関西大学 理系(2月7日実施) | 2019年大学入試数学

   

●2019年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(理系、2月7日実施)です。

※入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2019年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2019年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(理系、2月7日実施)です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





関西大学(理系、2月7日実施)
(試験時間100分、4問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~数IIIの割合、小問集合の処理量ともに減少~

易化しています。昨年は大門が全て数IIIで、さすがに受験生の成績が悪かったのでしょうか。今年は割合がかなり減りました。小問集合も昨年より時間をかけずに済み、むしろ近年では最も処理量が少ないのではないかと思います。

なお、第2問、第3問がともに数Bです。



試験時間100分に対し、

標準回答時間は97分【78分】(←穴埋め考慮) 

2018年は123【97分】(←穴埋め考慮)

2017年は104分【86分】(←穴埋め考慮)

2016年は128分【102分】(←穴埋め考慮)

2015年は122分【88分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン

第1問は数学IIIの微積総合。体積の計算もないので、計算も含めて合わせたい。
第2問も典型的な
格子点上の点の数。最初の5つは最低でも確保したい。6の計算処理は差がでそう。
第3問も空間ベクトルで、基本的。(2)の証明は意外と差がつくか?
第4問は今年は(2)(4)(5)などで細かいミスが出ると差がつく。



第1問は押さえる、数Bは苦手な人も多いので、第2,3問で合わせて7割。第4問は3,4問ぐらい欲しい。時間もあるので、75%ぐらいは取りたいですね。


3.各問の難易度

第1問・・・【微積分総合】変曲点、グラフ、面積(B、25分、Lv.1)

昨年に引き続き、微積分総合です。(1)(2)でグラフの情報を集め、(3)で書いてもらい、(4)で面積。関数もそこまでややこしくないです。

(1)は2回微分します。x=0以外の解の前後で符号が変わることを明記するか、凹凸表を書きましょう。解を出して、すぐに変曲点と言うのはマズイ。

(2)はy=axになることは予想できます。f(x)-axの極限を取りましょう

(3)では、1回微分したものがありますが、これの解を解析的に出すのが難しいので、存在だけは既知としてグラフを書きましょう、ということです。

(4)は面積。xe^(-x^2)は第2置換積分ですね。

 

※KATSUYAは16分で解答しています。まずはかっちり合わせたいところ。

 

☆第2問・・・【数列(or 場合の数)+極限】不等式を満たす整数解の個数、極限(B、25分【16分】、Lv.2)

2次元上、3次元上での領域における格子点の個数で、いいかえると条件式を満たす整数解の個数となります。

整数解の個数の問題は、1文字を固定してΣ計算をする方法が思いつきやすいです。(Principle Piece A-74 数学A  整数p.63)

本問では、前半は漸化式で計算、後半は上記原則に従うやり方になっています。a_mからa_m+1の違いは、x+y=m+1上にある格子点の数です。階差型の漸化式になります。(Principle Piece B-11 数学B  数列p.32)

後半はz=kとおくと、x+y≦n-k、x≧0、y≧0で、出したものが使えます。これをΣ計算することになりますが、逆から数えた方が見通しがいいので、(z=n,n-1、・・・,2,1,0)。Σ計算するときは「5」の式は書き換えたほうがいいでしょう。

級数はおまけ。部分分数分解によって真ん中をごっそり消すパターンですね。(Principle Piece B-7 数学B  数列p.23-24)

なお、「4」や「6」を出すだけなら、重複組み合わせの考え方でもOK。

x+y≦n x≧0、y≧0 の場合は、u=n-x-y を導入すると、x+y+u=n、x≧0、y≧0、u≧0との解の組数と1:1に対応しますので、n+2_C_2で計算できます。後半も同様に考えると、n+3C3となります。

※KATSUYAは6分で終了しています。典型パターンで、かつ結果は組み合わせて出しています。計算はほとんどありません。

 

☆第3問・・・【ベクトル】四面体、平面と直線の交点(AB、20分、Lv.1)

基本的な空間ベクトルの問題です。平面上にあるときに係数の和が1になることの証明がありますが、これには意表をつかれたかもしれません。

最初は内分点の公式を駆使しましょう。

次です。平面上にあることは、AS=xAB+yACとおけることに他なりません。あとは、差の公式で始点をOに合わせるだけです。(Principle Piece B-25 数学B  ベクトルp.9) s,t,uにこだわるとかえって書きにくいかも。

(3)は(2)が証明できなくても使ってOK。証明するということは、それが事実ということなので。使う文字が1つである直線上の点であることを先に実数倍で表し(書いてある。親切すぎる^^;)、係数の和が1に持っていきましょう。(Principle Piece B-52 数学B  ベクトルp.69)

最後の最大値はおまけ。分母を平方完成するだけです。

※KATSUYAは10分で解答しています。(2)はs,t,uにこだわってしまい、なんか手間取りました。反省^^;

 

第4問(1)・・・【図形と式】垂直に等分線(A、3分【2分】、Lv.1)

中点と結んで、ABの傾きと垂直であるとすればOK。出た解が、傾きを定義出来る(a≠2)ことは確認しましょう。

※K塾さんの解答である、「 (1,3)とA、Bからの距離が等しい」だと余計なことも考えずにすっきりしそうですね。

第4問(2)・・・【三角関数】三角方程式(A、3分【2分】、Lv.1)

こちらは基本的な三角方程式ですが、うまくひっかかるように設定しています。

分母を払うと、合成の条件が見える方程式になります(1次、sinとcosあり、θが同じ)。(Principle Piece II-70 数学II  三角関数 p.43-44)

解にθ=0が入っていますが、元の方程式ではこれは定義されませんので、除きます。引っかからずにできたでしょうか。わざわざ分数になっている意図をよく考えましょう。

 

第4問(3)・・・【式と曲線】極方程式(A、5分【3分】、Lv.1)

極方程式をx、yの式に直すだけです。r=√x^2+y^2 などの基本的な公式をあてはめるだけ。ルートをなくすためには、ルートの項のみを=の片側に残して2乗しましょう。

 

☆第4問(4)・・・【確率】カードと数字の大小(AB、8分【5分】、Lv.2)

今年も4-4に確率で、小問の中では比較的時間のかかる問題です。地道に数えましょう。-2は入れるなら2回入れるしかなく、(-2、-2,2)の組み合わせに気づけばあとは(2,2,2)か(1,2,4)しかありません。並べ替え分には注意。

☆第4問(5)・・・【整数】整数解(AB、8分【5分】、Lv.2)

整数解の問題です。9^n+55=m^2 とおきます。9^n、m^2が平方数なので、因数分解が見えれば勝ちです^^

整数解問題の基本は因数分解です。(Principle Piece A-65 数学A  整数 p.45-) 整数なので、右辺=0にならなくても、解が絞れることがポイントです。

出来る人は8分もいらないと思いますが、整数解は思考してほしいので一応。

4.対策~第4問の穴埋めまでまんべんなく~

今年は大問がIIIとB(数列もベクトルも)、穴埋めでIIとAという印象。題材自体はそんなに難しいものではありませんので、変に難しいものをやるのではなく、チャート式の典型問題や基礎的な入試問題で演習量を積んでおきましょう。

IAIIBは穴埋め形式での出題が多いです。奇問はそこまでありませんが、傍用問題集の単問に比べるとひねりや融合がありますので、いろんな表現になれるために量をこなしておきましょう。チャートは黄色、どちらでもいいと思います^^

レベル的には、入試基礎演習のレベルの参考書を最後に、過去問に接続しても大丈夫だと思われます。

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学II 図形と式 (第4問(1))

★ 数学B 数列 (第2問)

★ 数学III 微分法 (第1問)

★ 数学III 微分法の応用 (第1問)

★ 数学III 積分法 (第1問)

★ 数学III 積分法の応用 (第1問)

★ 数学III 複素数平面 (第2問)

★ 数学A 整数 (第2問、第4問(5))

★ 数学II ベクトル (第3問)

★ 数学A 確率 (第4問(4))

★ 数学II 三角関数 (第4問(2))

★ 数学III 式と曲線 (第4問(3))

★ 計算0.9 【IAIIB】 (計算練習帳です^^)

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