北海道大学 理系 | 2021年度大学入試数学

      2022/03/01

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は北海道大学(理系)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。

2021年大学入試(国公立)シリーズ。
北海道大学(理系)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。





また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





北海道大学(理系)
(試験時間120分、5問、記述式)

1.全体総評~質・量ともに適量で良問の北大という感じ~

2019年をピークに少しずつ易化し、今年も質・量ともに適量でした。

どの問題も典型パターンからはひとひねり、ないしふたひねりぐらいあるので試験としては非常に適したセットだと思います。数III絡みの問題は1つで、あとは数IIから2問、Bからベクトル、数列ともに出題されました。

北大は演習にも適した問題が多く、良問の印象ですが、今年もあてはまりそうですね。


試験時間120分に対し、
標準回答時間は110分で適量です。

2020年:120分

2019年:150分

2018年:130分

2017年:110分

2016年:135分

2015年:125分

2014年:130分

2.合格ライン

第1問は意外と差がつきそうだが、ここは押さえたい。

第2問は言われた通りの計算するだけなので、これはしっかり合わせたい。

第3問はキー問題。(1)が出来ないと(2)が出来ず、(1)の変形がうまくいったかどうか。

第4問は帰納法が見えやすい形なので、おさえたい。(3)は差が出るか。

第5問は微積総合問題だが、グラフは単純で、式もそこまでメンドウではないので、出来れば(2)まで押さえたい。


落としそうなのが第1問(3)、第3問、第4問(3)、第5問(2)。全部落とすとキツイかと。なんとかこのうち半分取っておきたい。残りを押さえて、65%ぐらいでしょうか。

3.各問の難易度

第1問 【平面ベクトル】三角形、対称点、面積など(B,20分、Lv.2)

三角形を題材にした平面ベクトルで、線分に関する対称点などを聞いています。

(1)はOF=kaとでもおき、OA⊥BFで内積ゼロにしましょう。bベクトルの長さは不要で、kを出すことが出来ます。あるいは、内積がOA・OBcosAOB=OA・OFだと変形できると、6=4OF と出来るので、OFの長さが一瞬で出ます。内積の図形的意味を理解(正射影ベクトルの符号付き長さの積) していると早いですね^^

(2)は(1)を利用できます。DEの中点をMとでもおけば、DF//BFなどで相似が出来ますので、OMの長さはすぐに分かります。OEベクトル+ODベクトル=2OMベクトルですから、OEも出せますね^^

(3)はBDEという分かりにくい部分の面積から、線分比=面積比の公式を駆使して、ABCまで持ってこれれば楽勝です。BDE⇒半分にしてBDM⇒3倍してBAM⇒AMをAOに変えてBAOとなります。比は(2)までの計算でほぼ出ていますので、これでOAB=2とでます、あとは面積公式にあてはめれば、bベクトルの長さは出せますね^^

 

 

※KATSUYAの感想:解答時間9分。対称点か、受験生が嫌いなやつね。最初は内積を図形的に解釈した方が早そう。(2)は(1)で垂線引いてるから相似利用。(3)はBDE・・・変なとこやな。EがOABからはみ出とるがな^^; OABまで移せるかな。Eを引っ込めてMにして、、、ああ、行けるわ。あとは比の計算と面積公式で終了。

☆第2問 【微分+●●】接線、接点と線分比の最小値(B、25分、Lv.2)

放物線に2本接線を引いて、交点を出し、その3点から作られる線分の比を計算する問題。●●としているのは忘れているのではなく、解法次第で分野が変わるということです。数IIIの微分か、数IIの式と証明になります。

(1)は接線を2つとも出して連立して交点です。片方文字ですが、北大受験者なら演習ずみのはずで楽勝であってほしいです。なお、交点のx座標はABの真ん中になります。知っていると検算になりますね^^

(2)は線分の長さをとりあえず距離公式で出しましょう。うまく(a+3)などを前に出さないと、比をとったときに悲惨になりますが、x座標の差と傾きを利用する方法で求めれば(a+3)が前に出るのは見やすいです。

比の根号内は、2次式/2次式になります。数IIIなら微分すればOK。数IIIを使わずに行きたい場合は、帯分数にして相加・相乗平均の利用になります。最も見えにくい相加・相乗平均のパターンですが、これが見えるようになれば相加・相乗の利用はマスターしたと言えるでしょう。

※KATSUYAの感想:解答時間12分。数IIの微積かな?北大は理系でも数IIの積分出るしな。とりあえず(1)は楽勝。(2)は線分を両方出す。いや、これ積分ないわ。数IIIの微分?でもいいけど、帯分数にするの簡単やから、相加・相乗かな。途中で変形ミスって答が不自然に感じ、見直してやりなおし。10分は切れたな^^;

☆第3問 【指数・対数】指数方程式、対数関数の最大値(B、25分、Lv.2)

与えられた指数方程式からx、yの関係式を導き、その条件下で対数関数の最大値を出す問題。なんとか捻りだして作った式なんだろうなぁという等式です。

(1)は見た目ややこしそうですが、3,9に同じような指数がついていますので、3^4x=X、3^(y2乗)=Yとでもおいて分母を払うと、X^2-6XY+9Y^2=0という、非常にきれいな式が出ます。出題者の努力の跡が垣間見える式ですね。

(2)も式はややこしそうですが、真数の方が一致しているので、底と真数をひっくり返して逆数をとれば、ただのlog+logで、底も4に揃います。こちらはそんなに捻ってないですかね。対数方程式・不等式・関数の最大最小系の問題では、log+logは1つにまとめるのが原則でしたね。真数部分は1-(x/y)^2です。y^2をxで表してますが、x=・・・にして代入すると、y^2について。2次式/1次式の形になりますので、第2問に引き続き相加・相乗使えますね。

※KATSUYAの感想:解答時間12分。なんか思ったよりややこいけど。y^2をxで表せ?指数の分だけでいけんの?ってことはきれいになるってことやな。とりあえず置き換えてみると思ったより簡単。(2)はとりあえず逆数にして1つにまとめる。x^2/y^2の部分を(1)を利用か。いや、逆にx=・・・すればマイナスでないから、相加・相乗いけるやろ。なんでy^2=・・・にしたんや^^;

第4問 【数列】連立漸化式、28の倍数であることの証明(B、20分、Lv.2)

第1問に引き続き数Bからで、数列の連立漸化式に、帰納法です。最後は28の倍数とごついてですが、出来たでしょうか。

(1)は計算するだけです。28となり、(3)の準備ですね。(2)以降は、明らかに帰納法、nに関する証明なので、帰納法が思いつきたいところです。an+1・bn+1を計算すれば、cnの項と2で括れる項に分かれます。

(3)も実は同じ。an+2・bn+2から初めて、漸化式の関係を2回使うだけで、cnの項と、28で括りだせる項に分かれます。なので、ごつさに惑わされなければどうってことのない問題でした。

※KATSUYAの感想:解答時間10分。連立漸化式か。でも一般項とかは聞かれてないのね。(1)はさくっと。(2)は帰納法やな。(3)も・・・7かつ4とかやるんかな。とりあえず帰納法で2回漸化式使ってみる。おお、28で括れるやん。てか、それだけかい。

☆第5問 【微積分総合】媒介変数表示関数、面積(B、20分、Lv.2)

微積分総合で媒介変数表示で表せれたグラフです。第5問はだいたい数III微積分でそこそこ骨がありますが、今年はラクな方かと。

(1)は、2次式と見て平方完成する方が矢はいですが、(2)でどうせxもyもθで微分して変化表かくので、微分がいいと思います。どちらもそこま出複雑ではなく、グラフも書きやすいと思います。

(3)媒介変数曲線で面積を出すときは、まず∫ydxと書きましょう。それから、積分区間をxから対応するθに、yやdxをθやdθの式に変えましょう。三角の積分は基本は次数下げです。また、sin^2θcosθのように(sinの式)×cosθのときは、第2置換積分(式が短くなる方を、個人的にこう呼んでます)で計算できます。


※KATSUYAの解答時間10分。最後はいつもの数IIIね。んー式を見る限りはやりやすそう。(1)は、、、まあグラフいるから微分かな。これに微分は大げさ^^; (2)で変化表を書く。なんかカージオイドっぽいけど違う。まあ面積なんで細かいことはどうでもいい(笑) 明らかにx軸より上なので∫ydxと書き、あとはθに置換。積分もそんなに難しくない。今年の数IIIはラクやったな。

4.対策

頻出分野は数IIIからは微積と複素数平面(3年連続で出ず)、あとは整数、確率、図形で、数Bはどちらか1問でると思われます。(今年は数B両方出ました)

北大は旧7帝大の中ではかなり標準的かつ良問の組み合わせになっており、過去問自体が入試演習に最適です。もちろん、その前に原則習得はしっかり終わらせておきましょう。その後、入試基礎演習入試標準演習の代わりに、過去問を用いてもいいと思います。

難易度的には、今年のレベルで対策しておけば万全ではないかと思います。

また、東大や京大などの最難関を受験する人たちは受験初期に15年分ぐらい一気に演習してみてもいいでしょう。


量をこなす演習:じっくり演習=7:3ぐらいでしょう。

以上です^^

 

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