関西大学 文系(2月2日) 講評| 2022年大学入試数学

      2022/12/18

●2022年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(文系、2月2日実施)です。




2022年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(文系、2月2日実施)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



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関西大学(文系、2月2日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~難易度、傾向ともに一定~

難易度は例年並み、出題分野もⅡB中心の傾向(Ⅱの微積1題、その他1題、Bが1題)が踏襲されました。

どの問題も微妙に一ひねりありますが、誘導にしっかり乗れれば答えられるようになっています。


試験時間60分に対し、標準回答時間は51分【39分】(2/2実施)

2020年は51分【40分】(以下、2/7実施)

2019年は50分【37分】

2018年は45分【34分】

2017年は48分【37分】

2016年は46分【36分】

2015年は40分【33分】

2.合格ライン

第1問は⑥でつまづく可能性があるが、それ以外は典型パターンなので確保したい。

第2問はキー問題。①②ができないとほぼ全滅だが、①や②も一度経験していないとキツイ。③以降も経験値がものを言う。

第3問はいつも通りの基本的な微積分総合なので確保したい。

第2問で無理と感じたら、残りを全力で全問正解しに行きたい。70%ぐらい欲しい。

 

3.各問の難易度

第1問・・・【平面ベクトル】点Pの位置決定(AB、18分【12分】、Lv.2)

平面ベクトルからの出題です。ベクトルの等式を満たす点Pの位置決定のタイプです。

この手の問題は、始点を合わせてAP=・・・の形にする→ムリヤリ内分点の公式を作り出す、という手順でしたね。

今回は聞き方がちょっとやらしいですが、まずAP・・・の形にしておきます。

それとは別に内心を表すベクトルを出します。内心と言えば、角の二等分線なので、内分点の公式を駆使すれば出せます。

AP→=1/3AB→+7/18AC→です。通分すると分母18,分子が6と7(で和が13)で、18-13=5です。先ほど求めた分数は、分母10+x+yと分子の係数の和x+yの差は10で、2倍ちがいますから、x=12,y=14ということですね。

最後のPRは始点をAに合わせて差のベクトルにしましょう。(⑥と関係なく解けます)

 

※KATSUYAの解答時間は4:41です。

 

☆第2問・・・【三角関数+式と証明】三角関数の分数式の最小値(B、18分【12分】、Lv.2)

今年も三角関数が第2問に入っていましたが、今年は式と証明の分野との融合です。

最初の2つはかなり有名な式変形ですが、一度経験していないとかなり厳しいと思われます。チャートなどの厚物参考書で確認しておきましょう。(厚物参考書系なら載っています。これが載っていないなら本学の対策には向いていません(苦笑))

これを利用してf(θ)をtで置き換えることになりますが、式の③がポイントです。③の式は一致するように調整します。分母はいじれないので、分子をうまく調整しましょう。相加・相乗平均の利用のための式変形になります。

このように、2次式/1次式の形になるもの(逆でもOK)は、うまく式変形を行うことで、相加・相乗平均を利用する形に持ち込めます。●+1/●の形が最も基本ですが、これを通分した形も2次式/1次式ですね。

最後はtanの2倍角の公式にあてはめるだけです。

 

※KATSUYAの解答時間は3分で終了しています。解き方書かなくていいなら、このタイプはかなりスピーディに出来ますね^^

 

第3問・・・【微積分総合】放物線と接線、面積(AB、15分、Lv.1)

最後は微積分総合です。接線、面積と基本的かつ典型的な微積分の計算するだけです。

(1)は接線の方程式にあてはめるだけです。(2)は面積を求めますので、図をかいて上下関係を把握しましょう。

また、接線が絡む積分は、上の関数から下の関数を引けば、(重解をもつので)(xー●)^2という形が現れます。それを積分して、そのまま(x-●)^3/3という形になることを利用するといいでしょう。

S1もS2も上記の原則を利用すればかなり計算が楽になりますので、両方出して(3)を解けばOK。3次方程式になりますので、因数定理を利用しましょう。因数定理においては、まず±1を代入し、それでだめなら定数項の約数が代入候補です。

※KATSUYAの解答時間は5:12です。

4.対策~IIBを中心に典型問題を徹底演習~

難易度的には共通テスト程度です。特別な難問を繰り返す必要はなく、黄色チャートをきちんとこなしておけば、十分対応出来るでしょう。青チャートであればお釣りきそうです。その後の問題集も、入試基礎演習段階まで行えばOKでしょう。

これが終わったら、なるべく早めに過去問に触れて実践演習を行いましょう。日程が違うものも形式は似ていますので、数をこなすことができます。

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。

以上です^^

 

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)

数学I・A ~原則のみ~

数学II Chapter1~式と証明~ (第2問)

 

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