関西学院大学 文系(全学日程2/1) | 2020年度大学入試数学
●2020年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。
いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2020年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2020年大学入試(私大)シリーズ
関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
関西学院大学(全学部日程:文系)(2月1日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。
1.全体総評~6年連続で分野固定。計算量は多め~
全体的な構成が6年連続でほぼ一致です。第1問は2次関数と確率、第2問は数学II(微積以外)と数B(今年は空間ベ)、第3問が微積です。
量的には、第2問の数II、第3問の微積の計算量が少し増えました。最近2年は相対的に少なかったですが、量的には2017年以前に戻った感じです。
試験時間60分に対し、
標準回答時間は85分【64分】(穴埋め考慮)
2019年は72分【56分】(穴埋め考慮)
2018年は77分【60分】(穴埋め考慮)
2017年は94分【74分】(←穴埋め考慮)
2016年は88分【67分】(←穴埋め考慮)
2015年は82分【59分】(←穴埋め考慮)
2.合格ライン~今年は第3問の微積も計算力で差がつく~
第1問はキー問題。2次関数は差がつかないかと。確率は意外と差が付くと思われます。7つ中5つは欲しい。
第2問は(1)がキー問題。領域と最大最小だが、計算量は多め。(2)の空間ベクトルは欲しい。
第3問は今年はキー問題。(3)まで取れればかなり安心。
65%ぐらいでしょうか。
3.各問の難易度
第1問(1)・・・【2次関数】絶対値付き2次関数と直線、共有点の個数(AB、12分【8分】、Lv1)
もう6年も連続で2次関数からの出題。絶対値付きであるのも3年連続です。絶対値は中身=0となるxで場合分けしましょう。
交点は図を見れば分かります。2つの2次方程式式から1つずつ解が出ます。
後半は、2つの式それぞれで連立します。片方の解は0ですが、もう片方が場合分けした範囲に入っていればOK。なお、視覚的に接線の傾きを考えても出すことは出来ます。
☆第1問(2)・・・【確率】カード、条件付き確率(AB、12分【8分】、Lv.1)
こちらも5年連続でここに確率。今年はカードの問題で、油断するとミスしやすいです。
「オ」はいいでしょう。「カ」は、「白1が1枚+赤なんでも2枚」+「白2~5から1枚+赤1が1枚+赤2~4~1枚」です。
「キ」の条件付き確率は原則通り、分母が「とき」の手前、分子が「ときの前後」です。分子はAかつCですが、白1も赤1も取り出される時があるので注意が必要。
※KATSUYAは計5分で終了しています。今年の2次関数は簡単。確率のほうがひとひねりあるかな。
☆第2問(1)・・・【図形と式】不等式と最大・最小(B、24分【15分】、Lv.2)
領域と書いてありますので(笑)、領域の問題です。領域と書かれていなくても、条件が不等式なら領域で考えるのが原則。
領域Dを書いて、求めたい式=kとおき、kがグラフ上で何を表すかを考えれば前半、後半ともに解決します。前半はy切片が、後半は(5,5)との距離の2乗が絡みます。計算はちょっと多めですね。
☆第2問(2)・・・【空間ベクトル】両方に垂直なベクトル、平面上の点、距離の最小値(B、12分【8分】、Lv.1)
この位置には数Bが固定のようで、空間ベクトルが2年連続での出題。
(1)は両方に垂直なベクトル。教科書にあるパターンです。内積=0の式2つから成分の比を出しましょう。なお、3点とも軸上なので、逆比で行くという時短テクもあります。
(2,0,0)(0,1,0)(0,0,3)を見て、(1/2、1/1、1/3)//(3,6,2)と計算するということです。
(2)は平面上にあるので、一般的には1-s-t、s、tの係数設定です。しかし、今回はA,B,Cが軸上にあるので、切片型で平面の方程式を作ることがすぐにできます。こちらの方が速いですね。
(3)はただの距離公式です。t^2の2次関数になるだけですね。
※KATSUYAは計12分で解いています。領域の方にまあまあかかったかな。いつもよりはメンドウな気がする。
☆第3問・・・【微積分】3次関数の極値、交点、2つ面積の和(B、25分、Lv.2)
ここも、6年連続で微積分の分野から出題。接線が絡まなかったのはちょっと珍しいかも。
(1)ですが、問題文から条件式を2つ作ってください。x=-1で極値12をとる⇒x=-1で「極値を取る」ことと、x=-1で「12をとる」という2つの情報に分けましょう。a,bが出ればあとは微分して増減です。
(2)は交点なので、因数定理なりでf(x)=0を解きましょう。問題の感じから、解自体が汚いことは予想がつきますね。4乗和は対称式なので和α+βと積αβで表しましょう。
(3)を見ることで、4乗和を出した意味が分かるかと思います。なお、3乗和や2乗和も必要です。(2)のおかげで方針は立っているので、√の計算などはしなくて済みますが、計算過程は普段より長いです。
接線系の積分が出てこなかったので、裏技を使うことは今回は出来ませんでしたね。
KATSUYAは14分で終了しています。今回は接線なしなので、コツコツ計算するしかないわけね。4乗和、理系でもあった気がするな。
4.対策~固定化された分野を重点的に~
まずは、出題分野がここ3年固定です。2次関数、確率、ベクトルor数列、微積(3次関数、面積)+数学IIのどれか、という感じです。これらの分野を重点的に行いましょう。
難易度的には、センター試験に少し毛が生えた程度だと言っていいと思います。特別な難問を演習する必要はなく、レベル的には黄色チャートを繰り返すことでも十分対応できるでしょう。青チャートだと逆にお釣りがもらえそうですね^^
穴埋め問題に対応できるために、最低限の答案量で計算する練習もしておくことも重要です。
量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね^^
以上です。
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