首都大学東京 理系| 2020年度大学入試数学

   

●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は首都大学東京(理系共通)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。

 

2020年大学入試シリーズ(国公立)シリーズ。
首都大学東京(理系共通)です。

※首都大学東京は、2020年4月より「東京都立大学」へ名称変更しますが、入試が行われた段階では「首都大学東京」ですので、今回までこちらの名前でいきます。

 

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。




また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





首都大学東京(理系共通)
(試験時間75分、3問、記述式)

1.全体総評~差がつきやすいパターン問題で構成~

難易度は昨年からやや難化です。昨年同様、3問中に2問に数IIIが絡んでいます。分野的には微積、数列(図形と漸化式)と微分、確率と漸化式で、少々数列に偏っています。首都大で確率と漸化式が出るのは珍しい印象です。

確率と漸化式含め、経験量で大きく差のでそうなパターン問題が2問ありましたので、今年は差が大きくつきそうなセットといえます。


試験時間75分に対し、
標準回答時間は75分。

2019年:65分

2018年:65分

2017年:80分

2016年:70分

2015年:70分

2014年:75分

2.合格ライン

1番はがっつり数IIIですが、方針に迷うことなく計算するだけです。これは取りたい。

2番、3番はどちらもキー問題。パターン問題なので、取れる人にはサービス問題になりますが、経験がないと両方とも手が止まるかもしれません。

1番は押さえて、2番、3番の出来次第です。片方出来たとして、65%弱ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

☆第1問 【微積分+極限】接線、面積、極限(B,20分、Lv.1)

接線とグラフで囲まれる面積やその極限で、微積分総合問題ですが、やることも計算もそこまで大変ではありません。ここは落としたくないですね。

(1)は積分するだけです。対数関数の場合は、1=(x+1)’ などとみなして積分するんでしたね。

(2)も、接線を出して囲まれた領域を把握し、積分するだけです。面積ですので、上下関係には気をつけましょう。グラフから、明らかに接線の方が上であることは用いて大丈夫かと思います。積分計算には(1)の結果が使えますが、log(n+1)の積分には注意。これは定数ですので、xがつくだけです。

(3)は極限を求めます。Snの見た目はごつそうですが、分子分母を分母の最高次数で割るという基本的な操作を行うだけで解決します。

 

 

※KATSUYAの感想:解答時間8分。微積かな。関数は簡単そう。(1)はさくっと。(2)はグラフを書いて領域を示してから積分。接線の方が上であることは使っていいと判断。n+1やら2n+1やら、意外とミスりやすそうなので慎重に。(3)Snの式ややこしいけど、整理したら、分数部分とlogの部分で原則に従うだけで出来そうと気づく。

☆第2問  【数列】図形と漸化式、半径の最大値(BC、30分、Lv.2)

外接する円を次々に書いていき、その半径を求めます。入試では頻出のパターンですが、経験したことがないとなかなか難しいかもしれません。ヒントの図があるので、それに従ってできたかどうか。

まず、円がたくさん接するときの大原則として、中心同士、中心と接点は全て結んでおくことです。半径や垂直条件から、長さを出せる部分があります。

(1)は上記原則そのまま用います。すでに線も引いてあるので、見やすいと思います。中心間の距離がa+bになることに気づけば出来るでしょう。

(2)は(1)の結果を、他の円にも適用します。円AとC1に適用すればPAP1が、円BとC1PBP1が出ます。この2つを足すと、PAPBになることから、√r1に関する式を立てられます。両辺を√abr1 で割るとお目当ての式が1発で出ますね^^

(3)は(2)の操作を一般化し、漸化式を立てます。両辺を√a・r_n・r_n+1 で割ると、1/√rnに関する漸化式が得られます。ただの等比型なので、簡単に一般項は出せます。

このタイプは頻出問題ですが、両辺を割ることや式の作り方など、初見だと難しいですね。

(4)はおまけで微分ですが、おまけというにはまあまあ煩雑。1/√rnが最小になればいいので、(3)をそのまま微分すればいいでしょう。aの式はまあまあ煩雑で、rnを求めるのがちょっと嫌な感じですが、整理すると結構きれいになります。うまい問題ですね。

 

※KATSUYAの感想:解答時間14分。下にある図を見て、パターン問題と確信。手がとまることなく(3)までは進める。(2)と(3)は同じようなことやるだけなので、先に一般項だして一気に終了。(4)は微分自体はさくっと。0になるaの値は・・・ん、あんまり代入したくないけど。最大となるaの値だけ?に期待して問題文に戻るが、最大値も出せって書いてある。仕方なく代入して計算してみると、意外とキレイになった。

☆第3問 【確率+数列】確率と漸化式(B、25分、Lv.2)

正方形上にある4点を題材にした、確率と漸化式です。文字も全部設定されていますし、誘導があるおかげで難易度は下がっていますが、首都大は確率と漸化式をあまり出さないので、こちらも差がつくかもしれません。

確率と漸化式では、3つの原則をしっかり守れば漸化式を立てられます。

①n回目とn+1回目を詳しく見る、②関係のない部分も自分で文字設定する、③確率は足すと1になることを忘れず

今回は問題文で全部の点にある確率が設定されていますので、②はすでにやってくれています。

(1)はお試しですが、これを計算している最中に、n回目とn+1回目の遷移の規則をつかむことが大事です。言われたからとりあえず解いて計算できたからOK、では(2)につながりません。

(2)は(1)で規則がつかめれば、遷移図を書けます。隣り合った頂点からは1/4で、そのままの確率が1/2で、対角線の頂点からは来ることはありません。nやらiやらで見にくいですが、対角線の頂点が指定文字にないことからも明らかです。

この漸化式を解くことになりますが、(3)の誘導があるおかげでかなりラクです。(3)の事実なしに一般項を出すとなると、難易度が大きくUPします。

(3)は(2)で漸化式を作っているので、帰納法がいいでしょう。nに関する証明で、一般項の結果が分かっているなら、帰納法が最も威力を発揮します。この時、3番目の原則「確率は足すと1になる」ことを使いますね。

(4)は(3)が分かればP1(n)に関する漸化式を立てるだけです。最もよくある4型になりますので、特性方程式を作って等比型ですね。

※KATSUYAの解答時間12分。2番に続いて差がでそうなパターン問題。首都大で確率と漸化式って珍しい気がする。てか、絵がシュール^^; (1)で求めて、思ったより規則は簡単そう。(2)は規則をそのまま遷移図に。文字全部指定されてるし、ラク。(3)そうなん?これなかったら結構難しいけど。結果教えてくれてるなら帰納法で。(4)は(3)のおかげでかなりラクな漸化式に。誘導なかったら結構むずいかな、これ。

4.対策

首都大は数学IIIの微積が頻出。まずは計算を確実にあわせる練習も含め、基礎固め+微積の標準問題を重点的に練習しましょう。数学IIIの複素数平面も要注意分野です。

じっくり考え込まないと解けないようなレベルのものは稀ですので、解法が確実に出てくるように量をこなすほうがよさそうですね^^

※首都大学東京は、2020年4月より「東京都立大学」に名称変更いたしますので、上記赤本が、「首都大学東京の過去問」です。
量をこなす演習:じっくり演習=8:2でOK。

以上です^^

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