早稲田大学 人間科学部(文系) | 2021年大学入試数学
2022/02/20
●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2021年大学入試(私大)シリーズ。
早稲田大学(人間科学部A:文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
早稲田大学(人間科学部A:文系)
(試験時間60分、5問、穴埋め型)
1.全体総評~典型パターンだが時間はかかる~
難易度は難化した昨年並みか、さらにそれより少し難化です。随所に時間のかかる設問があり、時間内に終わらせることはかなり難しいセットだと思われます。なお、微分が今年も出題されず、これで3年連続で出題なしです。
内容的には数IIBが中心+確率といった感じですね。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は106分【71分】(←穴埋め考慮)
2020年:101分【67分】(←穴埋め考慮)
2019年:87分【55分】(←穴埋め考慮)
2018年:61分【40分】(←穴埋め考慮)
2017年:83分【53分】(←穴埋め考慮)
2016年:99分【63分】(←穴埋め考慮)
2015年:107分【67分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン
第1問は(1)は押さる。(2)は結構難しい。
第2問(1)はキー問題。落ち着いて合わせたい。(2)(3)は確実に押さえる。
第3問~第5問はキー問題。典型パターンだが、文系だと差がつきそう。素早くできたかどうか。
前半のおさえるところおさえ、後半3つで2完分ぐらいできれば十分でしょう。
3.各問の難易度
☆第1問 [共]・・・【場合の数・確率】ペアのつくり方(BC、18分【12分】、Lv.2)
場合の数と確率からで、8人をペア4組に分ける方法などについて。小問2つに分かれてますが、実質同じ設定です。
最初は楽勝です。2人が4組なので、最後に4!で割ることはさすがに大丈夫ですね。
後半は難しめ。ペアにならないものを数えるより、全体から引く方が早いでしょう。4組、2組、1組がペアになる場合を引きます。(3組が一致することはありません)
※KATSUYAの解答時間は5:32分です。人科の確率は結構侮れない。
☆第2問(1) [共]・・・【指数対数+積分】連立不等式の表す領域の面積(B、15分【10分】、Lv.2)
指数不等式、対数不等式の連立不等式で表される領域の面積を求めます。うまく融合されています。
まず対数の方から。まずは底を合わせること。それから、対数の足し算・引き算部分をまとめて1項にしましょう。
指数方程式の方はそこまで大した変形ではありません。1024=2^10は知っておいた方がいいでしょう。
放物線と放物線で囲まれているので、面積は6分の公式で出せます。係数aに注意。放物線同士の場合は特に1でないことが多いので、いつもより警戒しておきましょう。
※KATSUYAの解答時間は5:53です。≧の向きを勘違いして「囲まれなくない?」となり、やり直してロス。
第2問(2) [共]・・・【三角比】三角形の面積(A、5分【3分】、Lv.1)
3辺が分かっている三角形の面積を求めるだけの非常に基本的な問題。
3辺の場合は、まず余弦→相互関係でsin→面積公式の手順でですね。穴埋めなので、ヘロンの公式を利用するのも早いですね。
※KATSUYAの解答時間は0:42です。ヘロン使いました。
第2問(3) [共]・・・【整数】n進法(A、5分【3分】、Lv.1)
n進法に関する問題で、こちらも基本的。
nの最小値なので、小さい順に試していくだけですが、n=2と書かないように。ケタの表記に2があるので、nは3以上です。ここはひっかけてきてますね。
n=3,4で素数となり、n=5は桁の和を調べて9の倍数と分かります。
※KATSUYAの解答時間は1:23です。
☆第3問・・・【数列】格子点の数(B、18分【12分】、Lv.2)
連立不等式で表されている領域の格子点の数を求める問題で、整数ともちょっと絡んでいます。
n=1のときは落ち着いて数えましょう。
一般のnになった場合は、x=k上にある格子点を数えてΣ計算をするのが一般的な手順ですが、kの値によって該当するyの個数が不規則に変化します。4と5という係数のせいですので、kを4で割った余りで分類しないとΣ計算できませんので、かなり時間を持ってかれます。
今回は、直線で囲まれている領域なので、直角三角形と長方形に分けて数えるとはやいです。長方形なら簡単に出せますし、直角三角形も同じ形のものを組み合わされば長方形ですから、対角線上だけ注意すれば比較的楽に出せます。
出した式にn=1を代入して検算することを忘れずに。
※KATSUYAの解答時間は4:44です。
☆第4問[文]・・・【図形と式】不等式条件下の最大・最小(B、20分【14分】、Lv.2)
円の内部の領域にある(x,y)についていろんな式の最大、最小を出す問題。パターンではありますが、盛りだくさんで聞いているので時間はかかります。記述だとかなりかかります。 基礎演習問題としてはいい問題ですね。
今回は問題文に「領域」と書いてあるのでわかりやすいですが、不等式条件で最大・最小を聞いている場合は領域で考えるのが原則です。そして、求める式=kとおいて、グラフ上でkを視覚化させて共有点条件に帰着させます。
最初のx^2+y^2は原点との距離の2乗となります。点と円周上(+内部)の点との距離では、中心を基準に考えましょう。中心±半径が最大・最小となります。
次も本学部を受験するなら経験済みであってほしいところ。=kとおくと傾きを表すことが分かりますので、円に下の方で接するときが最小です。円と直線の接する条件で、接点も不要なのでdとrの関係で求めるのが早いかと。
最後が一番典型パターンです。=kとおくと、傾きー1の直線の切片を表すので、これもdとrの関係で、円の右上で接する直線のときが最大となります。
記述だと書くことの多いタイプの問題ですが、穴埋めのタイプでは、いつ最大・最小となるかが判断できれば、あとは計算に集中しましょう。
※KATSUYAの解答時間は4:10です。今年のセットを考えても、たくさん聞きすぎでは^^;
☆第5問[文]・・・【図形と式+数列】円の半径、面積の和(B、25分【17分】、Lv.2)
第3問に引き続き数列からで、次々に円を書いてく図形タイプ。
ちょっと本質的ではないですが、次々に図形を書いていくタイプの問題では、ほぼ等比の関係にあります。すなわち、r1とr2の関係がそのまま一般的な漸化式になるということです。なので、穴埋めならr1とr2の関係で考えればOK。
今回は、2本の直線+前に書いた円の中心を通る円を次々に書いていきます。直線に接する円がたくさんある場合は、中心と中心、中心と接点を結びます。すると台形(直角三角形)ができますので、そこの長さの関係から漸化式を作ります。こちらは本質的な原則。
あとは等比数列の和の公式に従って計算するだけです。円周率の部分や、(4/9)^10という部分をきちんと評価しようとするとかなり時間がかかりますが(記述だと25分かかるのはそういう理由です)、穴埋めであれば、ほぼ無視できると判断して計算しましょう。
※KATSUYAの解答時間は5:53で解いています。この典型パターンは文系だと差がつくか。
4.対策~確率+IIBを中心に典型パターンを反復練習~
内容的には、1歩進んだ典型パターンが多めです。青チャートのコンパス3~5ぐらいがそのまま出る感じ。制限時間との勝負になりますので、今年であれば数列の周期発見など、穴埋めならではの飛ばし方も練習しましょう。
文系はIIの微積(最近微分出てませんが)がほぼ必須で、その他は三角、指数・対数、数列、ベクトル、確率あたりがよく出ます。
量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。入試基礎演習レベルまでやれば、過去問はなんとか手がつきます。安定させたければ入試標準演習までやりましょう。
以上です^^
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