PO:PMを利用すれば、内分の公式で行けますね。倍角の公式等を駆使して、結果に合うように変形していきましょう。

(2)については、概形の把握は必要ですが、詳しい変化表までは不要です。

xはθ=0~θ=π/2で戻りがなく左に移動すること、範囲内ではy≧0であること、OAとの交点は(0,0)、(1,1)であること

この3つを調べておく必要はあるかと思います。これで、体積は出せます。媒介変数の場合はとりあえず∫πy^2dx と書いておいて、θに置換積分します。yとdxをθやdθで表せばOK。

積分できるかどうかは差がつくかもしれません。(cosθ)^2=1-(sinθ)^2などを利用すると、(sinの式)×cosの形にできます。ので、sinθ=uともう一度置換するとうまくいきます。分数関数は分子が3次、分母が1次なので帯分数表記し、分数部分はlogになります。

(1)(2)ともに適度に差がつきそうな良問ですね。

※KATSUYAの解答時間16分。(1)は上記のとおり進める。意外とメンドウ。(2)は、、、形的にはメンドウやけど、これ回転体なんか出せるん?めんどそう・・・式を見て、sinの式×cosにできそうやから原則通り置換積分。でも分数でまあまあかかる。

☆第3問 【場合の数】順列、組み合わせの総数(B、20分、Lv.2)

和が30になる2つの自然数の順列(入れ替え別)、3つの自然数の順列、組み合わせ(入れ替え同一視)を求めます。単純な問題ですが、考え方などは非常に良問です。演習したことのない人はぜひやってみましょう。

(1)は(1、29)~(29、1)までですこれはいいでしょう。順列なので、入れ替えも別組とみなします。組み合わせなら、(1,29)~(15,15)までとなります。

(2)は聞き方が若干遠まわしですが、重複組み合わせのパターン問題です。x+y+z=30となる自然数x、y、zの組数を聞いているだけなので、●と仕切りで考えましょう。

(3)は良問。(2)との関係を考えます。(A,A,A)型がp通りあるとすれば、(2)でもそのままp通りです。(A,A,B)型がq通りあるとすれば、(2)では並べ替えがありますので、3q通りです。(A,B,C)型がr通りあるとすると、(2)では3!倍されて、6r通りとなります。

(2)で分かっていることは、p+3q+6r=405であることです。pとqは簡単に数えられますので、そこからrを出し、その上でp+q+rが(3)の答えになりますね^^

※KATSUYAの解答時間9分。パターン問題やけど(3)は経験の有無で差が分かれそう。ありそうで意外とチャートとかにはないよな問題。これ入れてほしいですね^^

第4問 【微分法+極限】最大値を取るxの値と極限(BC、25分、Lv.2)

ある関数が最大値を取るxの値を求め、極限を求める問題。もとまらない解と極限の問題としては難易度は低めですが、経験の有無で差がでそうですね。

(1)が意外とメンドウかと。f’(x)=0となるxが1つ存在し、正か負に変わることを示せばOKなので、f’(x)の分子をもう一度微分することになります。微分してもよく分からなければ、とりあえずもう一度微分してみることは原則です。

f’(x)の分子はもう一度微分するとかなり単純な式になりますので、単調性が言えます。単調性と区間の両端の符号から、解が1つであることは言えますし、正から負になることも同時に言えますね。

(2)はxn自体は求まらないので、xnが満たす方程式を考えます。f’(x)の分子x・cosx-sinx=0ですから、x=tanxになります。これで、xとtanxが結びつきますね。あとはそのxが定義域内にあることから、ハサミウチとなります。

求まらない解の極限では、基本的に解を評価してハサミウチすることになります。経験がない人用の最初の練習問題としては非常にいい問題です。試験では経験の有無でほぼ確実に差がつくレベルです。

※KATSUYAの解答時間11分。ハサミウチするパターンやな。難しいかも。最大は極大やろうから、f’(x)=0の解の議論になる。もう一度微分して単調性が分かった。(2)で満たす方程式を確認。tanx=xやから分母はxに出来る。ハサミウチは思ったより簡単やったな^^;

☆第5問 【数列】特殊な漸化式と一般項(C、30分、Lv.2)

最後は数列と漸化式ですが、漸化式には絶対値が入っており、思いつかないとかなり難しいと思います。発想力が問われる問題なので、30分としました。計算自体はあまりありません。

(1)で一般項を出そうとした人はどれぐらいいるでしょうか。(2)を見れば分かりますが、この数列は長さpで循環するはずですので、p=3での
お試し問題です。x4=x1になることを確認するまで代入するだけですね。

それを一般化するのが(2)です。p=3だけでは見ぬくのは難しいと思いますので、p=2やp=4,5あたりでやってみると、x1~xpまでの一般項が推定できるはずです。自然数に関する証明で、かつ結果が推定できるので、帰納法が威力を発揮します。ここまで気づけばこっちの勝ちですね^^

※KATSUYAの解答時間16分。コツコツ計算するだけですね。

4.対策

神戸大は非常に良問が多いです。過去問の演習で実力UPを図れます。超難関大を受験する人は、高2ぐらいか、あるいは高3の初期に演習してもいいでしょう。

出題分野は、数IIIについては微積分からが圧倒的に多く、複数題でます。それ以外は少なめ。あとは数Bがどちらか、数Aもどちらかと言った印象。理系ですが、今年のように数IIの微積分が出ることもあります。

レベル的には入試標準問題レベルまででいいと思います。適度に融合されている過去問を多めにやり、誘導にうまく乗る練習をしましょう。

こちらは50年分が記載されているものです。早めに買って、習った分野(自信のある分野)からちょっとずつやってみてもいいでしょう。



量をこなす演習:じっくり演習=7:3でOK。

以上です^^

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