立命館大学 全学部理系 | 2017年大学入試数学

      2018/01/21

●2017年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(全学理系、2月2日実施)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2017年 大学入試数学の評価を書いていきます。

※入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。


2017年大学入試(私大)シリーズ。

立命館大学(全学理系、2月2日実施)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。


立命館大学(全学部日程:理系)(2月2日実施)
(試験時間100分、4問、穴埋め型)

1.全体総評~数学IIIの割合は昨年同様、大幅減のまま~

昨年、数学IIIの割合が大幅に減るという構成の変化が起こりましたが、今年もこの構成を踏襲した形です。例年に比べて数学IIIの割合が低く、相対的に出題割合の低い数学II、Bが今年も出題され、どちらも差の出やすい問題。2016年のことを考えて、IIとBを対策したかどうかで差がつきそうです。確率は比較的易しい。



試験時間100分に対し、
標準回答時間は115分【79分】(←穴埋め考慮)

 

2016年は107分【70分】(←穴埋め考慮)
2015年は125分【81分】(←穴埋め考慮)

 

第1問を除けば例年より計算量は少なかったと思われます。

2.合格ライン

第1問は本学受験者であれば出来れば欲しい。8問中6問確保。

第2問はキー問題。前半の「シ」までは行けるが、そこから先は出来が分かれるか。

第3問は「ヒ」までは最低確保。Qの対称性に気づけば「ホ」まで。最後の2つは計算との勝負。

第4問は落ち着けば取れそうです^^

第2問、第3問のどちらかは8割以上欲しい。これと第4問と第1問で65%ぐらいでしょうか。


3.各問の難易度

第1問・・・【積分法III】、ベータ関数、3次関数、6次関数とx軸との面積(BC、30分【20分】、Lv2)

今年の最初は数学IIIからの出題で、ベータ関数です。有名な関数で頻出なので、本学受験者であれば一度は経験済みかと思われます。

拙著シリーズでも扱っていますし、原則もきちんとあります^^ 定積分計算で漸化式を作るときは、部分積分で次数を1つずらします。

Principle Piece III-64

 定積分の漸化式は部分積分で攻める

(拙著シリーズ(白) 数学III 積分法 p.56-60)

 

[2]以降は、この結果を、多項式とx軸で囲まれる部分の面積に適用したいという考えです。x(1-x)を(x-α)(x-β)に変換する方法は、一度やったことがないと厳しいでしょう。なお、拙著では上記のページでベータ関数とともに、このタイプの積分も一緒に扱ってあります^^

「カ」が不明でも、裏ワザの「12分の4乗」公式で「キ」はなんとか出せますね。「ク」はベータ関数とのつながりが分からないと厳しいかもしれませんね。

 

※KATSUYAの解いた感想
2円で文字も2文字。計算はめんどくさそう。最初の条件は半径の和だけ考えればいいか。前半はなんなく終了。後半。交点出すのか^^;連立はめんどくさいな。ベクトルでたどろう。中点から、中心間の線分に垂直な方向に、、、ルートいっぱい出てくるけど、連立するよりはましか。ルートの中は相加相乗つかえるな。よしよし^^解答時間14分。

 

☆第2問・・・【図形と式+三角関数】、直線の式、面積、相互関係など(B、30分【23分】、Lv.2)

第2問は数学IIの図形、三角関数からの融合問題です。聞かれていることがあちこちに飛ぶので、締まりのない問題に見えますね^^; 文章もややこしく読み取れたかどうかで差がつきそうです。

最初の共有点はいいでしょう。点Rも、直線の式のyにsinを代入して解けばOK。「シ」は三角不等式になります。ー1≦「ケ」≦1を解くだけです。単純ですが、2回解きますので意外とかかるかも。どちらも合成です。

Principle Piece II-70

 合成の3条件 種類が違う 角度が同じ 1次である

(拙著シリーズ(白) 数学II 三角関数 p.44-45)

 

「ス」「セ」については差がつくでしょうか。sinとcosの関係式が1つでもあれば、sinとcosは決まります。相互関係と連立すればいいからです。物理などでもこれを知らずに詰まってしまう人が多いみたいです。気をつけましょう。

今回は、cosθ=t(1+sinθ) を相互関係に代入すればいけます。

 

「ソ」以降は話が少し変わります。最初の直線が点Q,点Rを常に通り、囲まれた図形が、円と直線で囲まれたただの弓型部分であることを読み取れるかどうかで、出来が分かれるでしょう。もう少し分かりやすい表現があったような気もしますが^^;

弓型部分は、扇形-三角形で出ます。劣弧で囲まれる場合と優弧で囲まれる場合で分けていますが、実は式は同じです。

sin(π/2+α)=cosα などは大丈夫ですよね。暗記するのではなく、図を書いて考えるんでしたね^^(拙著シリーズ(白) 三角関数の巻末にこれの練習帳があります^^)

 

 

※KATSUYAの解いた感想
P,Q,Rは瞬殺。シは不等式で解決。ス、セも相互関係と連立。後半は一読して「何言ってんの??」となる。とりあえず図を書くとただの弓型。なんだ。じゃあ簡単だわ。最後まで詰まることなく終了。意外とかかったな。 解答時間17分。

 

☆第3問・・・【空間ベクトル】、4点座標、平面と直線交点、長さ、なす角、平面に下した垂線、面積、体積(B、35分【24分】、Lv.2)

4座標型の四面体の体積を最後に求める、空間ベクトルの総合問題です。交点の座標をしょっぱなで、垂線の足を後半で出させたり、他にも聞けるだけ聞いてやる、という感じで問題になっています。やることが多い上に、成分も分数となるものが多く煩雑な計算を強いられますので、かなり時間がかかると思われます。

しょっぱなは交点です。直線に始点が入っているので、t倍で設定して係数の和に持ち込むと少しラクです^^

Principle Piece B-52

 直線と平面の交点 始点が直線上 → 実数倍と係数の和が1 

(拙著シリーズ(白) 数学B 空間ベクトル p.69)

M、MPについては計算するだけです。

後半では、Qもまた交点として求める必要がありますが、C、Dの対称性を考えれば、z座標だけ符号が違うと気づきたいです。気づかなければ、もう一度さっきの原則で求めるしかありません。Qがでればcos、面積までいけます。

最後は垂線の足です。こちらの原則に従いましょう。

Principle Piece B-56

 平面に下した垂線

 [1] 平面上にある (1-s-t,s,t)

 [2] 平面上の2ベクトルと垂直 

(拙著シリーズ(白) 数学B 空間ベクトル p.75)

 

ここまでの長旅の後でこれをさせられますので、ここまで耐えて計算があっていれば体積も出て、御の字ですね。

なお、CPMQは4点とも座標が有理数なので、体積も有理数です。検算に使いましょう。(計算0.9には記載済みです^^)ルートが残ったら途中で間違っています。間違っていたところで、これまでの計算を修正できるかどうかは気力との相談ですが^^;

 

※KATSUYAの解いた感想
私、途中で計算ミスしました。まずMPの平方完成をミスしたため、cosと面積をミス。垂線を出すところで疲れながらも計算をして、体積が有理数にならないと気づき凹む。まじか~どこやろ。一度第4問までやってから戻り、やりなおし。平方完成ミスとはダサい^^; 面積までは修正。後半は連立ミス?いや、連立はあってたけどその数字をCHに入れるときに計算ミスしてる。あまりにも値が変やから最初から見直したのに、実はほとんど合っていたか。解答時間18+12(やりなおし)=30分。

 

第4問・・・【確率】反復試行、条件付き確率(B、20分【12分】、Lv.2)

今年の確率は昨年よりさらに穏やかになったと思われます。ルールは長いですが、ただの反復試行です。最初の2つはいいでしょう。積は全部計算してかいておけばOK。

[2]がメインです。最初は10通りです。次の「ヤ」は、余事象が使えます。「モ」に加えて、辺の数の最小値が1である場合を引けということでしょう。

「ユ」もそんなに数はなく、丁寧に書き出せば問題ないでしょう。最後の条件付き確率も、「AであったときBである確率」という表現で計算方法をパターン化出来ている人には、簡単な問題です。

 

Principle Piece A-39

 条件付き確率の計算 

   分母:「とき」の前後

 分子:「とき」の前

(拙著シリーズ(白) 数学A 確率 p.32)

最後は確実に問題数稼ぎでしょう。約分いらないようですが、いるって言われたらそれはそれでイヤですね。


※KATSUYAの解いた感想

AさんとBさん、、、、いらなくね?ただ10点選ぶだけってことやろ^^; 条件的にはあまり計算では出せなさそう。まあ全部で100通りやから、カリカリ書き出してもそんなにかからないやろ。ということで[2]はほぼ書き出しで解決。最後は「??」10すら約分しなくていいのかな。まいっか^^;。ただの問題数稼ぎだろうし。解答時間9分。

 

4.対策~例年は数学IIIと数学Aが主~

今年は数学IIIの割合が例年に比べて低いですが、範囲は、主に「数学III」と「数学A」という印象。数学IIIの極限などでは、数列や三角関数などと融合されることも多いので、偏りなく勉強する必要があります。チャート(青色がいいでしょう)と、同レベルの入試問題集をたくさん練習しましょう。あまり数IIの勉強を怠ると、今年のようなセットに対応できませんので、ご注意を。

量をこなす演習:じっくり演習=7:3ぐらいでよさそうです。

以上です^^

 

※受験方式の多い大学です。過去問がご自身の受験する方式と合致しているかどうか、再度ご確認の上で購入しましょう。

 

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■関連する拙著シリーズ■


★ 数学II 図形と式 (第2問)

★ 数学II 三角関数 (第2問)

★ 数学III 積分法 (第1問)

★ 数学B ベクトル (第3、4問)

★ 数学A 集合と場合の数 (第4問)

★ 数学A 確率 (第4問)

★ 計算0.9 【IAIIB】 (計算練習帳です^^)

 

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