慶應大学 薬学部 | 2017年大学入試数学

   

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●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は慶応大学(薬学部)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。

入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。



2017年大学入試(私大)シリーズ。

慶応大学(薬学部)です。

早慶が始まりました。ここからはさらに忙しくなりそうです^^;

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





慶応大学(薬学部)
(試験時間80分、4問、穴埋め型)

1.全体総評~2015年を底に難化傾向~

昨年より、微難化です。年々計算量が減り、煩雑さもかなり落ち着いてきましたが、昨年、今年と2年連続で難化し、計算量も増えたと言えます。1番の小問が大問より意外と手こずるので、うまく時間配分が必要なセット。場合の数、確率はかなり地道な調査が必要で、これが意外とキーになったかもしれません。


試験時間80分に対し、
標準回答時間は163分【110分】(←穴埋め考慮) また全然足りなくなってきましたね。


2016年は149分【97分】(←穴埋め考慮)

2015年は123分【82分】(←穴埋め考慮)

 

2.合格ライン

第1問:(1)、(2)の前半、(3)、(4)の前半を確保したい。残りは時間との相談。
第2問:地道な調査が必要。こちらも時間との相談。
第3問:ストレートな典型問題で、全体を考えると落とせない。
第4問:キー問題場合分けと状況の変化を落ち着いてつかめば、単純な2次関数と面積計算の問題。(3)(4)の方がとれるか。


第1問(2)と(4)後半、第2問、第4問の残りを、残り時間でどれだけ稼ぐか。

今年は60%ぐらいでしょうか。昨年よりは低いと思われます。

 

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【指数・対数+整数】対数方程式を満たす整数解(AB、 13分【8分】、Lv2)

対数方程式に整数を絡めた問題です。KO薬としてはかなり簡単で、落とせません。対数方程式自体はおまけに近く、logをはずせばすぐにx、yの関係式にできます。

関係式は1次不定方程式で、1解をみつけずとも一般解が分かる形をしているので、すぐにx=4k-2、y=7k-5 とわかります。 2の累乗については、12乗=4096 を知っているとほぼ計算は不要ですね。

2、3、5、6の累乗はある程度把握しておいたほうがいいでしょう。確率でも頻出なので。

 

☆第1問(2)・・・【図形と式】2円の内接、外接、共通接線、弦の長さ(B、 25分【16分】、Lv.2)

3円が絡む問題ですが、考察するのは2円の関係です。計算量は多めで、共通接線を小問の穴埋めにする辺りがKO薬らしいです。

 

Principle Piece II- 45

 2円の関係 → 5パターンをマスター

(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.37-38)

 

内接は「半径の差=中心間の距離」、外接は「半径の和=中心間の距離」です。円Pの半径「r」を導入し、aとrの連立方程式を解けばOK。(1)で聞かれているのは「a」ですが、(3)で必要です。

(2)は共通接線。円Oが原点中心なので、接点を置いて接線の方程式を設定し、それと円Cの中心との距離が2という式を立て、接点がx^2+y^2=9を満たすことも利用すれば連立できます。4本の接線を出すならこれが最も速いとは思います。

しかし本問では、特定の1本のみを探す必要があります。接点の数値は比較的汚い上に解が4つでますし、おまけに円O、円Cの接点のy座標が負であるという条件まで探さなければいけませんので、この方法を選択するとツライと思います。記述でも30分を超えるレベルになってしまうでしょう。

平面幾何的に考えると、比較的簡単に傾きが1/7であるとわかります。

 

Principle Piece A- 90

 2円問題 → 中心と中心、中心と交点、中心と接点は結んでおく

(拙著シリーズ(白) 数学A 平面図形 p.47)

 

最後は弦の長さなので、こちらの原則をストレートに用いるだけです。値は途中汚いですが、最後はきれいなのは、KO薬にしてはマシな方です。

 

Principle Piece II- 49

 円から切り取る弦の長さは d と r と三平方

(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.42-44)

 


☆第1問(3)・・・【数列】特定の条件を満たす自然数の列とその和(B、15分【10分】、Lv.2)

3でも5でも割り切れないものを並べた数列です。1~15までで周期的に見つけられることに気づけば、あとはコツコツ計算するだけです。(1)でそれに気づかせてくれる問題がありますので、これは落としたくないです。

1、2、4、7、8、11、13、14 が最初の8個で、あとはこれらに15を足していったものが並びます。8個おきに群数列とみなせば、最初の和は60、それ以降は120ずつ増えていきます。和が2000ということなので、和の公式に当てはめるのは大げさで、地道に足したほうが早そうですね。

なお、「地道に足す」というのは、この8個セットを足すということです。2000に近くなったら、1項ずつ調査しましょう。


第1問(4)・・・【複素数と方程式】2次方程式、解の存在範囲(B、20分【12分】、Lv.2)

2次方程式の解と係数の関係、および解の存在範囲の問題です。kが自然数という設定に気をちらされそうですが、逆にミングでこれを利用すれば比較的簡単に絞れます。

最初は解と係数の関係を利用するだけです。後半は、少なくとも正の実数解を1つもつという条件ですが、正負の場合に加え、2解が正を持つ条件を探します。普通はこちらでやります。

Principle Piece I-32 

 2解が正 D>0、軸>0、f(0)>0

(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数 p.44)

ただし、本問の場合は、判別式などでまともにやるとkの4次式になるので、きついです。ここでkが自然数であることをうまく利用します。

正負の場合は、k=1しかありません。また、kが5以上になると、方程式の係数は全て正となるため、正の解を持つことはありません。したがって、あるとしたらk=1、2、3、4のみなので、あとは絞ればOK。a+bはkの2次関数なので、あとは簡単ですね。

普通なら、正負の場合に加え、2解とも正のときも調べます。2解とも正のときは、普通はこちらでやります。

整数にいかにうまく馴染んでいるかが物を言う、差のつきそうな問題でした。

※KATSUYAの解いた感想
(1)は簡単。昨年は最初難しかったような。2の累乗はやっぱ知っておいたほうがいいな。(2)3円か。2円の関係を利用すればいいな。半径設定して連立。数値が嫌な予感。次はうわ、共通接線が小問か。4本あるから式ではやめよう。図形的に傾きと接点を出したほうがいいな。最後は弦の長さなので原則に従って終了。(3)は群数列的に出来そう。15までかけばいけるな。2000か。書き出しでいって終了。(4)最初はさくっと。後半の条件について、正負のときはすぐに終わる。2解との正のときは、D>0、軸>0・・・いやちょっとまて、Dの式ややこしいからやめよう^^; kが5以上なら全部正やからないんか。これで絞っちゃえばいけるな。解答時間計25分。

第2問・・・【場合の数】正8角形の個数、周の長さの最小値(C、35分【25分】、Lv.3)

場合の数の問題ですが、かなり地道に数えなければいけないタイプで、普段の確率と違うので、逆に普段より差がつきにくいかもしれません。

(1)、(2)ともに地道に数えるしかないでしょう。穴埋めからしても一桁ですから、頑張って何回も図を書いて数えてもなんとかなる、と思ってやるしかありません。それでもがむしゃらに数えるのではなく、BDを数えたら次はBC、CからはD,E,Gに引いた場合と、アルファベット順に数えれば過不足なく数えられます。12個ありますが、GODEに関して全頂点は対称ですので、2個ずつ合同なものがあるはずです。

最後は周の長さです。種類としては6種類しかありませんので、6種類ともまともに数えましょう。穴埋めなので、

√2=1.41・・・、√5=2.23・・・、√10=3.16・・・、√13=3.61・・・

を代入して比較いきましょう。記述だとかなりメンドウそうですね^^;

 

 


※KATSUYAの解いた感想
うーわ、これは完全に地道に数えろって感じの問題やわ。確率と漸化式とかで対策とってきた人はかなりツライかな。逆に数えたモン勝ち?穴埋めからしてそんなにないはずなので、余白にどんどん正方形を書いて頂点をたどって書き出す。周の長さの最小値は、穴埋めも利用し、√10、や√13に係数が入るものを消去。残りだけで比較して終了。 解答時間17分。

第3問・・・【空間ベクトル】四面体(4点座標・3辺直交型)、三角形の面積、重心、交点(B、20分【14分】、Lv.2)

空間ベクトルに関する問題。本セットの中では穏やかなので、落とせません。

座標が書かれていますが、これが必要なのは面積の情報を処理するとき((2)を解くとき)だけです。あとは内積が関係ないので、実は座標はほぼ不要。

(1)はただの重心を聞いています。内分・外分・中点、重心は、そのベクトルの始点を合わせることが大事です。g=a+b+c/3(表記はベクトル) のような覚え方しかしていないと、この程度でもつまづくおそれがありますので、要注意です。

CS=CC+CB+CO/3 ということです。(表記はベクトル)

(2)は、APQの面積の情報から、AQ:AB=3:4とわかりますので、ここで面積を使います。あとは座標も使いません。

最後は交点の扱いです。原則通りですね^^

 Principle Piece B-54 

 直線と平面との交点3:直線上、平面上に始点がない

 [1] 直線は1-u、u の係数設定

 [2] 平面上は1-s-t、s、t の係数設定

(拙著シリーズ 数学IIB (原則のみ))


これで3元連立方程式を解けばOKですね^^

 

※KATSUYAの解いた感想
これは割と普通そうやな。最初はただの重心を聞いてるのね。(2)で図を書く。OABの半分の3/4倍やからそのまま比になるな。(3)は交点聞いてるだけか。じゃあもう座標いらないけど、置いてしまったので座標で連立。途中で計算ミスし、ケタがあわず修正。解答時間11分。

 

第4問・・・【2次関数+積分法】絶対値付き関数の最大値、面積の最大値(BC、35分【25分】、Lv.3)

絶対値付き関数の問題です。定数aが入っていますが、関数自体は至って単純です。しかし、これが見かけより難しいので、手をつけて苦戦した人も多くいるかもしれません。

絶対値がついているのでもちろん中身の大小で分けます。どちらのグラフもxでくくれますので、残りの交点も出せます。ここで0とa-1の大小の場合分けが必要(0≦a≦1なのか1≦aなのか)であるとわかります。

(1)と(2)は、0≦a≦1のときについてで、関数の最小値ですが、0≦a≦1と1≦aでは、交点の順番だけでなく、最小値を取る場所も変わるというのがポイントです。これに気づかないと、(1)と(2)はほぼ全滅になります。

0≦a≦1のときは、後半の関数には頂点が入りますので、その頂点で最小になります。最初私も気づかず、グラフの変わり目であるx=aのときとばっかり思っていました^^;

 

(3)は面積です。こちらはグラフの変わり目に注意するだけなので、区間を分けて計算すればOKです。0≦a≦1のtきは、0~aとa~1で関数が変わりますので、これで積分です。どちらもx軸の下なので、要注意。

(4)では、1≦a≦2のときも同様に計算します。今度は関数は変わりませんが、a-1で上下関係が入れ替わりますので、そこに注意。場合分けの境目でいろいろ変わるところが、本問の難易度を上げていますね。

増減表は(3)、(4)の場合をまとめて書いてしまいましょう。

Principle Piece II-102 

 場合分けをしても、増減表は1つにつなげてまとめて書く

(拙著シリーズ(白) 数学II 微分法 p.25)



※KATSUYAの解いた感想

定数入ってるけど、そんなに難しくなさそう。0と1-aは場合分けがいるか。どっちも変わり目の部分が最小と思い込んで計算するも、ケタあわず。あれ、おかしいな。。。ちゃんと場合分け+平方完成し、きちんとグラフを書いてみて、頂点が最小と分かる。ここも変わるんか。(2)もこれでクリア。(3)は面積。最初区間を勘違いし、ケタがあわず。x軸と囲まれた部分ではなく、0~1か。ミスったわ^^;(4)も同様に計算。穴埋めを利用し、(3)の式は形に合わないのが目にみえたので、(4)の式だけ微分して極値をとるxを探して終了。解答時間21分。ミスが結構かさなって時間とられた^^;

4.対策~パターン問題を瞬時に見ぬき、素早く計算を~

出題分野ですが、数学Bは何らかの形で全部出る傾向にあるようです。数学IIも微積を筆頭に、ほぼ全分野にわたって出題があります。あとは場合の数・確率と整数が絡みます。

計算量が非常に多く、分量に無理のある年が多いですが、これを見ている志望者は、間違いなく計算練習をしてくるでしょう。レベル的には、原則習得には青チャートで十分でしょうが、レベルの高い重要例題でもすぐに方針が立つぐらいやり込んでおくべきです。

最終段階は入試標準レベルまで欲しいですが、ここが第一志望の場合は、穴埋め形式のつもりでとにかく素早く計算し、途中式はともかく答えをかちっと合わせる練習をしましょう。

変な難問が出るわけではない(出ても捨てて問題なし)なので、A・II・Bを中心にまんべんなく量をこなしましょう。

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいですね。

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■


★ 数学Ⅰ 2次関数 (第4問(2))

★ 数学A 集合と場合の数 (第2問)

★ 数学A 整数 (第1問(1)(4))

★ 数学II 複素数と方程式 (第1問(4))

★ 数学II 図形と式 (第1問(2))

★ 数学II 指数関数・対数関数 (第1問(1))

★ 数学II 微分 (第4問)

★ 数学II 積分 (第4問)

★ 数学B ベクトル (第3問)

★ 数学B 数列 (第1問(3))

★ 計算0.9【IAIIB】 (計算練習帳です^^)

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