東京大学 理系 数学 | 2016年大学入試数学

      2017/02/23

●2016年度大学入試数学評価を書いていきます。今回東京大学(理系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2016年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2016年大学入試(国公立)シリーズ、第1弾。

東京大学(理系)です。

やっぱり最初はここですね^^

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。



また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





東京大学(理系)
(試験時間150分、6問、記述式)

 

1.全体総評~数学IIIの割合が高いが、手はつけやすい~

昨年並みです。昨年よりも途中までは手が付けやすそうな問題が多いです。小問がある問題もない問題も、方針を謝る可能性は低く、部分点が稼げそうです。逆に、完答するには第6問をはじめかなりの実力が必要で、「どれもそこそこ手をつける」ことで6割を稼ぎにいけそうです。なお、6問中4問が数学IIIでした。あとは整数と確率。



試験時間150分に対し、
標準回答時間は205分。
2015年:215分
2014年:205分
2013年:205分
2012年:205分
2011年:195分
2010年:200分

ここ5、6年は安定して難易度が高いままですね^^;

 

2.合格ライン

第1問はキー問題。ただの微分だが、極限を考えないと出来ない点に注意。
第2問の確率もキー問題。漸化式で解くわけではないので、そこに執着するとアウト。なお、KO薬学部とネタが全く同じなことは特筆すべき点か。
第3問は最も完答できそうな問題。他を考えると、ここは欲しい。
第4問の複素数平面もキー問題。典型問題ではないが、難しいわけではないので、差が付くと思われます。
第5問の整数は細かい評価が必要。(3)だけ別枠だが、それに気づかず諦めるパターンか。
第6問はきつい。時間的にも、完答は難しい。

第3問+第1、2、4、5問で合計2、5完分あればなんとかなりそう。


60%ぐらいでしょうか。理Ⅲはキー問題を2問おさえたい。70%弱ぐらい。

3.各問の難易度

第1問・・・【微分法の応用】不等式の証明(BC,30分、Lv2)

ただの不等式の証明で、やることも差をとって微分ですが、今回は中辺が「e」という定数なので、微分するとすぐなくなりますけどね^^;

 

Principle Piece III-40

不等式は差をとって微分

(拙著シリーズ(白) 数学III 微分法の応用 p.44-47)


また、今回は「関数の関数乗」なので、微分する際には対数微分法で行います。

 

Principle Piece III-25

対数微分法は次の時に使う
[1] 関数の関数乗
[2] 次数の大きい分数式

(拙著シリーズ(白) 数学III 微分法 p.20-21)


また、どちらの不等式も、1度微分しただけではlogと正式が残ります。そのようなときは、もういっちょ微分しましょう。

Principle Piece III-39

微分しても分からなければもう一度微分

(拙著シリーズ(白) 数学III 微分法の応用 p.41-42)


2階微分は正負が決まりますので、1階微分の単超性が分かります。今回はこれと、∞の極限、あるいはゼロの極限を合わせることで、1階微分が正か負かを決めます。さらに最後も、極限を合わせる必要があります。

「単調増加で∞の極限がeなら、eより小さい」といった具合です。少し捻りがありますね。

※KATSUYAの解いた感想
eの定義が極限ということもあるので、極限と合わせることはなんとなく察しがついた。前半は単調増加+∞でe、後半は単調減少+∞でe、って感じのはず。2階微分し、お決まりの流れで終了。単調で上に有界なら、それ未満って、高校数学でありやっけ?ま、意味からしてOKやろ^^ 解答時間20分。

第2問・・・【確率】3つ巴戦の確率、条件付き確率(B、35分、Lv.2)

今年の確率は、漸化式を用いない方法で、確率の超基本である「分からなければ試してみる」という地道な調査を行えたかどうかで出来がわかれる問題です。

ULTIMATE Principle Piece 

n絡みで分からなければ小さい数字で試す

なお、今年のKO薬学部でもまったく同じネタの問題がありました。ほんブログで見ていた人は、かなりお得だったかもしれません。ネタが同じなので考え方も全く同じで、従って(1)と(2)の前半まではスラスラ行けてしまいます。

(1)では、Aが勝つための「勝ち、負け、待機」の配列は、実はかなり固定されるということで、nが3の倍数のときには勝てません。従って、3で割った余りで分けるか、あるいはAが勝つための配列を書けばOKです。

(2)の「3m」という設定からしても明らかにその意図があります。4、7、・・・3m-1回目で勝つ場合(1回目は入れちゃダメ!)と、2、5、8、・・・3m-2回目で勝つ場合に分けて計算します。最後の相手がBなのは、実は上の場合のみ全てですので、条件付き確率としては大したことはありません。それに気づくかどうかのほうを見ているのでしょう。

※KATSUYAの解いた感想
ん・・・?あ、えー!どっかで見たわ。KOやったかな。完全に同じ。確かあんとき、、、3つおきにあった気がするから、3で分けるほうがいいな。配列はほぼ覚えており、さくっと計算できてしまった。(2)はBが対戦相手になるときを考えるだけか。4回目と5回目で試すと、対戦相手が固定されていくことに気づき、こちらもさくっと計算して終了。解答時間16分。KO受けた人(見た人)、超有利やん。

第3問・・・【微分法の応用】面積の最小値(B、30分、Lv.2)

本セットでは最もすんなり行く問題です。空間における直線上の点ですから、もちろんベクトルで攻めます。「1-t、t」と置くパターンですね^^

R1~R3の座標は文字「a」が残りますが、楽に求められます。この三角形は直角三角形ですので、実は面積も簡単に出せます。R3がR1,R2よりも左にあることは断っておきましょう。

面積は単純に微分して終了です。ちょっと次数大きいですが、東大理系ならこれぐらいはスラスラいきたい。


※KATSUYAの解いた感想
空間ベクトルか。ベクトルなんとなく出そうな気がしたけど^^; 直線と平面の交点なので、1-t、tでおいてz=0でtを出す。これ3回もやるのね。座標3つだす。ただの直角三角形やんけ^^; 面積出して微分して終了。てか、また微分?しかも分数関数。第1問とやること似すぎ。ちょっとバランス悪いな。解答時間19分。

第4問・・・【複素数平面】鋭角三角形になる条件(B、25分、Lv.2)

新課程から出ました、複素数平面です。昔も東大は複素数平面を好んで出していたので、本単元は要注意です。今回は東大としては穏やかで、標準的。

ただ、典型的な手法を使うというよりは、図形的な意味とあわせて捉えるか、いっそのことx+yiとおいて座標的に計算するかの2択だと思います。要するに、複素数平面の問題とは言い難いタイプ、ということです^^;

どちらかの手法を取ったと思いますので、途中まででも部分点は入りやすそうですね。

複素数で攻めるなら、1-z/z^2-zなどの偏角の絶対値がπ/2未満⇔(実部が正)を用いますが、結局x+yiと途中で置き換えるほうが速いと気づきます^^;

 

※KATSUYAの解いた感想
お、複素数平面来た^^ でもなんか数字ほとんどないな。条件的には、偏角でせめて見るか。ーz、1+zの実部が0以上はすぐ。残りは1+z/zの実部・・・x+yiでおいたほうが速いなこりゃ^^;どうせ図示するんやし。最初から全部おき、実部条件で領域を出して終了。解答時間14分。

第5問・・・【整数】10進小数と不等式評価、無理数と有理数(C、35分、Lv.2)

東大恒例の整数問題ですが、今年は若干趣向が異なるようで、手がつけにくいです。最初は整数問題というより、0.・・・・(=qとする)とかいう長ったらしい式が0~1の間ということさえおさえておけば、簡単に評価できてしまいます。その勢いで、(2)もできますが、(2)は2pqが整数とは限りませんので、要注意です。

また、(3)はまったく別問題です。ただ単に、存在したとすると、0.・・・がちょうど「0」になってしまう、ということを示すだけでOKです。存在したとき、√sは有理数ですので、例の「√2は無理数であること示せ」系の問題であることに気づけば、背理法が思い浮かびやすいです。

Principle Piece I-10

無理数の証明は有理数と仮定して矛盾をちびく方法で

(拙著シリーズ(白) 数学I 数と方程式 p.20)


※KATSUYAの解いた感想
なんか、俺のあまり好きじゃないタイプの整数問題。とりあえず(1)を始める。√nだけ残して2乗するか。(k+1/k)タイプの2乗が出てきてこの+2の部分だけがきいていると思われるので、そのことをつらつら書いて終了。その流れで(2)は読めた。差が1以上あるって言えばいいな^^(3)は最初(2)を使おうとするが、まったく思い浮かばないので単独でやってみたらあっさり終了。解答時間24分。

第6問・・・【積分法の応用】空間座標、条件を満たす線分の通過領域の体積(CD、50分、Lv.2)

本セット最難問です。昨年度は見た目からしてゴツイですが、今年は見た目に惑わされて中身はゴツく、やり始めて詰まった人が結構いそうです。コンコイドの回転体とか呼ばれているものですが、その名のとおりKが回転体であることに気づかないと厳しいです。

その上で、xz平面だけで考え、CB上の点(x、z)が満たす不等式を導かなければいけませんが、ここは発想力と図形的考察の両方が必要で、かなり試行錯誤しないとたどり着かないと思います。

z=・・・で表したくなりますが、これだ泥沼で、x=・・・・の方が表しやすいです。z軸回転なので、そこは考えが及んで欲しいところ。

最後の積分自体はそこまで難しくありません。なお、私は試行錯誤した結果、極方程式がラクなことに気づきました。Cを極、z軸を始線にするという、非常にトリッキーな設定ですが、うまく行きます^^(K塾さんも別解で紹介していました。)

積分には、三角関数が大量発生しますが、第2置換積分が出来る形になっていますので、割とラクです。

 

Principle Piece III-51

(cosの式)・sin なら第2置換積分の利用

(拙著シリーズ(白) 数学III 積分法の応用  p.14-16)

 

※KATSUYAの解いた感想
また数III?数III多くないか今年^^; うーん、線分系ならアステロイド類似系かな、と思いながら同じやり方で進めるが、線分の範囲が汚すぎて断念。こりゃだめだ。他の方法を考える。(10分以上経過)ん?まてよ、Cは絶対通るし、θ設定したら簡単に長さ出せるってことは、極方程式いけるんじゃないか?Cを極でやってみて、ドンピシャはまり、一気に積分計算。三角の次数高いな^^;でも第2置換がこれまたドンピシャはまる。極方程式に気づかなかったら、危なかった。解答時間34分。

4.対策

下のリンク(過去のエントリー)をご覧下さい。非常に質の高い問題ですが、確率、整数、微積はほぼ確実なので、実は対策が取りやすい大学でもあります。複素数平面が今後はこれに仲間入りするでしょうから、6問中4問は分野が確定していると思えば、他の大学より勉強しやすいです。ただし、質の高い勉強が必要。

量をこなす演習:じっくり演習=6:4ぐらいでしょう。

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■

★ 数学Ⅰ 数と方程式 (第5問)

★ 数学A 確率 (第2問)

★ 数学A 整数 (第5問)

★ 数学B ベクトル (第3問、第6問)

★ 数学III 極限 (第1問)

★ 
数学III 微分法 (第1問、第3問)

★ 数学III 微分法の応用 (第1問、第3問)

★ 数学III 積分法 (第6問)

★ 数学III 積分法の応用 (第6問)

★ 数学III 複素数平面 (第4問)

★ 【計算0.9】数学 IAIIB (計算練習帳)

 

 

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