センター試験 数学I・A【2014年】の難易度、傾向は?
2016/06/30
2014年度に実施されたセンター試験の数学I・Aの情報についてまとめてみます。
【評価指標】
1.難易度 A(易)~E(難)
2.パターンレベル
Lv.1(習得していて当たり前)
Lv.2(習得していないと、差をつけられる可能性がある)
Lv.3(習得していなくてもしょうがない)
3.解答するまでの標準的な時間
です。これら3点から、各問題ごとにコメントしていきたいと思います。
センター試験数学Ⅰ・A(60分)
1.全体評価~昨年より易化、計算量が少ない~
昨年よりも易化しました。
第1問の計算はいつもどおり、という感じです。変化なしです。後半は必要・十分ではなく、空集合と部分集合。
第2問の2次関数では、軸分けの問題を聞くことなく、最後の「解の存在範囲」以外は、正直いってほぼ教科書の例題レベルです。
奇門である、第3問の図形も大幅易化。平面幾何の知識を使う部分はそこまで多くなく、昨年に比べると図形がかなりシンプルであったため、取り組みやすかったでしょう。
第4問の確率も易化。確率を聞いているところは1つしかありませんでした。しかも、楽勝。期待値を求めさせなかったのは、かなり珍しく、計算が減ったことも、易化の要因です。
目標解答時間・・・・65分
答案まで作成していけ、と言われるとこれぐらいの時間がかかるとは思いますが、穴埋め形式としてであれば、今回は時間に多少の余裕があったのではないでしょうか。
2.各大問の難易度
第1問[1] (平方根の計算、式の値、対称式、AB、6分)
a、bの値の計算問題です。落ち着いて計算すれば出来たと思います。2乗の和は、もちろん対称式ですね^^
和と積も出てますので、こちらの原則に気づいたと思います。
(Principle Piece 数学I 数と方程式 p.26)
最後の、aの満たす方程式はいかがだったでしょう?式からbが消えていますので、単純に、「bを消去しろ」ということです。b=2/a さえ代入すればいけますね^^
KATSUYAの感想
とりあえずサクサク計算。最後は・・・ん?何をさせたいんだろう?bがないなら、b消去ってことかな。b消去でaの2乗を両辺にかけて終了。解答時間3分。
第1問[2] (空集合、部分集合、AB、8分)
全体の集合が26~35 と、非常に分かりやすい集合で、かつ少なかったので、いざとなったらすべて書き出して調べてしまうのも手だったと思います。
「25~36」ってやった人、いませんよね? これやると、全部間違えてしまいますよ。。。
補集合が随所に入ってくるのでややこしいですが、たった10個ですから、あやしいなら全てかいてしまいましょう。書くときは、こんな風にかけると、一目瞭然です。^^
P= 28、 32
Q= 30、 35
R= 30
S= 28、 35
Pバー=26、27、 29、30、31、 33、34、35
Qバー=26、27、28、29、 31、32、33、34
Rバー=26、27、28、29、 31、32、33 34、35
Sバー=26、27、 29、30 31、32、33、34
KATSUYAの感想
集合たった10個?全部かいちゃおうかな・・・いや、その必要もない。ちょっと慎重に数えて、解答時間4分。
第2問(2次関数の最大最小、平行移動、解の存在範囲、B、20分)
最初はただの平行移動の問題です。2次関数の平行移動は、頂点比べがラクでしょう。計算を落ち着いてやれば出来たと思います。
後半は共有点と、最大・最小。共有点条件は、もちろんDですね^^共有点条件下での最大・最小は、定義域に制限がありますから、こちらの原則です。
(Principle Piece 数学Ⅰ 2次関数 p.19)
最後は、解の存在範囲の問題です。両方ともー1より大きければOKということなので、解がまたがないですから、3条件あればOKです。
(Principle Piece 数学Ⅰ 2次関数 p.44)
3つの条件について忘れてしまっている人は、すぐに教科書か傍用問題集を確認しましょう。2次でも狙われやすいところです。
KATSUYAの感想
軸による場合分けは・・・なしか、結構ラクそうだな。おっと、最後に存在範囲をいきなり聞いてくるのか。ほぼまるまる解けって感じやな。解答時間8分。
第3問(三角比と平面幾何、外接円、角の2等分線、18分)
三角比+平面幾何の融合問題です。最初はお馴染みすぎますね。余弦・正弦の計算問題(?)といった位置づけでしょう。ぱぱっといきたいですね。
(Principle Piece 数学Ⅰ 三角比 p.24)
平面幾何が関わる定理は、その後も2等分線ぐらいで、その定理さえうまく使えれば、ラスト2つ以外は答えることができてしまう問題です。
AEは2当分線で出せます。ここが出れば、再び余弦定理でBEが、BEが出れば再びAE:AB=BD:EDですので、BDも出ますね^^ ここまでは出したいところです。
面積比では、方べきの定理の元となる、三角形の相似に着目するといいでしょう。聞いている2つの三角形は、相似です。相似比は、BE:AEです。(平行線型と線分の位置が違いますよ!!) よって、面積比は2乗すれば出ますね^^
ラストは少し難しい。まず、FAとFCは円周角が等しいですから、弦も等しいのはいいでしょう。問題はFDです。問題文に、「角度に注目すると」と書いてありますから、長さを出すのではなく、どんどん同じ角度にマークしていくと良かったと思います。
なお、もちろんですが長さを出すことはできます。(全くその必要はありません)
KATSUYAの感想
今回・・・ラクじゃないか。昨年がややこしすぎたのか^^; 2等分線の定理と余弦定理ばっかり。面積比はどことどこ?なんだ、相似んところか。相似比もわかってる。最後は・・・FDはよくわからん。○×マークを開始。なるjほど、2等辺か。解答時間9分。
第4問(場合の数、確率、サイコロと経路、AB、13分)
経路の問題です。図はごっついですが、誘導過多で、よくわかってなくても言われたまま出しておけば、最後まで行けてしまいそうな問題です。
最初は3344、次は345の並べ替えでどちらも6通りですね^^
次は、6×6なのはいいですが、唯一の確率計算が、6の4乗分の1という、なんとも大きな値のところ。サイコロは題材として扱われやすいので、6は5乗ぐらいまで知っておくべきでしょう。
最後の誘導の狙いは、こんなかんじかと思われます。(作成者に聞いてみないとわかりませんが)1、2、6のように目的地と逆に向かうような方向にいってしまった場合は、真下に4つ行く必要がある。それ以外の場合は、334455でOK。
KATSUYAの感想
ん?期待値ない?計算楽そう^^ 確率んところも、6の4乗を書くだけなので一瞬。最後は・・・寄り道気味の場合とそうでない場合ってことかな。題材はいいと思うけど、誘導が多すぎる気がする。解答時間6分。
3.対策~難問対処力ではなく、計算力~
レベル的には、教科書の章末問題レベルです。そのレベルの問題を、いかに素早く解くかがカギになってきます。計算力がものを言います。どの単元も、まんべんなく少しずつ問われますから、すべての計算を素早く計算する習慣を普段から身に付けておいてください。
2次で数学がいる人は、特に意識する必要はありません。2次の対策がそのままセンターの勉強になってます。過去問や模試などで、形式になれることだけしておくといいでしょう。
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