明治大学農学部 数学|2022年度大学入試数学

      2022/09/30

●MARCHの数学シリーズです。今回は明治大学農学部(2022年)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。今年度はMARCHシリーズを追加していこうと思います。

MARCHレベルの大学入試は基礎的な原則を習得する上で非常に良く、それでいて適度にひねられているため入試基礎演習としても適切です。原則習得+入試基礎演習を兼ねた問題の講評を行っていきたいと思います。


MARCHシリーズ

明治大学(農学部)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





知らなかった場合は、言葉を覚えるだけでなく、必ず教科書や問題集等で該当する類題を数題見つけ、演習することで定着させてください。自分で探して自分で解く。これが一番身に付きます。

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明治大学(農学部)
(2科目120分、7問、穴埋め型)

※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。


1.全体傾向~スピード勝負の共通テスト型~

2科目120分なので数学単体に制限時間はありませんが、全部で7問~8問ぐらいあるセットなので、スピーディに答えを導き出す力が必要です。問題自体はBレベル以下の典型パターンの問題が多いので、典型パターンを瞬時に見抜く力と計算力が必要な試験です。

 

2022年は第4問、第5問あたりがひねりのあるタイプでしたが、それ以外は超典型パターンでした。

解答時間は77分【51分】(←穴埋め考慮)

 

2.各問の難易度

本文にある緑字(この色)は、数学を受験する上で必要な原則を表しています。

第1問…【場合の数と確率】コイン投げと得点(A、5分【3分】、Lv.1)

場合の数と確率からの出題て、教科書にもありそうな典型パターンです。

最初は、表が4回、裏が1回出ればOK。記述式なら自分で回数を設定するタイプですね。穴埋めなら暗算でも出ます。回数が出たら反復試行です。反復試行は1回あたりを整理して計算します。

後半は(表、裏)の回数組み合わせを求めるだけ。(10,0)から始めればすぐに組み合わせは見つかります。あとは組み合わせの計算です。

 

 

☆第2問…【整数】方程式を満たす整数解の個数(AB、9分【6分】、Lv.1)

方程式を満たす整数解の個数の問題で、こちらも典型パターン。

方程式はムリヤリ因数分解して(x-●)(y-■)=整数の形にするパターンです。(2a-5)(b-2)=-10と出来ればOK。

かけてー10になる組み合わせは8組ありますが、ここでうまく絞りたいところです。2a-5は奇数が確定なので、これだけで半分に絞れます。組み合わせが多い時は、因数の大小や奇偶などをサクッとチェックしてみて絞れないか確認しましょう。

2a-5が最大5のとき、aも最大になります。

 

 

☆第3問…【整数+図形と式】軌跡、円周上の格子点の数(AB、9分【6分】、Lv.1)

図形と式と整数の融合問題。そんなに難しくはないですが、うまく融合されています。定期テストにはないタイプの問題。

前半はABを直径とする円です。直径の円周角は直角であることを思い出しましょう。円の方程式が出たら、その方程式を満たす整数解の個数を求める問題です。題材的には第2問とかぶってますね。

2乗の和が5になるものなので、入れ替えや符号違いを考慮すると8個ありますので、AとBの2点だけ除きましょう。

 

☆第4問…【対数関数】対数関数の最小値(B、12分【8分】、Lv.2)

少し複雑な対数関数の最小値を求める問題。他の問題に比べるとひねられた問題で、本セットの中では難しい方だったと思いますが、対数の式変形に関するルールを体系的に理解する上でいい練習問題になると思います。

対数の式変形は、まず底の変換からです。底が一致していないと、足し算がかけ算になる、などの対数公式を一切使えません。分数の分子が1/3でそろっているので、私は1/3にそろえました。(別にどれにそろえても解答にはたどりつきます)

 

分子は単項式になってlog_(1/3) x(=tとおく)です。分母がちょっとメンドウですが、底を1/3にして計算すると1÷(log_(1/3) 2)となります。さらにlog_(2) xも底の変換をすると、ややこしい分数のところは結局t^2という単純な式になります。ここまで出来れば勝ちでしょう。

残りの項は底が3なので、符号を変えれば1/3になります。(底、真数のいずれかを逆数にすれば符号が変わると認識しておくと対数の式変形は早くなります)

式は結局t^2+4t+4となり、最小値は0と分かります。

 

 

第5問…【三角比+数列】図形と数列、垂線の長さ(B、12分【8分】、Lv.2)

数列と三角比を絡めた問題で、直角三角形をベースにどんどん垂線を下ろしていく問題。

図形問題の基本ですが、なるべく大きく図を書いてA8A9ぐらいまでコツコツかけば簡単に規則はつかめます。記述式でもないですし、規則がつかめればそのままnとしてあてはめればOK。選択肢のページは余白がかなり大きいので、ここにでっかく書いちゃいましょう。

特に今回の問題のように次々に図を書いていく場合は、最初の図を大きく書くことを意識しましょう。

 

直角三角形から垂線を次々におろすと、元の図形と相似の関係にある図形がどんどんできます。直角以外の角度を〇と×で書いていくのが分かりやすくていいでしょう。

あとは、垂線を追加する度にsinθ、cosθのどちらがかけられていくかだけです。上の原則を用いてθの場所を追っていけばミスせずに行けるでしょう。

 

面積も具体的にA6A7A8ぐらいでやってみると良かったと思います。穴埋めで数列の問題が出たときは、具体的な数値だけで切り抜けれる技を駆使して時短していきましょう。

 

 

☆第6問…【空間ベクトル】平面に下した垂線、四面体の体積(B、15分【10分】、Lv.2)

空間ベクトルからで、4点座標型の四面体の体積を求める問題。典型パターンです。

最初はベクトルでcosθなので内積利用です。

面積はベクトルの面積公式でもいいですし、cosθを求めているので、sinθだして三角比の面積公式の流れでもいいですね。

(3)は平面への垂線のパターン。平面を含む2ベクトルに垂直であることを式にしましょう。今回は垂線の足がAなのでラクです。ADとAB、ADとACの内積がゼロになるという連立方程式でいけます。

ADが高さになりますので、体積も楽勝です。

 

なお、4点とも有理点(座標が有理数)である四面体の体積は有理数であることは検算に使えるので覚えておきましょう。

 

 

☆第7問…【微積分】2放物線に接する接線、面積(接線絡み)(B、15分【10分】、Lv.2)

最後は微積分総合問題。2放物線に接する接線を求め、それらで囲まれる面積を求める問題。比較的典型パターンです。

2放物線に接する接線は、片方を接線の方程式で出し、もう片方と連立して判別式という方針が安全でしょう。

接点の座標は連立すればOK。1次の係数だけ見ればすぐに接点は分かります。なお、2接点のx座標、さらに放物線同士のx座標は等間隔なので検算に使いましょう。(2放物線のx^2の係数が同じときに限ります)

最後は面積ですが、2放物線と接線の面積は12分の3乗公式が使える領域です。穴埋めなのでこれで瞬殺ですね。

MARCH以上の大学で数学を使う場合、6分の公式や12分の公式が使える形はしっかり把握し、いつでも使えるように練習しておきましょう。

 

 

3.対策~とにかく典型パターンの練習を~

出題範囲はAIIBの割合が多めです。チャート式(黄色でもOK)のような網羅的問題集をとにかく繰り返し、パターン問題が瞬時に見抜けるようにしておきましょう。

時間はそこまで余裕はないので、パターン問題はさっと解法が思いつくように繰り返し、時間内に計算まで出来るように計算練習もしておきましょう。

 

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOKです。

以上です^^

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