慶應大学 理工学部 | 2017年大学入試数学

   

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●2017年大学入試数学評価を書いていきます。今回は慶応大学(理工学部)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。

※入試シーズン中は、コメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。



2017年大学入試(私大)シリーズ。

慶応大学(理工学部)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




慶応大学(理工学部)
(試験時間120分、5問、ハイブリッド型)

1.全体総評~知ってたモン勝ちの穴埋めが散見される~

難易度は昨年とほぼ変化なしですが、昨年よりは点数が稼ぎやすいと思われます。穴埋めとしてかかる時間もほぼ同じです。ただし、知らない場合は地道にかなり計算しなければならないものの、知っていると一瞬で埋まるような穴埋めがいくつかあり、まともにやると計算量のかなり多いセットです。


試験時間120分に対し、
標準回答時間は200分【135分】(←穴埋め考慮)

2016年:183分【134分】(穴埋め考慮)

2015年:186分【139分】(←穴埋め考慮)

2014年:156分、2013年:180分 

2.合格ライン

第1問は小問が3つに。穴埋めも6個→9個に。(2)は絶対欲しい。(1)、(3)は差がつきそう。
第2問は空間。頻出分野なので対策済みか。キー問題だが、ここが取れないと厳しいかも。
第3問の証明は比較的ラク。落ち着いて(3)まで。(4)は知っていたらラッキー。ぐらいな感じ。
第4問はキー問題。漸化式でない確率だが、単独なので(1)(2)は抑えたい。(3)(4)が勝負。
第5問は時間があればできるはず。出来ないところをどんどん飛ばせば、ここで時間を有効活用可能。

早い段階で第5問に手がつけられることに気づけば点が稼ぎやすい。第2問、第5問を押さえれば残りは最低限でも合格か。第3問が(3)まで出来ていれば御の字。60%ぐらい。



3.各問の難易度

☆第1問(1)・・・【式と曲線】媒介変数表示(BC、20分【14分】、Lv.3)

今年はしょっぱなから比較的計算が煩雑です。媒介変数表示された式から、媒介変数「t」を消去するというもの。

本問のようにsin、cosで表された媒介変数表示は、比較的複雑であっても、基本的には相互関係 sin^2ωt+cos^2ωt=1 に代入することで求めることができます。すなわち、x=・・・ y=・・・ となっている式に対して、 siin ωt=・・・、cos ωt=・・・ として相互関係に代入すれば消去できます。そもそも、楕円の媒介変数表示の考え方もここから来ています。原点に立ち返れるかどうかがポイント。

それぞれの式を加法定理で展開し、係数比較で連立するといいでしょう。 これに気づかないと、最初から手も足も出ません。

「ア」はなんとかなったでほうか。加法定理で展開すれば、容易にx=2yであると分かります。後半はβをどう使うかは後で考えて、とりあえず上記方法で連立しましょう。係数を合成すると、βと似たような式が表れることがわかります。90°違いなので、sinとcosの入れ換えで解決できます。

三角関数の式変形能力が問われる問題でした。

 

第1問(2)・・・【複素数平面+整数】、条件を満たす複素数の組数(AB、15分【10分】、Lv.1)

こちらは(1)に比べるとラクです。集合の記号を使ってわざと遠まわしに書いていますが、z、5/zともに、実部と虚部が整数になるようなものを探してくれ、ということです。

式を入れるのか、数値を入れるのかも特に指定がなく、文脈判断といった感じですが、「オ」にはそのままa^2+b^2を、「カ」は、Mにも属するのでそれが「5」しか有り得ないという文脈でしょう。2乗して5になる整数の和は1、2しかありませんので、両方のプラスマイナス、および入れ換えで8通りですね。

全体のセットを考えても、これは落とせません。

第1問(3)・・・【微分法】、逆関数の導関数(B、10分【7分】、Lv.2)

受験生があまり勉強してこなさそうなところをつついてくる感じの問題です。逆関数の第2次導関数の問題。わかっている人にはどうってことのない問題ですが、差がつくところでしょう。

y=g(t) とすると t=f(y)なので、dy/dt=1/dt/dy です。出来た式はyの式です。この式をもう一度「t」で微分するので、まず「y」で微分し、うしろに「dy/dt」をかければOKです。 当たり前の変形をきちんとできたかどうか、といったところ。 y=g(t)ですから、求める関数は yのところをxに変えればOK。

とにかく微分しやすい文字で微分していき、後で調整するということですね。

※KATSUYAの解いた感想
(1)媒介変数か。なんか計算多そう。「ア」は加法定理で展開して気づいてさくっと終了。あとは一般的な話なので、素直に頑張って連立。βはあとから考える。係数を見て、4β^2か?いや、微妙に角度違うな。90°違いなら入れ換えやから4(1-β^2)にしろってことね。(2)「オ」はLの条件やから数値はいらんよな。「カ」で数値を入れるのね。分かりづらい
。あとはサクサク終了。(3)逆関数は問題もあまりないし、これでも差がつくな。意地悪な。上記方針に従って終了。解答時間計15(10+2+3)分。

 

☆第2問・・・【空間ベクトル】球面上の点、面積、内積、平面に垂直な条件、体積など(B、35分【24分】、Lv.2)

今年は2番はがベクトルで、全問穴埋めです。球面上の点を題材にしていますが、球面上というのはOA,OB,OCの長さが「r」であるという条件を遠まわしに書くための条件で、ほとんど使いません。

逆にこれに気づかないと、「コ」以外は全滅に近いと思われます。本問は差がついたかもしれません。

空間ベクトルについては、まずこちらの原則を常に、強く頭においておく必要があります。

Principle Piece B-50

 空間ベクトルでは基本ベクトルを3つおく

(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.62-63)

 

さらに本問は、文章を見ると長さの条件、面積、垂直、体積の求積問題もあるので、内積が絡むのが目に見えています。

 

Principle Piece B-51

 内積が絡む空間ベクトルの問題

 → 基本ベクトル3つの長さと、3つの内積の計6種を用意して準備を

(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.63)

 

6種を用意する必要があるということは、6つの条件式が必要であるということです。そのうち3つは明記されています。あとの3つが、「球面上にあるA,B,C」になります。本問はまさしく、この原則をきっちり意識していたかどうかで勝負が決まったと言えます。

最初の面積は平面ABCの話で簡潔しますので、AB,ACを基本ベクトルとすればOK。ここでついでにBCも出しておきましょう。BCを出せば、OB,OC,BCの長さがわかったことになるので、内積はOB・OCも出せます。こちらの原則です。

 

Principle Piece B-37

 3辺から内積を求める → 余弦定理そのもの

(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.63)

同じ原則で、OA・OB、OA・OCも出しておきましょう。これで6種そろったので、あとは基本的にはなんでも出せます。平面に垂直な垂直なベクトルはこちらの原則です。

Principle Piece B-56

 平面に下ろした垂線のベクトル

 [1] 平面上 → 1-s-t,s,t の係数設定

 [2] 両方に垂直なので内積の式を2つ作る

(拙著シリーズ(白) 数学B ベクトル p.75)

OPのPは平面上にないので、[1]は不要です。x、yの連立をしましょう。AH=OH-OA で、OHはOD+DHとすれば条件式も使えます。 さらにHがOAB上にあるということなので、OHベクトルの係数の和が1ということですね。

体積はおまけ(にしては計算量が多め)です。ここまでくればできるでしょう。

 

昨年の本学部のベクトルの問題を確認したところ、今年と使っていた原則がほぼ同じでした。

 

※KATSUYAの解いた感想
空間ベクトルか、最初は瞬殺。OB・OC?BCの長さはとりあえず出せる。球面上やから長さみんな「r」ってことか。ってことは「r」はずっと残ると。とりあえず同じ要領で他の内積を出し、準備OK。あとは問題文の順番に解く。出すものは比較的典型パターンが多いな。最初の条件に気づけることと、計算力。途中連立ミスでx、yをミスし、OPの長さの計算が超煩雑になったので見直し、途中の符号ミス発見。「シ」~「チ」まで全て修正。危ない危ない。これはかなりロス。解答時間20分。

 

☆第3問・・・【積分法】定積分と不等式、不等式と極限(CD、50分【36分】、Lv.3)

定積分と不等式を題材にした問題です。周期関数sinを入れた定積分の極限。一昔前に流行った印象の極限でしばらくみませんでしたが、ここに来て復活です。(京大2001、東工大1989、1994、1999(後期)、2004などに類題があります)

最初の「テ」「ト」はいいでしょう。ただ方程式を解くだけです。

(2)の証明も本学受験者ならOKかと思われます。f(x)の単調性を利用して、両側を積分可能な式で挟みましょう。

 

Principle Piece III-68

 定積分絡みの不等式 → 両側を積分可能な関数で挟む

(拙著シリーズ(白) 数学III 積分法 p.66-68)

(3)は、(F1)、(F2)の事実をうまく使って辺々を足せばOK。ここまで出来れば、とりあえずはOKでしょう。

(4)はこれまでの誘導があるとは言え、これを穴埋めでもってこさせるとはかなり思い切っています。逆に過去の題材などから深く研究をしている人にとっては、答えが一瞬で分かってしまいますが、知らない人は、不等式をちゃんと作ってまともに計算していかなければいけませんので、かなり時間がかかると思われます。

nが大きい→sinカーブの幅が狭い→面積はほぼ f(x) の積分値の2/π 倍ということです。2/πというのは、y=sinxの0≦x≦π の部分の面積と、そのグラフが収まる長方形(縦1、横π)の面積比のことです。


※KATSUYAの解いた感想
周期関数のn絡みか、全体を見渡し、以前はやったあのネタか。と思う。(4)って、まさにそのままやな。これ穴埋め?知らんかったらまず無理なのでは?と思いつつ、最初から。手が止まることはないが、添字が相変わらずいっぱいあると混乱する。最初は知っているので、サービス問題なので10秒で終了。ちゃんと書いたらかなりかかるが・・・解答時間20分。

☆第4問・・・【確率+極限】反復試行、条件付き確率、極限など(BC、35分【24分】、Lv.3)

今年の確率は、珍しく漸化式と絡んでいません。確率+漸化式で対策をとってきた人にはツライ問題ですが、(1)~(4)は全て単独なので、あきらめずに分かるものを取りたい。

最初はいいでしょう。数字の組み合わせを書き出せばOKです。1、2、3、4しかありませんので、書き出しましょう。なお、数値が違う場合は入れ換え可能なので注意。

(2)もまだまだいけます。ただの反復試行です。1、2、3、4が一回ずつ出るので、公式に当てはめるだけです。最大の数が3は、こちらの原則です。6^4-1296 など少々数値が大きいですが、本学受験者なら知っておくべき累乗の値です。

 

Principle Piece A-28

 最大、最小の考え方

 → 最大が3=(最大が3以下)-(最大が2以下

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.10-11)

(3)の「ノ」までは行きたいです。重複順列の考え方でいきましょう。例えば、1と2の2種類の場合は、1、2、2の3枚のどれを選んでもいいので3^nです。このうち、1ばっかり選んでいる1通り、2ばっかり選んでいる2^n通りは引けばOK。1と3、1と4も同様です。そして2と3、2と4、3と4も同様にやり、確率pnを求めます。

極限についてはきちんと説明するのはかなり骨が折れますが、分母は7^n以外はゴミ、分子は5^n以外はゴミ という感覚があれば答えにはたどり着けそうです。

(4)は少し難し目。k回目で初めて1が出るとして計算し、Σを取るという考え方が出来るかどうかです。Σを使って確率を求める問題が、KO理工は比較的好きなようですので、アンテナを張っていた人もいるかもしれません。

 

※KATSUYAの解いた感想
確率ね。漸化式は・・・あ、ないわ。今年は普通の確率なのね。(1)書き出し、(2)は公式使うだけ。簡単すぎ?(3)は2種類やから重複順列的にやればいいか。極限は、、、ちゃんと書くのはツライ。おおざっぱにいってしまおう^^; (4)「両方」だけならすぐなんやけどな。これは1が何回目に初めて出るかでシグマとるしかないな。シグマ取る問題、好きなのね、ここ^^; 解答時間24分。

 

第5問・・・【微積分総合】3次方程式の解の個数、面積、法線の個数など(BC、35分【20分】、Lv.2)

数学IIの微積分総合問題です。内容が難しいわけではないですが、体系的に(できれば結果まである程度)知っていないとかなり時間のかかりそうなものを、ポンポン穴埋めで聞いてくるので、演習量が少ないとどんどん時間とられます。

最初はこちらの原則を用います。

 

Principle Piece II-106

 3次式f(x)=0 の解の個数は、f'(x)=0の判別式Dと、極値の積で決まる

(拙著シリーズ(白) 数学II 微分法(2冊目) p.2)

左辺を微分した式は、α>0なので確実に2解を持ちます。その場合は、極値の積>0であれば解は1個です。従って、次のβ=「フ」というのは、極値の積=0、解が2個(重解1個)になるときですので、面積は準公式a(βーα)^4/12 を使えます。 接点は極値のときなので、解と係数の関係で残りの交点を出しましょう。

Principle Piece II-96

3次関数の接点以外の交点は解と係数の関係でサボる

(拙著シリーズ(白) 数学II 微分法 p.18)

(面積の答えがYとTで違いますが、Tは3次の係数18をかけ忘れていますので、Yが正解です。 17/02/14 3:58現在)

なお、このβやαはx軸との交点(接点)で、本問のα、βとは別。普通は係数にこんな文字を使いませんので、明らかにミスリードしに来ています。


(2)は法線に関する問題。こちらはチャートにもありそうな典型題です。法線絡みでは、交点にa+1/aのような形が出ることが非常に多いので、相加平均・相乗平均の関係が使えますね。

Principle Piece II-8

 相加平均・相乗平均が使える式の形を把握しておく

(拙著シリーズ(白) 数学II 式と証明 p.19 詳細は割愛)

最後は、法線の本数ですが、これが最初求めた方程式の解の個数に帰着出来ることがわかります。分母を払えば形がかなり似ているので、さすがに気づけるでしょう。ただし、こちらの方程式でαに該当する部分(1次の係数部分)が正とは限りませんので、ちゃんと答案を書くとすれば、1次の係数正、0以下で分ける必要があります。

なお、分けなくても答えだけなら正解はできす。時間的にも、ここは分けて考えた人のほうが少なそうです。

※KATSUYAの解いた感想
微積かな?数IIの微積?理工で?まいいか。解の条件は原則がある。面積も12分の公式使えるので、手が止まらずいける。後半も法線でパターン。法線の本数聞いてるから、最初の方程式に帰着かな。式変形してそれを確信。正だけで答えなら出せそうやな。一応、正と0以下で分けてみて大丈夫そうなので終了。最後は取りどころやな。解答時間11分。

 

4.対策~質の高い演習に加え、計算力の強化を~

標準問題を素早く解くには、入試の頻出パターンをなるべく早い段階で習得する必要があります。青チャートIAIIBは高2までに出来ればマスターしてしまいたいところ。分野的には、「微積分」に加え、「確率と漸化式」が頻出。確率については、今年のようにシグマ計算をさせて出すものも、KO理工ではよく見ます。

また、IIIの方も高3の夏までには一通り全分野が終了していないと、このレベルに対応できません。受験者層を考えると、高2までにIIIを終えている高校も多くあります。学校の進度が遅いような場合は、自分でやりましょう。教科書ガイドと青チャートがあれば進められます。

また、青チャートのようなものが終わったら、早めに入試演習に入りましょう。本学部の数学で点数をしっかり取るには、最終段階としては仕上げレベルまで必要です。こちらを解く際にも、本番の穴埋めのようにスピードを上げて解きましょう。

計算量が多い問題もよく出ます。多少拙いやり方で計算量が増えても、ゴリ押しする能力も必要です。

量をこなす演習:じっくり演習=7:3ぐらいですね。

以上です^^

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■関連する拙著シリーズ■

★ 数学A 確率 (第4問)

★ 数学A 整数 (第1問(2))

★ 数学II 微分法 (第5問)

★ 数学II 積分法 (第5問)

★  数学B ベクトル (第2問)

★ 数学III 極限 (第4問)

★ 数学III 微分法 (第1問(3))

★ 数学III 積分法 (第3問)

★ 数学III 複素数平面 (第1問(2))

★ 数学III 式と曲線 (第1問(1))

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