関西学院大学 理系(2月1日実施) | 2016年大学入試数学

      2017/02/01

●2016年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(理系、2月1日実施)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2016年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2016大学入試シリーズ第2弾
私大シリーズ、第2弾。

関西学院大学(理系、2月1日実施)です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。






関西学院大学(全学部日程:理系)(2月1日実施)
(試験時間90分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体総評~2014年から易化傾向が継続~

昨年とほぼ同程度か、わずかに易化。2014年度を境に易化に転じています。第1問は昨年より計算量が減っています。第2問、第3問はボリュームが割とありますが、記述式の第4問は脱力感を感じてしまう確率です。


試験時間90分に対し、

解答時間は89分【61分】(←穴埋め考慮)

 

2015年

解答時間は92分【63分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~70%ぐらい取れそう~


第1問の10個の穴埋めは8個以上欲しい。
第2問はキー問題。有名問題なので、知っている人は全問取りに行きます。
第3問もキー問題。第2問でしくじっているなら、ここで8問以上ほしい。
第4問は欲しいです。

70%ぐらいでしょうか。

3.各問の難易度

 

第1問(1)・・・【指数・対数】、指数方程式と対数の計算(AB、9分【5分】、Lv1)

指数方程式から対数に直し、その計算をする問題です。対数は自然対数表記で指定されているので(底はなんでもいいんですが^^;)、底の変換公式が早いでしょう。

対数式が出たら、地道に計算するだけです。落とせませんね。

 

第1問(2)・・・【複素数平面】ド・モアブルの定理、n乗計算(A、3分【2分】、Lv.1)

複素数平面の計算の問題。新課程2回目ですが、超基本的です。まだまだ様子見、といったところでしょうか。複素数を期待した人には期待はずれ。n乗なら角度はn倍、ですね^^

☆第1問(3)・・・【式と計算】分数式の恒等式(AB、7分【4分】、Lv.2)

これも基本的な問題。分母にも文字が入っていますが、分母を払って整理すればただの恒等式の問題です。(2x+1)(x-2)が左辺の分母になることは目に見えているので、穴埋めであればそれを利用してもいいでしょう。

 

※KATSUYAの解いた感想
今年の穴埋めはかなりラクか?いつもはもう少し計算させられる気がするが、、、(1)は、底が自然対数なら、底の変換やな。aかbにそろえたいけど^^; (2)は楽勝。流石に簡単すぎるのでは??(3)も分母のb、cはすぐに。右辺を通分してa,dも終了。合計で4分(2+1+1)。

 

☆第2問・・・【極限・積分法】、定積分漸化式、極限、(B、25分【15分】、Lv.2)

sinの0~π/2 までの積分で、結果であれば暗記している人も多いような有名積分を題材とした問題です。

普段と聞き方が少し違うのが少々気になりますが、誘導に従って計算すれば、同じ結果が得られますので、「エ」以降はいつもどおりです。

cosxsin^{n-1}x という式は、部分積分を始める際に登場するもの(符号は逆)ですね^^

Principle Piece III-64

定積分の漸化式は部分積分で攻める

(拙著シリーズ(白) 数学III 積分法 p.56~60)

漸化式により、「オ」「カ」まではただの計算です。

後半は、anに関する極限です。数列を{bn}に変換しますが、与えられているので簡単でしょう。問題の指定からしても、定数になることが予想されます。

さらに、anに関する不等式をbnに変換することで、挟み撃ちに持って行っているわけですね^^ この極限自体も割と有名で、過去には慶応大学などでも出ています。

※KATSUYAの解いた感想
有名題材。前半は知っていたモン勝ち?いや、後半も誘導丁寧やし、最後まで勝ちかな。結果を知っているので見直しの必要がなく、解答時間4分。

☆第3問・・・【空間ベクトル】垂線、四面体の体積など(B、30分【20分】、Lv.2)

空間ベクトルの総合問題ですが、得意か苦手かで大きく差が出そうです。

最初の「ア」~「ウ」はいいでしょう。面積はベクトルの面積公式(←意外と知らない人、多いです!!)でもいいですし、cosをだしたのでsin出して三角比の公式でもOK^^

平面に下ろした垂線については、がっつり原則を用いましょう^^

 

Principle Piece B-53

平面に下した垂線の条件式
[1] 平面上にある(係数の和が1)
[2] 平面を含む2ベクトルと垂直(内積ゼロ)

(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.75)


本問では、[1]がすでに与えられています。OAB上なので、OAとOBの1次結合です。ですので、[2]だけでOK^^

これでCHベクトルも出せて、体積までは稼げます。

後半は少し勝手が違うようです。再び、Cから平面βに垂線をおろしますが、平面βは平面αと平行なので、CHの実数倍であることは目に見えています。従って、CE=kCHとおけます。ここが置けないと、誘導に乗りづらいでしょう。

これでCEベクトルの成分がkで表せますから、DEベクトルの成分もkで表せます。(CEベクトル-CDベクトル、など)  kの値が出たら、内分比も出せます。

最後は、図形的なイメージが少し必要。ABCのABを含む平面と、βは平行です。従って、βとの交点をK、Lとでもおけば、CABとCKLは相似ということです^^ なので、ABの長さ「ア」と内分比「ケ」を利用して出せます。


※KATSUYAの解いた感想
これは少し時間がかかりそう。前半は原則そのままレベル。体積までは楽勝。後半は、何をさせたいのか少し迷うが、内分比を聞いているので、「k倍だな」と判断。最後は内分比使うんだろうな。相似になるのか。じゃあABと・・・ん?そういや、最初にABの長さ出したな。最後まで使わないのか^^;解答時間11分。

 

第4問・・・【確率】サイコロ3個、2次関数の最小値、判別式(AB、15分、Lv.1)

そこそこの値段のお肉、お魚、野菜を一気に煮込んだお鍋のような問題で、確率と2次関数がムリヤリ融合されています。あまり食べたい(解いてほしい)とは思えないような詰め合わせ。

(1)は教科書レベル。(2)は積なので、余事象です。どれも1にならないときを考えましょう。

Principle Piece A-9

少なくとも・・・と言えるなら余事象で

(拙著シリーズ(白) 数学A 集合と場合の数 pp.21~22)


後半は、もはや「b」すら出てきません。(3)はやってみるとたいしたことなく、cが5か6であれば何でもOK。

(4)も、a=cであるときを除くことに注意すれば、最悪書き出せば何とでもなりそうです。a,cだけなら、36通りですからね^^

 

Principle Piece A-7

サイコロ2個なら高々36通りしかない

(拙著シリーズ(白) 数学A 集合と場合の数 pp.17~20)

 

※KATSUYAの解いた感想
最後は確率か。数IIIじゃないのね。記述式にしては、ちょっと簡単すぎるような気がする。(1)、(2)は瞬殺。(3)は平方完成してみるとあっさり終了。(4)も判別式を行う。おっと、2次の係数には注意だな。ここぐらいかな。落とし穴。解答時間5分。穴埋めより短いんですけど^^;

 

4.対策~IIB・IIIの演習をしっかりと~

IIIの演習もですが、相変わらずⅡBの範囲からの出題が多いです。来年以降は複素数平面からの出題も優勢になりそうですが、まずはⅡBの演習は怠らないようにしましょう。チャート式(黄色でOK)に加え、同じぐらいのレベルの入試問題集(関関同立過去問など)をたくさん演習しておくと万全でしょう^^

Ⅲは典型タイプが多いので、教科書だけでなく、黄色チャートの例題はマスターしつつ、有名なものは繰り返して結果もある程度頭に残しましょう^^

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでOKです。

以上です^^

 

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(もしくは、本サイト右側のカテゴリーよりどうぞ^^)

 



■関連する拙著シリーズ■

★ 数学II  指数関数・対数関数 (第1問(1))

★ 数学III 複素数平面 (第1問(2))

★ 数学II 式と証明 (第1問(3))

★ 数学III 積分法 (第2問)

★ 数学II 空間ベクトル (第3問)

★ 数学Ⅰ 2次関数 (第4問)

★ 数学A 確率(第4問)

★ 計算0.9(計算練習帳です^^)

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