関西学院大学 文系(全学日程2/1) | 2021年度大学入試数学

   

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。

いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。

2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。

2021年大学入試(私大)シリーズ

関西学院大学(全学日程文系:2/1)です。

問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。

☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。

同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。

関西学院大学(全学部日程:文系)(2月1日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型・・・記述式と穴埋め式が混合しているもの。

1.全体総評~2次関数以外は分野固定~

最初の2次関数が三角比に変わったこと以外は、構成が7年連続でほぼ一致です。第1問は三角比と確率、第2問は数学IIと数B(数列)、第3問が微積です。

量的には、第1問の(1)と第2問の数II、第3問の微積の計算量が多めですが、ここ数年では少なめのようです。昨年少し多かった反動でしょうか。

試験時間60分に対し、

標準回答時間は69分【57分】(穴埋め考慮)

2020年は85分【64分】(穴埋め考慮)

2019年は72分【56分】(穴埋め考慮)

2018年は77分【60分】(穴埋め考慮)

2017年は94分【74分】(←穴埋め考慮)

2016年は88分【67分】(←穴埋め考慮)

2015年は82分【59分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~今年は第3問の微積も計算力で差がつく~

第1問はキー問題。(1)(2)ともに意外と差がつくと思われます。特に確率は演習経験がないと最後はキツイ。

第2問は与えられたものを求めるだけなので、時間はかかるがコツコツ計算して取りたい。

第3問は今年はもキー問題。pの値が影響するので、(2)がとれるかどうか

65%ぐらいでしょうか。

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【三角比】空間上にある三角形の面積(AB、12分【8分】、Lv1)

6年連続で2次関数からの出題でしたが、今年は三角比から。受験生は虚を突かれた可能性があります。

題材は等稜四面体ですが、側面の三角形が全て直角二等辺であることに気づかないと、「イ」以降の計算量がかなり膨らむと思います。cosを出すには3辺が分かればOK。

3辺が分かっている場合は、余弦でcos、相互関係でsin、面積公式で面積の流れはお決まりですね。

☆第1問(2)・・・【確率】数字の積(B、10分【7分】、Lv.3)

こちらも6年連続でここに確率。今年はカードの問題で、積が2,3,6の倍数である確率の問題です。

2,3の倍数はいいですが、6の倍数は経験してないとキツイです。

積の確率の問題では、「●の倍数である」確率よりも「●の倍数でない」確率(余事象)の方が出しやすいことを頭に置いておきましょう。2,3などの素数では明白ですが、6=2・3のような場合でも当てはまります。

「6の倍数でない」=「2の倍数でない」または「3の倍数でない」になりますので、「エオカ」の結果を用いるだけで最後を出すことは出来ますね。

 

※KATSUYAは計8分で終了しています。三角比の方は直角二等辺に気づくのに少しかかった。(1)は差がつきそう。

 

☆第2問(1)・・・【方程式+対数+微分】対数関数の最大・最小、対数不等式(B、18分【12分】、Lv.2)

今年は対数が題材です。3次式が絡むため、微分や高次方程式との融合になります。

対数関数については、底があっていないなら、まず底を合わせます。底があっていないと、対数に関する諸公式が全く使えません。

文章を見る限りは、底は3に合わせるといいでしょう。真数部分が-(x+3)^2(x-2)になりますので、前半はこれを微分します。積の微分などを知っていると展開もせずに済みます。私大受験者は文系でも覚えておくべきでしょう。

後半は不等式です。右辺も底を3に合わせて、真数同士を比較しましょう。あとは左辺に寄せて、因数定理等で因数分解すればOK。

第2問(2)・・・【数列】等差数列、和の計算(A、9分【6分】、Lv.1)

この位置には数Bが固定のようです。今年は数列から。基本的な計算を行うだけです。

等差数列は、初項aと公比dで決まります。初項が分かっているので、和からdに関する式を立てればOK。和はただのシグマ計算です。

最後は分数式の和ですが、こちらは部分分数分解して望遠鏡型で計算しましょう。nまででなくて10までなので注意。

数列の和は、①シグマの公式、②等差×等比型ならS-公比Sを考える、③部分分数分解などの望遠鏡型のどれかしかありあません。①と②でないなら、③を考えましょう。

 

 

※KATSUYAは計7分で解いています。ここは昨年よりかなり短いな。昨年の(1)が重かったかな。

 

☆第3問・・・【微積分+三角関数】3次関数、接線、面積、三角関数、最大・最小(B、30分、Lv.2)

7年連続で微積分の分野から出題で、後半に三角関数も絡んでいますので、いつもよりボリュームが大きいと思われます。


(1)は接線を出し、他の交点を求めます。3次関数とその接線との交点は、解と係数の関係をうまく利用するんでしたね。なお、p<-3というのは、接点の方が交点より前にあることを示しています。

(2)は面積です。3次式をまともにこちらの面積もうまく計算したいところ。理系だと見かけやすい式変形ですが、文系の人も知っておいた方がいいと思います。

数値で例を示します。

(x-3)^2(x+2)

=(x-3)^2(x-3+5)

=(x-3)^3+5(x-3)^2

としてから積分すると、かなりラクにできます^^

(3)pが出たら一安心で、あとは三角関数がらみの3次関数です。

1次式の部分は合成を利用して範囲を出しましょう。①sinとcosがある、②角度が同じ、③1次式の3条件がすべてそろっている場合、迷わず合成しましょう。

あとは置き換えて3次関数に帰着させます。もういっかい微分の計算をするので、今年は結構大変ですね。

 

※KATSUYAは16分で終了しています。3次関数を2回も扱うあたりがメンドウでした。

 

4.対策~固定化された分野を重点的に~

まずは、出題分野がここ3年ほぼ固定です。2次関数(か三角比)、確率、ベクトルor数列、微積(3次関数、面積)+数学IIのどれか、という感じです。これらの分野を重点的に行いましょう。

難易度的には、センター試験に少し毛が生えた程度だと言っていいと思います。特別な難問を演習する必要はなく、レベル的には黄色チャートを繰り返すことでも十分対応できるでしょう。青チャートだと逆にお釣りがもらえそうですね^^

穴埋め問題に対応できるために、最低限の答案量で計算する練習もしておくことも重要です。

量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね^^

以上です。

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