慶應大学 看護医療学部 | 2021年大学入試数学

      2022/10/02

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は慶応大学(看護医療学部)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。



2021年大学入試(私大)シリーズ。

慶応大学(看護医療学部)です。





問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。




慶応大学(看護医療学部)
(試験時間80分、5問、ハイブリッド型)

1.全体総評~量が戻り難化~

量的に難化です。ここ昨年は減少気味でしたが、今年は2019年ぐらいに戻りました。

特に第2問の小問は時間がかかり、ここで時間を取られるとあっという間に時間切れになってしまうと思われます。解法が素早く思いつくものを判断して優先して解かないと厳しいセットです。


試験時間80分に対し、
標準回答時間は138分【95分】(←穴埋め考慮)

2020年は116分【79分】(←穴埋め考慮)

2019年は132分【90分】(←穴埋め考慮)

2018年は144分【100分】(←穴埋め考慮)

2017年は119分【85分】(←穴埋め考慮)

2016年は135分【101分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン

第1問は(4)までは押さえる。(5)はキー問題。(6)は少し計算がメンドウ。12個中9個は欲しい。
第2問は(1)は押さえたいところ。(2)は前半は押さえたい。後半は差がつく。(3)も少しメンドウ。11個中なんとか6個以上は欲しい。
第3問はデータなので、時間をかければ取れるはずなので、ここに時間を使って正解したい。
第4問のベクトルはキー問題。「ホマミ」が出ないとこれ以降全滅になる。
第5問はパターン問題なので正解したい。

時間的に全ては厳しいが、最初の第1問で7.5割、第2問は半分ぐらい7割、第3問と第5問を抑えれば第4問がダメでも合計70%弱ぐらいはとれそう。

3.各問の難易度

第1問(1)・・・【式と証明】二項定理(A,2分【1分】、Lv.1)

二項定理の問題で、教科書レベルの問題。指数は大きいですがさすがに大丈夫でしょう。

 

第1問(2)・・・【三角関数】三角方程式(A、3分【2分】、Lv.1)

基本的な三角方程式の問題。左辺は2(1-sin2θ)に変形できますので、sin2θ=1/2を解くだけですね。

 

第1問(3)・・・【数と式】対称式の値(A、3分【2分】、Lv.1)

2^aとその逆数に関する式の問題。Xと1/Xのパターンです。前半は2次方程式を解くだけ、後半は与えられた式を2乗するだけです。

Xと1/Xの対称式については、X+1/Xだけ分かればOKでしたね。

 

第1問(4)・・・【数列】階差数列、等比数列(A、4【2分】、Lv.1)

階差数列から一般項を求める問題です。a1が不明ですが、等比数列の項以外が消えるように調整すればOK。

☆第1問(5)・・・【整数】約数の個数から整数決定(AB、8分【5分】、Lv.2)

約数の個数が全部で6個になるような整数を求める問題です。

約数の個数が与えられている場合は、その個数を因数分解しましょう。6=2×3もしくは1×6ですから、整数は●×△^2の形か、●^5の形のどちらかです。(素因数分解の形)

一般的に前者の方が数値は小さくできることは知っていて損はないでしょう。なので最初は3×2^2、後者は5×3^2ですね。

第1問(6)・・・【複素数と方程式】4次方程式の解(B、10分【7分】、Lv.2)

4次方程式の解条件から係数などを決定する問題です。3次の場合は解と係数の関係を使うとかなり楽にできますが、4次なので使えないです。

やり方としては、1+iを代入して●+〇iの形にし、a,bの連立方程式を解くか、共役複素数の利用かです。後者の場合は、1±iが解になるx^2-2x+2=0から、x^2ー2x+2で割り切れることを利用します。

一般的には後者の方が楽で、割った商も出ます。他の解を出すならこちらの方がいいでしょう。

※KATSUYAの解答時間は7:49です。前回より多くかかっています。(6)が結構時間取られますね。

第2問(1)・・・【確率】反復試行、点の移動、条件付確率(A、12分【8分】、Lv.1)

確率の反復試行からです。入試基礎演習としては適切な設定な感じの問題ですね。

あり得る座標は4通りしかないのと、後半を考えるとあり得る座標は全部出す必要があります。反復試行では、1回あたりの確率と試行を整理しましょう。

最後の条件付確率は、分母は「とき」の手前、分子は「ときの前後」です。後今回は分母が距離が3以上、分子は距離が3以上かつ軸上にない、ということですね。

☆第2問(2)・・・【図形と式】円に引いた接線など(B、18分【12分】、Lv.2)

図形と式からで、円に関する総合問題で、手こずりやすいと思われます。

最初は円外の点から円に接線を引く問題です。一般的には接点を先において接線の式を作るのが原則ですが、今回はy軸上なので直線をy=mx+pと置いて、接する条件を出す方が速いと思います。文字pが入っていますが、pは残ります。

接点もいらないので、dとrの大小関係で攻めるのが一番早いでしょう。

最後の外接円は差が付きそうです。この手のタイプは、中心と中心、中心と接点を結び、台形の中にある直角三角形を作ります。あとは三平方の定理か三角比の利用などで攻めましょう。

 

☆第2問(3)・・・【2次関数】絶対値、定数入り2次不等式、(B、20分【12分】、Lv.1)

2次関数の分野からで、定数と絶対値の両方が入った2次不等式で、難易度を上げる要素(定数、絶対値)が両方はいっています。差がつくでしょう。

左辺の2次関数は全体に絶対値が入っていますので、x軸より下をクルっとひっくり返した形(魚の口のような形)になります。これとy=1とのグラフで考えることになります。右辺が定数ならグラフで視覚化するのが有効です。

aをいろいろ動かすとどうなるかですが、そもそも絶対値の中身の放物線がy=1より上のときもありますし、それより下のときもあります。まずはその場合分けです。最小値が1より大きければいいことになります。

次の場合分けは、不等式の解の形から2点で交わる場合と予測できます。x軸をまたいだとしても最小値がー1より大きければ、ひっくり返した部分はy=1に届かないので、2点で交わります。これが「ニ」です。

これを超えると、もとの関数とも、ひっくり返した関数とも2点で交わりますので、4点とも交点を出して、あとはグラフを見て範囲を丁寧に書くだけです。

グラフをまともに書こうとするとしんどいです。x軸だけ書いて、放物線を上下させるイメージが出来れば勝ちだったと思います。(横方向の移動は関係ないのでy軸不要)

 

※KATSUYAの解答時間は10:11です。昨年よりはやはりかかっていますね。

☆第3問・・・【データ分析】箱ひげ図の選択、データの追加(AB、18分【12分】、Lv.1)

データ分析からで、散布図のデータから適切な箱ひげ図を選ぶ問題です。

まず、箱ひげ図からは、大したことは分からないと認識しておきましょう。分かるのはせいぜい、最大値、最小値とQ1、Q2、Q3です。この違いを見て判断します。また、選択肢を見て、共通部分は無視して違うところだけを見ましょう。

(1)、最大値と最小値はみな同じです。1回目はQ3も同じので、見るのはQ1とQ2だけです。2回目については、Q2とQ3だけを見ればOK。

(2)は差がつくか。測定結果の合計ですが、全データについて足すのはキツイです。(思いつかなくて、かつ時間があれば入試ではやってほしい!点数を取るためなら30個ぐらい足しましょう!)

合計については、傾きー1の直線を引く(x+y=kを引く)ことで合計が同じになるものはわかりますので、これで大小を視覚化できます。選択肢的に、今回は最大値、最小値、Q1、Q2、Q3全部見ないと判断できません。

(4)はデータを1個追加しただけですので、平均は計算するだけで、中央値も(3)ができていればすぐに判断がつくでしょう。

※KATSUYAの解答時間7:19です。データは時間をかければ解けますので、慎重に。

☆第4問・・・【空間ベクトル】直線と平面の交点など(B、20分【13分】、Lv.2)

空間ベクトルの問題です。座標が与えられて直線とxy平面との交点や、一直線上にある条件など総合的に聞いてきます。

最初の面積は面積公式で片づけましょう。

2段落目からがメイン。設定に従って、PP’上の点などを表します。直線上の点は(1-t)OP+tOP'で表してもいいし、今回は、OP+tPP’で表す方が楽です。(PP'=QQ'=RR'=vベクトルなので)

これで直線上の点を表し、xy平面との交点なので、z座標=0とすればOKです。正三角形の条件は、3辺が等しいでOKですね。

最後の一直線上にある条件と言われたら、実数倍条件ですね。最後に三角形の面積を再び聞いてきますが、平面で成分表示のときは1/2|adーbc|の公式を使うほうが楽です。

※KATSUYAの解答時間は10:28です。一直線条件でケアレスミスし、aが出なくて交点ミスったのかな?と思い最初からやり直したのでほぼ倍かかってます。

第5問・・・【微積分】3次関数の決定(B、20分【20分】、Lv.2)

題材的にはここはずっと微積分ですが、面積が絡んでいないのは2年連続。今年も数式だけの問題です。

(1)は典型パターンです。上端にxが入っている場合は、両辺微分する+上端と下端を等しくして0の2つを用います。

(2)は3次関数F(x)の決定です。「x=1で極大値5になる」という条件式は、「極大値になる」+「5になる」に分解して2つ条件式が作れますので注意。したがって、極大点と極小点の座標が出れば条件式は4つ作れますので、3次関数は決定します。

x=1、2で極値なのでF'(1)=F'(2)=0です。ここからF'(x)=a(x-1)(x-2)とおけますので、文字数がだいぶ減ります。それからF(1)=5とF(2)=4を求めましょう。

もし穴埋めなら、3次の係数は一瞬で2であると分かります。極値の差=極値をとるxの差の3乗となる場合、3次の係数は2です。早慶受験者なら必須、MARCH受験者でも強くおススメします。(黄か青チャートなら極値の差というとことで、詳しく乗っているところがあると思います)



※KATSUYAの解答時間は5:14です。

 

4.対策

小問が多いこともあり、分野的にはまんべんなく出ます。特に数II、Bはほぼ全分野から出題されるといっていいでしょう。確率も忘れずに。

決して難しいわけではありませんが、スピードがないと時間内には解き切ることができませんので、典型問題を見たら直ぐに手を動かせるレベルまで、原則の習得が必要です。数値が汚い問題も結構ありますので、普段から計算はひるまずに行うようにしましょう。チャートは、青ならお釣りきますね^^

量をこなす演習:じっくり演習=9:1ぐらいですね。

以上です^^

 

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