東京医科歯科大学 | 2017年大学入試数学

   

●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は東京医科歯科大学です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。

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2017年大学入試(国公立)シリーズ。

東京医科歯科大学です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。






また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




東京医科歯科大学
(試験時間90分、3問、記述式)

1.全体総評~センスや発想力、試行錯誤能力が試される医科歯科らしいセット~

難易度は昨年並。全体的に試行錯誤しながら答えにたどり着かせる問題が多く、試行錯誤の方向性(数学的なセンス)や発想力がかなり問われるセット。今年は数学IIIの微積分が出ましたが、計算力というよりは発想力でした。


試験時間90分に対し、
標準回答時間は115分。昨年とほぼ変わらずです。相変わらずオーバー。

2016年:120分
2015年:115分
2014年:105分
2013年:105分
2012年:115分
2010年:105分

2.合格ライン

どれも取りづらい。第1問は(2)まで、第2問は(2)まで、第3問も(1)までは欲しい。これでは1完もないのでもう少し粘りたい。

第1問の(3)はなんとか気づいて欲しい。(4)は規則に気づいたのあれば、粗粗の議論でも答だけ書いて部分点狙い。づけば勝ち。第2問(3)、第3問(2)と(3)のどれか1つでも押さえれば、5割強ぐらいはある。時間もいつもどおりオーバーなので、これでも十分かと。


50%強ぐらいでしょうか。


3.各問の難易度

☆第1問・・・【数列】条件を満たす数列の決定(C,35分、Lv. MAX)

煩雑な条件を満たす自然数の並び替えの決定問題です。誘導がそれなりに細かいのでなんとかなりそうですが、(2)までに、規則性を意識しながら見つけておかないと(3)以降はツライです。

(1)はn=1なので、これでは規則が見つかりにくそうです。(2)n=2、a_1=7の場合です。(1)と(2)、そそして(3)(4)も眺めたときに共通していることとして、a_1が最大値か最小値のときを聞いていますので、これも意識していると見つけやすかったでしょう。

(2)で、決まる順番がa_1→b_1→c_1→a_2→b_2→c_2・・ であることが、理由(条件C1とC2をどうつかうか)とともに分かればこちらの勝ちです。その規則が(3)(4)にそのまま使えます。

(3)はa_3までですが、そのまま(4)に引き継いでしまいましょう。なお、本当は帰納法で証明すべきところですが、時間もないので、多少の減点覚悟で「同様の作業を繰り返すと」で済ましたほうがいいかもしれません。一般項の結果、あるいは答えがきちんと合っていればそんなに減点されないと思います。

 

分からなければとにかく試す。特に自然数n絡みでは、この手法で諦めずに試行錯誤を続けることです。それが実感できる1問でした。

 

※KATSUYAの解いた感想
なんじゃこりゃ?医科歯科らしい設定だわ。読む気が失せかける。とりあえずn=1,2でのお試しに点数をもらえるみたいなので、捨て問にはされずに済むかな。(1)はすぐに決まる。(2)は6つも埋めんとアカンのか。うーん、b1とc1とa2の大小は分かる。その後はよくわからん。条件C1にもどる。6個の差が全て異なる、か。1~6ってことやけど、とりあえず差が6には1と7しかないな。a1入ってないとアカンから、b_1=7まで分かるが、その後は並べ替えを考えたりするも、事象が多すぎていったんやめる。しばらく考えて、同じように議論すればどんどん決まると分かり、(3)(4)以降はつらつらと述べる。帰納法で時間があれば証明しておこう。とりあえず終了。原則が使えないな。「試す」ってことやな。とにかく。解答時間26分。

 

第2問・・・【空間ベクトル】球面上の点、条件を満たす点の軌跡(C、40分、Lv.3)

医科歯科大お決まりの空間図形の問題です。あまり数値が入っていなくて文字が多く、苦しめられたかもしれません。今年の傾向として、具体的な数値が入っていないタイプの問題が旧7帝大などでも見受けられます。

(1)はいいでしょう。(2)も図形的には大円の直径の見込む角になりますので明らかだと気づけると思いますが、わざわざベクトルで書いてあるところを見ると、「成分きちんと出しておいた方がいいよ」という意味にも捉えられます。

(3)は軌跡を求める問題なので、素直に座標(X,Y,0)で置くしかないでしょう。また、Qは動点なのでこれ以外の文字で置く必要があります(u,v,w)など。連動する点の問題の場合は、この原則に従います。

 

Principle Piece II-53

 連動型はQ(s,t) P(x,y) とおく

(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.49-50)

 

これを用いて、APとσ上の点の交点がQであることを利用して、u、v、wをx、yで表します。その(u、v、w)満たす式にこれを代入すればOKです。u,v,wが満たす式は、OS⊥SQを用いればOKです。Sが満たす式は一番最初の条件から分かります。

条件が多いので、何を計算するときに何の条件を用いれば良いかが分かりにくく、苦しかったかもしれません。(2)のときにQの座標を求めて、素直にベクトルの内積として0を示していればまだ方針がたったかもです。

 

 

※KATSUYAの解いた感想
空間ベクトルの球面か。(1)は瞬殺。(2)は図形的には明らかやけど、ベクトルで書いてあるな。ベクトルの成分出しておいたほうがいいのかな。一応成分を出して内積をとって証明。(3)はそのQ、Pの関係式が使えることが分かり、(2)がベクトルで書いてあるのが分かった。普段の連動型の問題に帰着できるということか。Sの条件は、球面上。これとOS⊥SQでいけるか。文字が多いから計算が面倒。 解答時間25分。

第3問・・・【微積分総合】定積分関数を含む積分方程式(C、40分、Lv.3)

数学IIIの積分方程式の問題ですが、使う原則は数学IIのみです。頻出の2パターンのやり方どちらも合わさっているところがなかなかすごいと思いますが。

1つはこれです。

Principle Piece II-114

 定積分は定数 =kとおいて再びk=・・・の式として解く

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分 p.15-16)


もう一つのパターンは、こちらのパターンです。どちらも教科書に載っているレベルの問題に対する原則。

Principle Piece II-116

 [1] f(x)は両辺微分で [2] 「両端等しい」=0で定数を出す

(拙著シリーズ(白) 数学II 積分 p.23)

これを両方つかうというところがなかなか難しいです。最初は後者の原則を使います。両端に0、1が入ってますので、x=0、x=1を代入した式を書いて整理すれば、式は煩雑ですが、求められないものがうまく消えて簡単にaが出せます。

その際、積分区間が同じときは、中の関数(これも定積分表記)は足してOKです。0~u、u~1なので合わせて0~1(定数)にできることに気づかないと、本問は全滅です。あまり見かけないパターンでこちらも苦しいですね。

f(0)+f(1)については、元の関数f(x)がないとどうしようもないので、今度は両辺を微分してx=0、x=1を辺々を足すと、また求められないものを消せます。うまくできていますね。

(1)のaができれば(2)以降はなんとかなるでしょう。微分したをもう一度微分すれば、f’(x)=24x+2f(x)となります。ここでg(x)も微分すると(f(x)を残したまま)、24xだけが残るような形になっています。微分方程式という分野の考え方を用いた誘導になっています。

(2)から積分してg(x)を、e^2xをかけてf(x)を出します。積分定数部分は、f(0)+f(1)の値を用いて決定します(初期条件などと呼ばれます)

※KATSUYAの解いた感想
うえ、なんかゴツイ式。眠気もおそってツライな。確信はないが、原則に従うしかないので、x=0、1を代入。それ以外にできることがない。求められない式が消え、aが出せる。よしよし。f(0)+f(1)は微分しないとダメかな。微分してからx=0、1を入れてまた式が消せる。上手く出来てるな。(2)は微分方程式の考え方かな。上記方針で終了。その流れで(3)も出す。意外といけたか。式のごつさに惑わされずに原則使えたかどうかやな。 解答時間25分。

 

4.対策

医科歯科大の問題は非常に独特です。小問で誘導しながらも、そのリフトに飛び乗るにはジャンプ力が必要。また、普段はIIIの割合も高めで、計算力もかなり必要。なるべく早くIIIまで一通り原則習得を終えて、夏以降には量をこなしつつ、質の高い演習も並行したいです。仕上げ段階までこなして欲しいところですが、とにかく出題形式が独特なので、本学の過去問を徹底的に研究することで仕上げ段階としてもいいでしょう。

出題分野は、昨年や今年のように、数列、数学IIまたは数学IIIの微積、確率、ベクトルがここ最近は多いです。

量をこなす演習:じっくり演習=6:4ぐらいでしょう。

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■

★ 数学II 積分 (第2問、第3問)

★ 数学B ベクトル (第2問)

★ 数学B 数列 (第1問)

★ 数学III 積分法 (第3問)

前回とほとんど出題分野が変わっていませんね。

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