【後期】東北大学 文系| 2018年度大学入試数学

      2018/03/23

●2018年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は東北大学(文系)【後期】です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^  今回は、後期の評価を書いていきます^^

※現在頂いているコメントの数が非常に多いため、コメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。

 

 

2018年大学入試シリーズ(国公立)シリーズ。
東北大学(文系)【後期】です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





東北大学(文系)【後期】
(試験時間100分、4問、記述式)

1.全体総評~数列が2題、数Aから2題出題。難易度は丁度いい~

昨年より微易化という印象です。3年連続で後期文系は積分からの出題がなく、しかも今年はタイトル通り、かなり分野の偏った試験の印象です。問題としてはどれも適切な難易度なのですが、数II対策が空回りに終わる形になっています。



試験時間100分に対し、
標準回答時間は90分。試験としては適量ですね。

2018年:95分
2016年:90分
2015年:95分
2014年:115分

2.合格ライン

第1問は格子点の数で文理共通。文系でも全然おさえられる。

第2問も数列関連だが、キー問題。循環に気づけるか。

第3問は文理共通の確率で、(3)がキー問題。

第4問は整数の論証。(2)は経験がないと意外と厳しいか。

1番を押さえ、残り3問中2完弱あれば十分。ボーダーは65%ぐらいでしょうか。

 

3.各問の難易度

第1問・・・【2次関数+数列】格子点の数(B,20分、Lv.2)

理系とほとんど共通です。詳しくは理系のエントリーをご覧下さい。

違うのは(3)だけですが、(3)の式はただの2次関数ですので、平方完成してください。m=3.5は取れませんので、これに近い整数(m=3,4)で最大となります。

※KATSUYAの解答時間(3)だけ。2分。

第2問・・・【数列】方程式の実数解、虚数解の個数と漸化式(B、25分、Lv.1)

数列を係数に持つ4次方程式の実数解と虚数解の個数を次の項にするという、特殊ないルールの漸化式です。

(1)は実際にいくつかやってみて欲しいということです。2<k<3と、k=3が入っていないところもヒントになっています。方程式は4次、2次しか入っていないので、2次=「t」と置き換えると2次式です。また、定数「bn-k」は分離すると視覚化できます。

Principle Piece I-34

 文字定数入りの解の個数は定数分離で視覚化

(拙著シリーズ(白) 数学I 2次関数 p.48)

置き換えた「t」は0以上しか取れないことに注意。

2<k<3のときは、ぎりぎり頂点に当たらず、「t」として正の解を2つもちますので、「x」としては実数解4つ、虚数解0です。このように、置き換える→視覚化するを繰り返せば、(1)はできます。

(2)は、(1)をさらに繰り返し、a_1、b_1と同じ値に戻ったら、循環すると言えます。2<k<3の場合はこれでOKですが、k=3の場合も同様に循環するまで調べる必要があります。結構答案量としては増えますね。

理系でも4番に循環する数列ありましたが、今年は循環するのが好きみたいですね。

※KATSUYAの解答時間13分。コツコツ調べていくしかないと判断。詰まることはなかったが、途中で飽きるぐらい定数分離→グラフ書く→共有点視覚化をさせられる。

 

第3問・・・【確率】確率の最大値(B、20分、Lv.2)

理系と共通ですので、理系のエントリーをどうぞ。(3)は差がつきそうですね。



※KATSUYAの解答時間8分。

☆第4問・・・【整数】ピタゴラス数の性質(B、25分、Lv.2)

有名なピタゴラス数のなかには、素数でないものがあることを示す問題です。拙著シリーズの整数でも、ピタゴラス数はあなり体系的に扱っていますので、そちらで演習していればほぼ楽勝の問題でしょう。

等式から倍数の証明をする場合は、余りの等式で矛盾を導くのがいいでしょう。

Principle Piece A-58

 等式の絡むの整数問題 →余りの等式で不合理を導く

(拙著シリーズ(白) 数学A 整数 p.28-29)

(1)は少なくとも1つとあるので、背理法で全て奇数と仮定すれば左辺偶数、右辺奇数となり不合理です。

(2)も簡単です。ピタゴラス数のうち、1つは4の倍数であることが分かればOK。a,b,cが全て偶数の場合は、全部2で割っても成り立つので、最大公約数が1の場合だけ考えます。すると、a,b,cのうち1つが偶数の場合で、それが4の倍数であると分かればOKですね。

なお、2つが偶数なら残りも偶数で最大公約数が2なので、それも考えないことにします。


※KATSUYAの解答時間12分。

4.対策

基本的には前期と同じなので、前期のエントリーをご覧ください。数学I・A・II・Bまでですが、理系でも差がつくような難易度の問題も出題されますので、入試標準レベルまでこなしておきたいところです。

量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでしょう。

以上です^^
■他年度の、本大学の入試数学■


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※2011年は本大学は後期試験が実施されていません。

 

■関連する拙著シリーズ■


★ 数学A 確率 (第3問)

★ 数学A 整数 (第4問)

★ 数学I 2次関数 (第1問)

★ 数学B 数列 (第1、2問)

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