東北大学 理系 | 2010年度大学入試数学

      2017/01/26

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※注 ヒントを見ないでこの大学の入試を解きたい人は、解き終わってから見てください。ネタバレがあります。

 

大学入試シリーズ第39弾。

国公立シリーズ第14弾。

東北大学 理系です。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

 

難易度の目安です。

A…教科書の練習問題、青、黄チャートの基本例題レベル

B…教科書の章末問題、黄、青チャートの重要例題、章末A問題、

および中堅大学入試問題レベル

C…チャートの章末B問題、難関大入試レベル

D…難関大入試でも難しい問題のレベル

E…超高校級の難問、試験場では即捨てるレベル

☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

 

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの「標準的な時間」です。したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。

 

東北大学(理系)数学

(試験時間150分(第1~6問、理・工・歯・薬・医-医))

(試験時間100分(第1~4問、上記以外の理系))

 

1.全体総評~ここ10年で最難、試験後に絶望感が広がりそう~

どうかしてしまったかと思うようなドラスティックな難化。ここ10年ほどで最難と言えます。次の年のために残しとけば、、と思うほどです。

一休み出来そうなのは第3問ぐらいで、

第1問から誘導なしにしては厳しいし、

第2問もあることに気づかなければ厳しいし、

第4問は誘導の流れが微妙で(3)以降詰まるだろうし、

工学系の第5問がまだましかもですが、Cレベルだし

第6問は本格的な1次変換だし、

かなりの学生が試験後に絶望感を味わったのではないでしょうか。

 

・6問セットの場合

試験時間150分に対し、

目標解答合計時間は200分。余裕の時間オーバーです。

 

・4問セットの場合

試験時間100分に対し、目標解答合計時間は120分。

こちらも時間オーバーです。

 

2.合格ライン

6問構成の場合

第3問をとり、残りで2完強合計して55%でも十分かと。

そこでもう1完出来れば言うことなしです。

医学部でも全部あわせて4完強の70%でOKでしょう。

 

 

同様に第3問をとり、残りで1完強ぐらい稼いで、OKです。

2完2半とかならもう安心でしょう。

 

3.各問の難易度

☆第1問・・・不等式(C、30分、Lv.2)

3文字もあるし、きれいになりそうなならなさそうな…といった感じでのっけから苦戦した人もいたと思います。

この手の演習をたくさんやっている人は、右辺に対して「a・f(a)足して引く」という操作を行って上手く因数をくくるのでしょうが、それでも最後までたどり着くのは少し苦労したでしょう。

 

 Principle Piece III-24

 同じ数式を足し引きして微分の定義に持ち込む

(拙著シリーズ(白) 数学III  微分法  pp.14-15)

図形に上に凸の範囲だと気付いた人も少なくないでしょうが、感覚的な感も否めないので、8割ねらいでそれっぽく

説明して次に逃げるのが正解ですね。

 

なお、文系は誘導付きで関数も簡単です。参考にして下さい。この誘導があればましだったでしょうが、誘導なしでこれを数式処理に持って行くのは厳しいですね。

 

第2問・・・図形、微分(BC、25分、Lv.2)

3次関数の接線の本数の条件を求める、パターン問題。(1)の途中で「図示できない式が出た…どうしよう(>_<)」と思った人もいたと思います。

接線の本数はこちらの原則です。

 

 Principle Piece II-109

 接線の本数は接点を置いて解の個数に帰着する

(拙著シリーズ(白) 数学II  微分法  pp.8-10)

 

その式の値は常に符号が一定であることに気づかないと迷宮入りになります。

逆にそれに気付けば、完答出来たでしょう。「計算も間違えてないし、でも図示できない」となったときは、何かあると思えるかどうかですね。

差がついた問題かもしれません。v.2)

 

第3問・・・確率(B、25分、Lv.2)

標準的な確率の問題で、本セット唯一の一休み問題。他のレベルを考えると、これはなんとしても落とせません。

不安なら全部書き出してでもやってやりましょう。

①(1)、(2)の結果と対称性

②2回現れる数字は3種類以上にならないことと

をうまく使えば(3)は殆ど計算いりません。

 

☆第4問・・・空間ベクトル(CD、50分、パターンなし)

(2)まではなんとかいけたでしょうが、(3)以降は結構厳しかったと思います。(4)は(3)ができなくても出来ますので、(3)を飛ばして(4)に行くのも手だったでしょう。

なお、(3)は平面幾何の知識を使って図形的に考察することも可能ですが、ベクトルでは式変形次第では泥沼どころか、底無し沼でしょう。

ただ、(2)があることで余計に(3)の式変形を間違った方向に持っていかれそうで、なんとも意地悪な問題。難しい問題だったと思います。

 

☆第5問・・・微積分総合(C、30分、Lv.2)

なかなかひねられた問題です。交点がもとまらないときはこちらの原則を用いることまでは、本学受験者であれば見抜けたかと思います。

 

 Principle Piece III-73 

 交点がもとまらないなら 文字をおいて、方程式を用意

(拙著シリーズ(白) 数学II  微分法  pp.8-10)

 

ただし、本問はそれだけでなく、交点αもtによって変わりますので、dα/dtという式を出せたかどうか、dα/dtの満たす関係式を出せるかどうか が勝負の分かれ目でしょう。

こちらも難問ではありますが、本質をついた良問かと思われます。

 

☆第6問・・・1次変換(D、50分、Lv.2)

本格的な1次変換の問題。数C、新課程ということもあり、(1)から手がつかなかった人もいるのではないでしょうか。

他の頂点へのベクトルを、OPベクトル+他ベクトルと表すことで、Pへの変換条件が使えるわけですが、類題経験がないと厳しい。

(2)はさらに厳しく、完答するには(1)を使いつつ、上手く回転行列をおかないと途方もない解答量になります。

 

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なお、(1)も含めて全ての行列は、

①原点を中心とした回転移動

②原点を通る直線に関する対称移動

のいずれかで、行列式の値は

①のとき1

②のとき-1

です。詳しくは述べませんが、これは偶然ではなく、

①原点を中心とした回転変換の場合、行列式は1(正)

②原点を通る直線とした鏡像変換の場合、行列式は-1(負)

です。本学受験者は頭の片隅に入れて置いてもいいかもです。

6問セットでは行列が超頻出なので。

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4.対策

例年はここまで難しいことはありませんので、今年の難易度に焦点をあてすぎなくてもいいかと思います。

チャートなどの標準問題のマスターはもちろん、そこからいかにCレベルに手がつくように実力をUPさせるかです。

Cレベル系の問題集とは、仕上げ段階の問題集のことです。今年のレベルの数学に対応したい場合には、このレベルの問題集までこなす必要があるでしょう。

 

以上です。

 

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(記事の引越し・改善中のため外部サイト(姉妹サイト)と行き来するかもしれません。すみません。)

 

■関連する拙著シリーズ■

★ 数学II 微分法 (第1問、第2問)

★ 数学III  積分法の応用 (第5問)

★ 数学A 確率 (第3問)

★ 数学B ベクトル (第4問)

 

★ 計算0.9 (計算練習帳です^^)

 

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