早稲田大学 人間科学部(文系) | 2019年大学入試数学
●2019年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2019年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2019年大学入試(私大)シリーズ。
早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
早稲田大学(人間科学部A:文系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)
1.全体総評~微積が出ず。計算は少し多めに~
微積が今年は出ませんでしたが、分野的には頻出のものが多いです。昨年に比べると計算量は多いですが、難易度的には不変だと思います。正四面体の高さや内接円の半径の関係など、知っていれば秒殺の問題がありますので、こういった問題に対して時間を持って行かれなければ、いつもと変わらない量に感じたかもしれません。最後のベクトルは計算量が多め。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は87分【55分】(←穴埋め考慮)
2018年:61分【40分】(←穴埋め考慮)
2017年:83分【53分】(←穴埋め考慮)
2016年:99分【63分】(←穴埋め考慮)
2015年:107分【67分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン
第1問は典型問題なので取りたい。
第2問もそこまで難しくないはず。
第3問は後半で詰まる可能性あり。
第4問も典型問題なので取りたい。
第5問は時間との勝負。前半だけでも取りたい。
意外とキー問題は第2問、第4問ではないかと思います。両方落とすと厳しいでしょう。3完半ぐらい欲しいです。
3.各問の難易度
☆第1問[共]・・・【確率】反復試行、確率の最大値(B、15分【9分】、Lv.2)
レベルは高めの、でもパターン問題です。反復試行における確率の最大値については、原則があります。確率の式は掛け算と割り算だけで構成され、nとn-1の違いなら比を取ればほとんどが消えます。そこで、前半にあるように比をとることになります。(Principle Piece A-38 数学A 確率 p.27)
この比と、1との大小を比較します。n=11まで1より大きいですので、p_10<p_11 となります。n=12から逆転しますので、p_11>p_12です。従って、p_11が最大です。
10,11,12あたりのずれには十分注意しましょう。落ち着いて代入して大小を比較すれば大丈夫です。
※KATSUYAの感想:3分で終了しています。パターン問題なのでさくっと。
☆第2問[共]・・・【数列】等差数列の和の最大値(AB、12分【8分】、Lv.1)
対数関数の最大値に関する問題です。対数の掛け算なので、log_2x=Xとでも置き換えます。ただ、log_2aとlog_2bも掛け算なので、これもA,Bなどと置き換えておくと見やすかったと思います。(Principle Piece II-89 数学II 指数関数・対数関数 p.20-22)
なお、条件式はA+B=3に変わりますので、B=3-AとすればOKです。Xの2次関数ですので平方完成し、最小値がー1となるようにAに関する方程式を解けばOK。大きい方になります。
置き換える部分は同じですが、最大・最小にしながら方程式も解かせているので、うまく設定したと思います。
※KATSUYAの感想:2分で終了しています。対数の置き換えに気づけば問題なし。
☆第3問・・・【三角比】球に外接する四面体(B、20分【12分】、Lv.2)
三角比の空間図形からの出題。正四面体からみれば内接球です。内接球の半径と高さの関係などを聞いてきます。
1辺aの正四面体の高さ、体積、内接球の半径、外接球の半径などは、本学部のような完全穴埋め式の試験ではやはり覚えておいた方がいいでしょう。
こちら、記述式で聞かれても大丈夫なようにしておきましょう。
後半は図形がイメージできれば実は計算はあまり要らないのですが、差がでそうです。球の中心で構成される正四面体の高さに、先ほど出した4(正確には3+1)を足せばOKです。
※KATSUYAの感想: 6分で終了。後半は難しい?と思ったが、図を書いてみて気づく。差が出るところと判断。
第4問[文]・・・【三角関数】共有点の個数(B、15分【10分】、Lv.2)
三角関数の問題ですが、いろいろ組み合わさっています。まずは式の変形からです。sinx+cosxという1次の項がある2次式なので、これを置き換え、sinxcosxはその2次式になります。範囲は合成で出しておきます。この一連の流れが原則となります。(Principle Piece II-77 数学II 三角関数 p.53)
変形が終わったら、x軸との共有点の個数なので、=0とおきますが、定数aを分離します。a=・・・にすると分数になりますが、aを含む項は1次式なので、このまま分離しても視覚化可能です。(Principle Piece I-34 数学I 2次関数 p.48)
実際に出さないといけないのは、置き換えた解の個数ではなく、xの解の個数なので、もとの三角関数のグラフを寝かせて書くと視覚的に個数が見やすくなります。(Principle Piece II-78 数学II 三角関数 p.55-56)
※KATSUYAは4分で終了。原則のオンパレードで解けるパターン問題。このタイプが作業レベルで解けると気持ちいですよね。
第5問[文]・・・【ベクトル】空間上の点Pの存在領域、距離の最小値(B、25分【16分】、Lv.2)
2年連続で第5問はベクトル。今年は空間ベクトルで、少し聞き方にひねりがあります。
まず前半は、Oを中心とした半径7√2の球面を平面αで切ったときの円の面積を聞いているだけです。図をかけば気づくことができたと思いますが、ちょっと遠まわしですね。
円が直線によって切り取られる弦の長さのときと同じ要領で出しましょうそのためには、Oから平面αに下した垂線の長さが必要ですので、垂線の足を出す計算を行います。ABC上にあることの係数設定(1-s-t、s、t)と垂直条件2つですね。(Principle Piece B-56 数学B ベクトル p.75)
垂線の足が出れば長さが出せますので、7√2(球の半径と見ます)と3平方で出せます。
後半は、実は同じようなことをさせられます。Qからαに下ろした垂線の足をKとしたときに、PKが最小になるようにする必要があります。もう一度垂線を出す計算を行い、Kが存在領域の中心からどのぐらい離れているかを出します。円の外にいるので、半径を引けば最小になりますね。
※KATSUYAの感想:10分で解いています。前半は言い換えに気づき、垂線をカリカリ計算で出す。後半は・・・おい、2回も同じことさせるんかい^^; しかも個人的にはあまり好きではない作業。
4.対策~確率+IIBを中心に典型パターンを反復練習~
内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス3~5ぐらいがそのまま出る感じ。制限時間との勝負になりますので、今年であれば数列の周期発見など、穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。
文系はIIの微積(今年は出ませんでしたが)がほぼ必須で、その他は三角、指数、対数、数列、ベクトル、確率あたりがよく出ます。
量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。入試基礎演習レベルまでやれば、過去問はなんとか手がつきます。安定させたければ入試標準演習までやりましょう。
以上です^^
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■関連する拙著シリーズ■
★ 数学A 確率 (第1問)
★ 数学I 三角比 (第3問)
★ 数学II 三角関数 (第4問)
★ 数学II 指数関数・対数関数 (第2問)
★ 数学B ベクトル (第5問)