慶應大学 看護医療部 | 2017年大学入試数学
2022/05/05
●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は慶応大学(看護医療学部)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。
入試シーズン中は、コメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。
2017年大学入試(私大)シリーズ。
慶応大学(看護医療学部)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
慶応大学(看護医療学部)
(試験時間80分、5問、ハイブリッド型)
1.全体総評~昨年比では計算量が減~
昨年比では難易度は不変ですが、計算がラクになったかな、という印象です。第1問がどれもほとんど時間がかからなくなったこと、第2問も比較的分かりやすい題材で、第5問の記述も典型パターンの問題なので、手が止まらずいける。計算力があれば時間内に終了させることもなんとか可能なセット。
試験時間80分に対し、
標準回答時間は119分【85分】(←穴埋め考慮)
2016年は135分【101分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン
第1問は穴埋め8個。これは8個とも取れます。
第2問は小問が1つ減りましたが、穴埋めは8個のまま。6個ぐらい取れればOK。
第3問はキー問題。1:2:√3 に気づけば最後まで取れるが。。。。
第4問はキー問題。経験の差がそのまま出る。
第5問は典型パターンなので、この記述は取りたい。
本学部は、合格最低点が5割強です。キー問題以外をきちんと取れれば、合格には近づけると思います。今年は6割ぐらい必要かもしれません。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・【対数+整数】常用対数、桁数、約数の個数(A、6分【4分】、Lv1)
基本的な対数計算と整数の問題です。特にコメントはありません。これは落とせませんね。
☆第1問(2)・・・【複素数と方程式】複素数のn乗の値(A、6分【4分】、Lv.1)
今年もここに複素数の計算です。数学IIIの複素数平面を知っているともっと簡単に出来ますが、誘導もあるので出来ますね。2乗すると-iになるということは、8乗で1になりますので、8が周期になるということですね^^
第1問(3)・・・【複素数と方程式】剰余の定理(A、5分【3分】、Lv.1)
剰余の定理を用いてa,bの連立方程式を解くだけの問題で、教科書の練習にありそうな極めて基本的な問題。こちらも特にコメントはありません。
第1問(4)・・・【データ分析】平均値、分散(A、5分【3分】、Lv.1)
5つのデータについて、平均と分散を出すだけです。aが入っていますが、大したことはありませんね。こちらも特にコメントすることはありません。
※KATSUYAの解いた感想
全体的に基本問題。昨年より数値も綺麗になったかな。解答時間計4分。
第2問(1)・・・【場合の数】同じものを含む順列(AB、9分【6分】、Lv.1)
同じものを含む順列です。最初は公式にあてはめるだけです。A、K、Gが2文字ずつあります。後半は、ここから2文字をとる順列です。2文字なので書き出してもたいしたことないですが、こちらの原則を使うと原則を使いやすいです。
(拙著シリーズ(白) 数学A 集合と場合の数 p.42-43)
本問の場合は、多い文字のA,K,Gを2文字入れる場合が3通り(AA,KK,GG)、1文字ずつの場合は6種類から2文字選んで並べるので6・5=30通りですね。
☆第2問(2)・・・【図形と式】弦の長さ、垂直二等分線(AB、10分【7分】、Lv.1)
円と直線に関する問題です。交点は汚いですが、出す必要はありません。
前半は、弦の長さなので、こちらの原則を用いればOK。
(拙著シリーズ(白) 数学II 図形と式 p.42-44)
後半は、その直線が円の中心と通ることを利用すれば一番早いですね。解と係数の関係を利用して、ABの中点を求める方法でもOK。
第2問(3)・・・【三角関数】三角方程式、合成(A、7分【4分】、Lv.1)
こちらは基本的な三角方程式です。左辺を合成すれば簡単に解けます。
(拙著シリーズ(白) 数学II 三角関数 p.44-45)
第2問(4)・・・【2次関数】三角形の面積の最大値、軸分け(AB、12分【8分】、Lv.1)
座標平面上にある三角形の面積の最大値です。定数が入っているので少し複雑に見えますが、面積の式を立ててみれば、ただの軸分けの問題だと分かります。
面積の式はx^2の係数が負なので、最大値は「頂点」か「左端」か「右端」ということになります。今回は文字定数aに範囲がありますので、1つ減ります。
(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数 p.25)
※KATSUYAの解いた感想
第1問の穴埋めを少し難しくした感じやけど、全体的に典型パターン。 (2)と(4)は計算量が他に比べて多めかな。解答時間計10分。
第3問・・・【平面ベクトル+三角比+三角関数】内積、三角形の面積、外接円の半径など(AB、18分【12分】、Lv.1)
基本的な問題をほどよく融合してある問題です。最初は、平面ベクトルでは未知数が3つだと理解していればどうってことのない問題。|a(→)|、|b(→)|a(→)・b(→) が未知数ですから、条件式が3つあれば全て出せます。
(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.22-24)
これにより、OABが1:2:√3 の三角形であることに気づけば、比較的その後は見通しが立ちやすいと思われます。「チ」でθ(角度)を聞いていることからも、求められる角度であると予想して欲しいところ。
105°のsinは、穴埋め形式を受験するのであれば知っておくべきです。知らなければ加法定理で。外接円は正弦定理ですね。最後は、OABとの面積比を利用します。角の二等分線→線分比→面積比 ですね。
※KATSUYAの解いた感想
ベクトルか。3つ式があるから連立すればOKか。1:2:√3の三角形やから、大分見えてきそう。角度、sin、外接円の半径はさくっと。OACは面積比で。解答時間5分。
第4問・・・【確率+数列】確率と漸化式、点の移動(B、20分【14分】、Lv.2)
確率と漸化式の典型パターンです。正八面体上を動くので比較的難しいですが、設定の仕方が問題文に書いてあるので、経験がある人にはこれがすごくラクな設定になっていることがわかります。逆に経験がないと難しく、本セット最難問でしょう。
(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.39-43)
(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.39-43)
(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.39-43)
本問では、A,Fをan.bnでおき、それ以外は全て対称性がありますので、cnとしてまとめてあります。an+bn=1-cnを利用することで全て解決できます。
出来た漸化式は4型なので、簡単に解けまね。
(拙著シリーズ(白) 数学B 数列 p.33)
※KATSUYAの解いた感想
確率と漸化式か。看護ではあまりみないけど、、、他学部に感化された?一度でもやっておかないと差がつきそう。解答時間5分。
第5問・・・【微積分総合】絶対値付き2次関数、共通接線、面積(B、20分、Lv.2)
2つの放物線に共通して接する接線と、その放物線とで囲まれる面積を求める問題です。題材は至って単純ですが、誘導がかなり細かいので、逆に答案量が増えそうである程度の時間を取られます。
(1)は絶対値を場合分けして外します。これで2つの放物線を作るということですね。(2)(3)で、共通接線を求めます。2つの放物線上の接点を設定し、接線の式が一致するように連立すればOK。
なお、放物線同士の場合は、こちらのやり方で普段は紹介していますが、誘導がある以上は従うしかありませんね。
(拙著シリーズ(白) 数学II 微分(1冊目) p.16-17)
(4)は面積です。放物線と接線絡みなので、こちらの原則を用いて計算を減らしましょう。
(拙著シリーズ(白) 数学II 積分法 p.34-37)
全体を通してみるとやることが比較的多めですが、乗れれば芋づる式に点数の取れるタイプなので、時間切れでできないことがないようにしたいですね。
※KATSUYAの解いた感想
絶対値付き関数か。(1)は場合分けしてさくっと。(2)で流れが見えた。共通接線だして面積求めるのね。求め方は接線一致で出すのか。(4)も原則を用いてさくっと計算。これは稼ぎどころで差もつくか。解答時間9分。
4.対策
小問が多いこともあり、分野的にはまんべんなく出ます。特に数II、Bはほぼ全分野から出題されるといっていいでしょう。確率も忘れずに。
決して難しいわけではありませんが、スピードがないと時間内には解き切ることができませんので、典型問題を見たら直ぐに手を動かせるレベルまで、原則の習得が必要です。数値が汚い問題も結構ありますので、普段から計算はひるまずに行うようにしましょう。チャートは、青ならお釣りきますね^^
量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね。
以上です^^
■他年度の、本大学の入試数学■
>> 2010年度
>> 2016年度
■関連する拙著シリーズ■
★ 数学Ⅰ 三角比 (第3問)
★ 数学A 集合と場合の数 (第1問(4))
★ 数学A 確率 (第1問(4))
★ 数学A 整数 (第5問)
★ 数学II 複素数と方程式 (第1問(2))
★ 数学II 図形と式 (第2問(1))
★ 数学II 三角関数 (第3問)
★ 数学II 指数関数・対数関数 (第2問(2)(3))
★ 数学II 微分 (第4問)
★ 数学II 積分 (第1問(3))
★ 数学B ベクトル (第1問(1))
★ 数学B 数列 (第2問(3))