東京大学 理系 | 2021年大学入試数学

   

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回東京大学(理系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。

2021年大学入試(国公立)シリーズ。

東京大学(理系)です。

やっぱり最初はここですね^^

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





東京大学(理系)
(試験時間150分、6問、記述式)

1.全体総評~逃げ道がほとんどないセット~

全体としては昨年比で変化なしで、難しいセットが続いています。原今年は第1問から比較的骨のある問題が並び、他の問題に逃げようにも、どの問題も完答しくかったのではないでしょうか。点数的にはかなり取りにくそうなセットです。

 

最初の第1問の通過領域も決して簡単ではなく、第2問は演習量がないと思いつかないと思います。第3問の積分計算が一番マシなレベルですが、計算量は多め。第4問の二項係数は最難問でかなりキツイ。第5問の微積も、あきらめずに微分を繰り返せ高。第6問も論証に近いので答案量は多め。

なお、確率(漸化式絡みなど)からの出題がこれで4年連続なしでした。今後も続くのかどうか、、、



試験時間150分に対し、標準回答時間は205分。

2020年:210分。

2019年:210分。

2018年:195分

2017年:165分

2016年:205分

2015年:215分

2014年:205分

2013年:205分

2012年:205分

2011年:195分

2010年:200分

※過去12年平均:201分

2.合格ライン

第1問はキー問題。通過領域なのでパターンだが、2文字が絡むのでa,bの条件がメンドウなので差がつくと思われる。

第2問もキー問題。実質(2)が出来ないと5点/20点ぐらいだと思うので、(2)が出来たかどうか。

第3問もキー問題。数IIIの微積総合。体積的な計算だが、被積分関数がまあまあ煩雑なので計算合わせられるか。こちらも(2)が出来ないと点数が期待できない。

第4問は最難問だが、小問が多いのでなんとかかき集める。メインは(2)(3)でかなり厳しいが、(1)(4)だけでも取っておく。

第5問はキー問題。微分を諦めずに繰り返せたかどうか。

第6問は誘導に従うだけなので、(1)(2)までは行けるはず。(3)は気づかないと答案量が増えるので、見通しが明るくないと手とつけにくい。

キー問題は、小問の少ない問題でしょう。ここでなんとか2完して、小問の多い第4問、第6問とかでかき集めて残り1完半ぐらいできれば。

理I,理IIが50%強、理IIIは65%ぐらいかと。

 

3.各問の難易度

☆第1問 【図形と式】放物線の通過領域(C,30分、Lv.3)

通過領域の問題です。2文字が絡んでいるので、頻出の通過領域のパターンよりは難しいと思います。

(1)はいいでしょう。解の存在範囲が与えられていたら、D、軸、端っこの符号の3つを調べるのが原則です。今回は、端っこの符号だけでOKです。

(2)は通過領域です。a,bの2文字が入っている上に、その条件自体が領域なので、一筋縄ではいかないと思います。(1文字であれば、解の存在範囲の問題に帰着させればいいのですが。

このようなときは、Y=Xa+b+x^2 (Xは定数、a,bは変数)とでもおいて、Xの値に応じてYの範囲を不等式で表す方法がいいと思います。(一部では、ファクシミリの原理などと呼ばれています)

結局aに関する1次関数なので、その係数が正か負か等で場合分けすると、取りうる値の範囲は簡単に出せます。ただし、bの条件があるため、a<0、a≧0で場合分けをし、その上でさらに係数に応じてXで場合分けするので、かなり煩雑にはなります。

(1)の領域がb軸対称であること、aの係数がxの1次にだけついていることを考えるとx≧0だけで行けるのですが、試験会場でそこまで頭が回るのか、そしてその説明がきちんとできるかを考えると、素直に全部調べる方が得策でしょう。

 

 

KATSUYAの感想:解答時間22分。通過領域か。でも2文字あるからメンドそう。(1)はさくっと。(2)はファクシミリかなぁ。bの条件も考えると、場合分けかなり出てくる。でもコツコツやるしかないかな。最初からまあまあ重めな感じがする。今年も難しいセットか。

 

☆第2問 【複素数平面(平面ベクトル)】複素数平面上での存在範囲(C、25分、Lv.3)

次は複素数平面ですが、内容的にはほぼベクトルです。というか、ベクトルだと気づかないと完答は難しいでしょう。

(1)はとりあえず連立すれば出せます。iも係数に入ってきますので、慎重に計算しましょう。

(2)は、もちろんa,b,cをα、β、γで表しているので、それを利用します。あとは、α、β、γとしては独立に動きますので、1文字ずつ動かすのが原則ですね。これに気づきさえすれば、本問は勝ちです。

最初は線分が出来ます。その線分さらに平行に動かし、平行四辺形が、さらにその平行四辺形を平行移動したときの領域のイメージです。

※KATSUYAの感想:解答時間14分。学コン(「大学への数学」という本の学力コンテストのことです)にありそうな問題やなぁ。(2)まで見て、f(0)、f(1)、f(i)で表せばいいだけだと気づく、複素数平面ってことはベクトル的に動くんやな。最後まで、ほぼ手を止めることなく終了。6点の座標の計算がまあまあ神経使う^^;

 

第3問 【微積分総合】接線の方程式、定積分(B、25分、Lv.2)

数IIIの微積分総合ですが、グラフ的な考察などは必要なく、数式の微積分総合です。

(1)はただの接線の方程式で、交点は連立です。x=1が解のはずなので、因数定理を使うまでもないかと思います。

(2)は定積分の計算です。決して簡単な計算とは言いませんが、本セットで、かつ東大理系受験生ならこれで落とすと稼ぎどころはほとんどありません。

すなおに2乗展開し、項ごとに積分するのがいいと思います。分数関数が多めなので、分数関数の積分の原則を確認がてら、項ごとに見ておきましょう。

最初の項はx^2/(x^2+3)^2です。分子より分母の次数が高いこと、x^2+3の部分の判別式D<0などから、x=a・tanθの置換積分で行います。

真ん中の項はx(x+1)/4(x^2+3)です。まずは次数が同じなので、まず帯分数にします。その後、x/x^2+3の部分と、3/x^2+3の部分に分けます。前半はlogになる形、後半はまたx=a・tanθに置換しましょう。

最後はただの数IIの積分ですね。

方針だけ述べるなら簡単ですが、結構計算メンドウです。試験会場では、セット全体を見通し、ここで取らないと、と判断して慎重に計算できたかどうかです。あくまで「ただの計算」なので合わせたいところですが、「されど計算」です。

 

※KATSUYAの感想:解答時間14分。ただの積分けいさんってことね。メンドウやけど、東大でここで合わせないはダメだろうと判断し、慎重に計算。

☆第4問 【整数】二項係数を4で割った余り(D、60分、Lv.3)

東大がかならず出題する整数分野からの出題。題材の二項係数も、東大の十八番といえます。二項係数の研究してる先生でもいらっしゃるんでしょうか^^; 二項係数で遊べといいたいんですかと思うぐらい、東大の2項係数系統は難しいものが多いです。今年もここが本セット最難問です。(1)と(4)だけで終わった人が多いと思います。

(1)は4の剰余で積を分類すれば良かったと思います。私は4×4の表で分類し、余りが1や3になる整数Z1に整数Z2をかける場合、Z2を4で割った余りが違えば、Z1Z2を4で割った余りが全て互いに異なると説明しました。K塾さんの解答は単純明快で、目からうろこでした。発想的にKBを持ち出せるかどうかはちょっと微妙ですが。。。

(2)からはかなり難しいですが、「AとBが何回2で割れるかが同じ」であればいいことになります。二項係数は階乗の式で表せることも合わせて、※それを説明する方針で私は解きました。

※「20!が何回2で割れるか」のときに、20を2で割り続けて、足していくパターンの問題のことです。一般的に説明する場合は、Σ(n=1~∞)とし、[20/2^n]←ガウス記号 と表記するといいです。

ただし、(2)をこの方針で解くと、(3)がまったくみえなくなります。(3)をとくためには、Aの方を二項係数をきちんと分数表記し、その中にBの式が入っているということが見えていないとキツイです。詳しくは省略しますが、大量に並んだ分数を4つに分類しながら、a-bが2の倍数なら、KとLを4で割った余りが等しいことが言えれば(1)が利用できます。

(4)は(3)の事実を利用すれば答えを出すことが出来ます。(3)は証明できなくとも、利用して(4)だけかじっておくのが正解でしょう。(点数がどれだけあるかは分かりませんが、書かないよりはマシ)

※KATSUYAの感想:解答時間39分。二項係数好きやなぁ。ちょっと前も出てたような気がする。そして難しい可能性が高い。(1)はさくっと。(2)から詰まる。何を示せばいい?a,bに適当に数字を入れて試す。比を簡単にしていったときに両方奇数になればいい→2で割れる回数が同じならOKか。あ、階乗で表せるしいけそうやな^^ と判断。しかしこのやり方のせいで、(3)がお手上げ状態。(4)だけかじり、あとで戻ってきて、さらに模索。しゃーないので、とりあえず分数で並べ始めた時に、Aの中にBが見えたので、残りの部分の4で割った余りを見ればいいと判断。東大の二項係数、いつもムズイ・・・。

☆第5問 【微分法】方程式の解の存在条件など(BC、30分、Lv.3)

微分法の応用からで、方程式の解の存在条件を求めます。関数自体はそこまで複雑とは言い難いですが、定数が入っているのでやりにくいのと、解法次第では微分を3回行う必要が出てくるあたりが難しいです。

(1)がメイン。距離の式f(θ)をまず作り、微分します。微分してもよく分からんときは、もう一度微分してみるのが原則です。(三角×数式のような項があるときは結構このパターンがあてはまります。θsinθなど)

第2次導関数f''まで計算しても良く分かりませんので、ここでもういっちょ微分してみたかどうかです。第3次導関数f'''までやると符号が分かりやすくなり、単調性等と利用してf''(θ)の増減が分かり、符号の変化も分かります。すると、f'(θ)=0の増減も分かり、符号も分かるというわけですね。

(2)は、(1)から最後にf(θ)の増減表もかけますが、その前のf'(θ)の増減表から、f'(π/2<0)であれば条件を満たすことが分かります。こちらの方が簡単ですね^^


※KATSUYAの感想:解答時間19分。(1)今度はグラフ絡みの微分。積分はなさそう。解のはなしなら中間値の定理やな。微分しても全く見えないので、この時点で第3次導関数まで覚悟した(なんなら4回目まででもやるぞ、ぐらいの気持ち)ので、迷うことなく3回微分。ここで符号が分かったので一安心し、あとは手が止まることなく終了。

☆第6問 【方程式+整数】4次式が有理数係数の2次式に因数分解できる条件(BC、35分、Lv.2)

最後は方程式から。4次式を題材にした、因数分解の問題です。誘導に従って解いていくことが出来るので、本セットの中では手がつけやすいかもしれません。東大は第6問が最難問とは限らないのも特徴ですね。

(1)は単純に係数比較です。(2)は、(1)のb、cの部分にaの式を入れ、文字をaとpだけ残して等式を作ります。pの6次方程式になると思いますが、ヒントがあるので因数分解は可能です。(ヒントなしだと相当キツイ)

(3)は明らかに(2)を使うと判断できますが、論証に近い問題なので細かい部分に注意が必要です。まず、そもそも与えられた4次式は、有理数係数では(1)の形以外に因数分解は出来ないことを断わっておく必要があります。2か所あるpの部分が、同じ文字pで一般性を失っていないと言えればOK。

また、(1)から導かれた(2)の等式はp≠0のときです。従って、p=0のときは別に(1)からの議論(係数比較から)をしなければいけません。(満たすものはないとすぐに分かります)

p≠0のときは、(2)でもとめたややこい因数の方が0にならないので、p^2=a^2+1とわかります。aが整数であることから、pも有理数、しかも整数にならなければいけません。(ここの議論も本当はあった方がいい)ここまでくれば、整数解問題の基本は(因数分解)=(整数) ですから、(p-a)(p+a)=1 とすればOkです。

 

 

※KATSUYA解答時間17分。(1)は係数比較でさくっと。(2)意味深すぎるこのaの式。計算すれば見えるだろうと判断し、カリカリ計算。きれいに因数分解できる。よく思いつくな、こんなの。(3)は(2)の使用が見え見え。ん?でもそもそも、(1)の形以外に因数分解があるかもと思い、ないことを示す。あとは(2)で得た式をいじっていく。最後に、これがp≠0のときであることに気づき。p=0のときを確認して終了。最後まで見て、これに先に手を付けれれば点数はそれなりに稼げたかも。時間配分テクニックも大事。

4.対策

東大の頻出4分野である確率、整数、微積(空間系あり)、複素数平面ですが、今年は確率が出ず、空間系の出題もありませんでしたが、引き続き確率、整数、微積、新課程の複素数平面の対策は重点的に行ったほうがいいです。(確率は4年連続出題がないですが、忘れたころにきっと出題してくると思います)

分野的にはかなりバランスがとれているので、頻出分野以外にも苦手な部分がないように、演習量を積んでおく必要があります。

ただし、原則習得はもちろんのこと、入試演習も数多くこなしつつ、質の高い問題演習は解説や別解の研究もして、本質的な理解と幅広い視点を養うことが求められます。

今年レベルでの対策をとっておけばかなり万全でしょう。早い段階で解かなくてもいいので数年分見て、難易度(到達しなければならないレベル)を肌で感じておきましょう。

お尋ね者の大学なので、対策本もばっちりあります。単科長年タイプは27年分、全科目タイプでも7年分です。

東大の数学は良問が多く、解法研究の格好の的にされていますので、他にもたくさん本があります。


量をこなす演習:じっくり演習=6:4ぐらいでしょう。

以上です^^

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