明治大学 理工学部 数学 講評|2022年度大学入試数学

   

●MARCHの数学シリーズです。今回は明治大学理工学部(2022年)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。今年度はMARCHシリーズを追加していこうと思います。

MARCHレベルの大学入試は基礎的な原則を習得する上で非常に良く、それでいて適度にひねられているため入試基礎演習としても適切です。原則習得+入試基礎演習を兼ねた問題の講評を行っていきたいと思います。


MARCHシリーズ

明治大学(理工学部)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。

★お知らせ★

YouTube チャンネルを開設しました 最初は試運転を兼ねて共通テスト数学について少しづつUPしています。

Twitter始めました こちらもよろしくお願いいたします^^

Principle Pieceシリーズの販売を再開しました^^ 原則習得のための参考書です。



明治大学(理工学部)
(90分、3問、穴埋め型)



1.全体傾向~質・量ともに理工学部らしいい難易度~

大問3問構成で、第1問は3つの問題で構成されています。小問も比較的計算量が多く、90分という制限時間を考えると忙しいです。

問題のレベルも、単なる典型パターンだけではなく入試標準レベルのものが多い印象で、すぐ手が付けられるとは限らない問題もあります。

90分ですべて解こうとすると厳しいので、なんとかなりそうだと思った問題から確実に得点していく練習が必要です。

 

解答時間は130分【90分】(←穴埋め考慮)

 

2.各問の難易度

本文にある緑字(この色)は、大学入試数学を解く上で必要な原則を表しています。

第1問(1)…【複素数と方程式など】高次式の値など(B、20分【13分】、Lv.2)

高次式(11次式)を展開したときの係数やあまり、式の値などの計算です。二項係数など、複数の分野もうまく絡んでいます。

(a)は剰余の定理でf(2)を計算するだけです。

(b)は11次方程式の解と係数の関係でもいけるのではないかと。どんな方程式でも、最高次の次の係数は、解の和の符号を変えればOK。展開項を考えればわかりますね。10重解が1、1つが-2なので解の和=8なのでー8です。

(c)は1つ飛びの係数なので、f(1)とf(-1)の計算結果で辺々を調整すると得られます。ちょっと発想寄りですが、全係数の和はf(1)で出せますので、そこから思いつけるかどうかというところ。

(d)は複素数の計算です。10乗の計算は複素数平面の知識でもいいですし、(i-1)^2=-2iで5乗しても出せます。

 

4つ中3つは押さえたいですね。

 

第1問(2)…【式と曲線、2次関数】曲線と直線の共有点条件(B、15分【10分】、Lv.2)

2次式で表される曲線と直線の共有点条件です。2次式自体は数IIIの関数ですが、やることはただの2次関数の問題です。

(a)は連立して判別式Dです。

(b)も連立した式の解の存在範囲です。0以上で少なくとも1つなので、1個の場合と2個の場合(重解含む)に分けましょう。ケタ指定であることを利用すると、「セ」は「サ」と同じ5だろうと予想がつきますね。

これは押さえたいですね。

 

☆第1問(3)…【微積分総合】最小値、変曲点、面積、接線(B、25分【18分】、Lv.2)

数IIIの微積分総合で、最小値やら面積やらいろいろ聞いてきます。数IIIはやることが比較的明確なものが多いですが、計算量は多いです。

(a)は直接微分してもいいですし、logxを置き換えて2次関数として出してもOK。

(b)は微分しないとダメです。2回微分しましょう。

(c)は面積です。面積で必要なのは交点です。これも置き換えすれば解は出せますね。(logx)^2、logxの積分は部分積分です。logxが入る場合は(x)'を持ってくるんでしたね。うまく気づけば、途中で部分積分を終えることが出来ます。(第1項で部分積分したものと、第2項の積分がキャンセルされます)

(d)はまず接点を置くことが原則。接線の式を表して、(0,a)を代入しましょう。少し高度な知識ですが、変曲点を通る接線だと知っていれば(b)の座標と傾きで簡単に出せます。まともに計算してもそこまで時間はかかりません。

(e)も(d)同様に、接線が(0,b)を通るとして方程式を作ります。接点tの解を直接出してもそこまでしんどくはないです。2つの接点t1,t2はeの指数の符号が違うので、積が1になります。これに気づけば、あとは傾きの積=ー1でいけるでしょう。

5問中最低3問、出来れば4問欲しいところ。

 

 

☆第2問…【三角関数+平面図形】内接円の半径が1の三角形の面積(B、25分【18分】、Lv.2)

図形のからんだ三角関数の問題で、内接円の半径が1となる三角形の面積の範囲について聞いています。有名な題材、で一度深く触れていれば詰まることはないですが、知らないとアプローチしにくいかもしれません。

「あ」、「い」は図を書けばいけます。「う」はtanの加法定理です。α+βが0~90°の範囲のときは「う」が正なので、「う」の式を正にする範囲が「え」となります。

「お」で差が付きそうですが、ここが出せないと「か」が出せません。αやβは三角形の角の2等分線になっているので、残りの角の二等分線が絡むと分かれば、tan(90°ーαーβ)を使うと気づけるはずです。なので、「お」は「う」と同じ答えが入ります。

 

面積は三角比でよく用いるS=1/2r(a+b+c)の公式ですね。

 

※さらに一般化すると、半径1の円が内接する三角形の面積の最小値は3√3(1辺が2√3の正三角形のとき)となります。

「え」までは欲しいです。「お」に気づけて最後まで行ければ貯金でしょう。

 

 

☆第3問…【ベクトル+積分】平行六面体、回転体の体積(C、45分【30分】、Lv.3)

最後は空間図形からで、ベクトルの問題と斜め回転体の問題です。平行六面体を対角線を軸に回転させる問題。

2010年の京都大学にほぼ同じように解ける問題が出ています。なお、こちらは誘導なしで、なんと文系でも出題されました。こちらは誘導があるのと、答えだけでいいので、まだマシですがそれでも計算は長いです。

(1)はO→A→E→Fなどとたどるといいでしょう。平行六面体や正六角形は辿るのが一番手堅いです。

(2)は(1)の絶対値を2乗します。内積が1/2のおかげで展開項はすべて1です。内積からcosも出ます。

(3)は丁寧にACDが底面と書いてますので、そのつもりで眺めます。OFとACDの交点は記述式ならちゃんと書く必要がありますが、感覚的にACDの外接円が底面、高さはOFの1/3倍と分かれば円錐の計算はさくっとできます。感覚的にわからない場合は、kOF→で設定し、OA,OC,ODの係数の和が1として求めるのが原則です。

(4)から本格的に難易度が上がります。OFに垂直な平面で切っていくと、ACDを通る場合までは正三角形ですが、それ以降GEBを通る場合まで、は切断面がすべての面と交差するのでので六角形になります。イメージとしてはOFを3等分したうちの真ん中のときです。これで「さ」まで出せます。

「し」では、六角形のうち1つの頂点Qの位置を特定するということです。AE上にあるのでOQ→=OA→+kOD→、PQ⊥OAで内積ゼロとしてkを求めるという手順です。こちらも基本手法です。空間は頭が混乱しやすいので、空いたスペースに記述式ように書いていくといいでしょう。

PQ^2は誘導にあるとおりOQ^2-OP^2で出しましょう。ここはちょっと複雑なので慎重にいきましょう。なお、このPQ^2は、回転体を切断したときの円の半径^2になっています。最後の(5)への準備です。

(5)はこの平行六面体を回転させた立体の体積です。両端は「こ」で求めた円錐の体積です。真ん中は、六角形を回転した円(Q以外の頂点を調べていませんが、どの頂点もPからの距離は等しくなります。誘導の流れに乗って、信じて進みましょう)になります。2乗の値は(4)の最後に求めたものなので、円周率をかけて積分するだけです。

分数、ルートが絡むのでこちらも計算は慎重にやりましょう。

「こ」、「さ」ぐらいまでは正解したいか。「し」以降は経験がないと誘導の意図もつかめない可能性が高く、時間的にもかなりキツイか。

 

2010年に京都大で出たものが12年後に明大で出題されたということになります。超難関大の入試は、時が経つとともに別の大学で出る傾向にありますね。

 

 

 

3.対策~計算力を高める+レベルは入試標準レベルまで~

出題範囲は数IIIが2問ぐらいあり、あとはまんべんなくという印象です。チャート式(青がいいかも)のような網羅的問題集をこなしておき、入試基礎レベル、さらに入試標準レベル演習ぐらいまでやっておきたいところですね。基礎だけだと対応できないものが多そうです。

難易度と量の割に時間は短めです。多少ひねられていても自分が察知したパターン問題の解法をあてはめて最後までやり切る力を身に着けまましょう。

 

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。うまく融合されている問題が多いので、過去問演習が大事。

以上です^^

>> 他の明治大数学も見てみる

 

 

★お知らせ★

YouTube チャンネルを開設しました 最初は試運転を兼ねて共通テスト数学について少しづつUPしています。

Twitter始めました こちらもよろしくお願いいたします^^

Principle Pieceシリーズの販売を再開しました^^ 原則習得+入試基礎演習のための参考書です。MARCHレベルには最適の参考書です。

 

 - 2022年度大学入試数学, 明治大学入試数学 , , , , , , , , , ,