早稲田大学 人間科学部(文系) | 2020年大学入試数学

   

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部A:文系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2020年大学入試(私大)シリーズ。

早稲田大学(人間科学部A:文系)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




早稲田大学(人間科学部A:文系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)

1.全体総評~微分は2年連続で出題なし~

一番最後の問題のせいで難化です。一番最後は捨て問扱いですので、実質4問+αの勝負に近く、得点のしやすさ的には昨年同様かと思います。なお、第1問が2題構成に戻りました。(3,4年ぶりかな?)

分野的には、2年連続で微分が出ず、積分もちょろっと。共通問題と文系専用問題から合わせてベクトルが2題あり、(しかもどちらも空間ベクトル)計算量が多くなっています。

試験時間60分に対し、
標準回答時間は101分【67分】(←穴埋め考慮)

2019年:87分【55分】(←穴埋め考慮)

2018年:61分【40分】(←穴埋め考慮)

2017年:83分【53分】(←穴埋め考慮) 

2016年:99分【63分】(←穴埋め考慮)

2015年:107分【67分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン

第1問はこのセットを考えると落としたくない。

第2問~第4問は差が出そう。ここで2つ取れればかなり安心。

第5問は片方だけでも十分ですし、捨てて残り4問にかけるのもありでしょう。

 

人科の普段の数学(文系)の平均点を考えれも。3完あれば十分でしょう。

 

3.各問の難易度

第1問(1) [共]・・・【確率】条件付き確率(A、9分【6分】、Lv.1)

基本的な確率の問題です。袋を選ぶ確率が均等でないことに注意すればどうってことはないでしょう。

白が取り出される確率=Aから白+Bから白です。条件付き確率は、この計算の過程によって分子も分母も出せていますので、そのまま利用しましょう。

第1問(2) [共]・・・【場合の数】条件を満たす組み合わせ(AB、6分【4分】、Lv.1)

こちらも基本的な組み合わせの問題です。今年は2題構成に戻りましたが、どちらも簡単ですね。

前半は、1~6から異なる3つを選べばOK。

後半は、x1=x2<x3の場合と、(1~6か異なる2つを選ぶ)x1<x2<x3の場合を足せばOK。あるいは、少しテクニカルですが、1≦x1x2+1<x3+17 とすれば、1~7から異なる3つを選び、最初のものはx1に、2つめと3つめから1引いたものをx2、x3とすると条件を満たすものと対応します。

※KATSUYAの感想:計2分で終了しています。人科の確率ってこんな簡単やったっけ?どちらもさくっと終了。

 

☆第2問[共]・・・【三角関数】三角方程式、最小値(B、18分【12分】、Lv.2)

α、βに関する三角方程式があり、それを満たすときの角度の式の最小値を求める問題です。かなり特殊な解となるため、それに気づかないと厳しいです。

方程式の方ですが、左辺の2つの分数に着目すると、両方とも1~3の値を取ります。しかし右辺が2なので、分母は両方とも1をとるしかありません。これに気づかないと本問はアウトでしょう。

αも2βも270°+360°×kとなりますので、αと2βで別々のkを取れることに注意して、n最小値を求めたい式の中身は405°+●×180°となります。(8πは見かけ倒し。●の中に押しこめます)45°の倍数なので、●=-2で45°となってこれが答えですね。

 

 

 

※KATSUYAの感想:6分で終了しています。最初は「は?これ解けなくない?」となりました。分母A,Bなどとして整数解のように分母払ってみる。きつい。でも分母は1~3しかとれないなら、両方1ってことか。かなり発想よりな気がする。

☆第3問・・・【空間ベクトル】外心ベクトル(B、20分【13分】、Lv.2)

四面体の底面の外心のベクトルを求める問題です。やることは典型的ですが、時間はかかります。

空間ベクトルで角度が絡んでいる場合は、長さ3種+内積3種の計6種類を全部出して準備万端にしておきましょう。

外心Pについて、まず平面上にあるので、1-s-t、s、tの係数設定ができます。

あとはPA=PB、PB=PCとしてベクトルの2乗を計算すればOK。方針が立った人は、展開やその後の連立計算までしっかり合わせたいところですね。

 

※KATSUYAの感想: 8分で終了。内積絡むパターンか。まあ計算するだけやな。コツコツやって終了。係数も外心ならまあこんなもん(ちょっと汚めぐらい)かな。

☆第4問[文]・・・【図形と式+積分】放物線と円、面積(B、18分【12分】、Lv.2)

放物線と円が2点で接する条件と、そのときの面積を聞いています。積分は6分の公式で使うぐらいで、おまけ程度です。

前半の接する条件はよく見かけるパターンです。y=x^2なので、x^2を消去してyの式にします。yが重解になるときですが、このときの重解は計算するまでもなく、解と係数の関係から出せます。このyの重解が-1/2以上であることがポイントになります。ここを適当にやっている人は、「チ」で足元すくわれます。

後半ですが、BCを底辺と見た時の高さは1/2(aや半径によらない)となります。きれいです。最後は放物線と直線なのでただの6分の公式です。積分と言えば積分ですね。

※KATSUYAは6分で終了。前半はパターンか。aの条件はさくっと。面積はそんな簡単な式になるのか。接点のy座標から高さ1/2になるな。一定なのは少し驚き。面積は原則で瞬殺。

第5問[文]・・・【ベクトル】条件を満たす点Pの存在領域、射影(CD、30分【20分】、Lv.3)

3年連続で第5問はベクトル。空間ベクトルも2年連続で、今年は難しめです。

まず前半は、斜めの平面上で条件を満たす点Pの存在領域を聞いています。P(x、y、z)として条件式を計算すると、中心(1,2,3)の球面と分かります。

従って、Pはこの球面をABCで切ったときの切り口の円ですが、中心の(1,2,3)が平面ABC上にあるため、球面の半径がそのまま円の半径となります。(切り口は大円:球の中心を通る円ということです)

平面ABCですが、3点とも軸上なので、切片型の平面の方程式を利用するとx/3+y/6+z/9=1とすぐ分かりますので、(1,2,3)があることも分かります。

これを知らないと、(1,2,3)が平面上にあること(そもそもあるかないか)を確かめないといけません。OP=(1-s-t)OA+sOB+tOC とし、s=t=1/3 となる(s、tが存在する)ことから、平面上と分かります。文系だとちょっと厳しいかもですね。

後半は捨て問確定です。そもそも領域は楕円ですし、範囲外の印象も否めません。射影の考え方で、OABの面積をS、ABCの面積をTとしたとき、S/T倍になることを知っていて、初めて勝負出来る資格がある感じですが、ABCの面積を出すのもまあまあメンドウですし、資格があっても勝負する必要はないでしょう。

 

※KATSUYAの感想:7分で解いています。前半は上記のとおり計算。(1,2,3)が中心やから、平面とこれの距離を・・・ん?0かい。あ、平面上にあるわ^^; じゃあ球面の半径そのまま。後半は・・・文系の問題だよな?これ。あきらかに楕円なんですけど^^; 射影するしかないので、上記のTとSを出して計算。なお、Tは空間の3平方的な裏技(詳細割愛)で出していますので、あまり計算していません。

 

4.対策~確率+IIBを中心に典型パターンを反復練習~

内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス3~5ぐらいがそのまま出る感じ。制限時間との勝負になりますので、今年であれば数列の周期発見など、穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。

文系はIIの微積(今年は出ませんでしたが)がほぼ必須で、その他は三角、指数、対数、数列、ベクトル、確率あたりがよく出ます。

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。入試基礎演習レベルまでやれば、過去問はなんとか手がつきます。安定させたければ入試標準演習までやりましょう。

以上です^^

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