立命館大学 全学方式理系 (2/2) | 2021年大学入試数学

      2022/02/02

●2021年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は立命館大学(全学方式理系:2/2)です。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2021年 大学入試数学の評価を書いていきます。

※コロナ禍ということもあり、健康・体調の維持を最優先しておりますので、更新がゆっくりめになると思います。


2021年大学入試(私大)シリーズ。

立命館大学(全学方式理系:2/2)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。


また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。

※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。


同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。


立命館大学(全学方式理系:2/2)
(試験時間100分、4問、穴埋め型)

1.全体総評~微積なしで大幅に易化~

超がつくほどの大幅易化です。第2問以降数IIIが絡んではいますが、微積が全く出ず、メインが数IIIなのは第3問ぐらいです。どの問題も簡単化、といわれればそんなことはないですが、立命館理系のレベルとしては最易かと思われます。。

出題範囲は、例年IIIAがメインですが、今年はIIIがかなり遠慮している感じです。三角関数系統が多いですね。

試験時間100分に対し、
標準回答時間は75分【51分】(←穴埋め考慮)

2020年は105分【72分】(←穴埋め考慮)

2019年は125分【81分】(←穴埋め考慮)

2018年は125分【84分】(←穴埋め考慮)

2017年は115分【79分】(←穴埋め考慮)

2016年は107分【70分】(←穴埋め考慮)

2015年は125分【81分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~今年はかなり高いか~

第1問は本学受験者であれば落とせません。8/8が目標で、落とした分だけ差をつけられるでしょう

第2問も本学受験者なら経験のある問題のはず。ここも第1問ほどではないですが、落とせないです。10/10ならちょっと差がつくか。

第3問、第4問がキー問題。とはいえ、第1問、第2問にかかる時間を考えると、十分に時間があるハズ。全部で約20個ある穴埋めですが、13個ぐらいは欲しいか。

31/39が目標。単純な正答数なら8割近くほしいところです。

3.各問の難易度

第1問・・・【場合の数+確率】最短経路、条件付き確率(AB、10分【7分】、Lv.1)

立体図形になっていますが、ただの最短経路の問題で、後半は条件付き確率です。傍用問題集に掲載されるようなタイプとは言い難いですが、入試としては基本。立命館理系の入試としては基本中の基本レベルになってしまいそう。

[1]の(a)はいいでしょう。最短経路は組み合わせで計算します。(b)も立体になっただけなので、「右右奥奥上上」の並び変えとかで出来ます。(c)は切れている経路を通る方法を全体から引きます。経路の問題では、通る経路の方が計算がラクです。

[2]は確率ですが、全経路が同様に確からしいということで、難易度は大幅に下がっています。最後の条件付き確率は、分母がA→P→C、分子はA→P→R→Cです。分母が「とき(条件)」の手前、分子が「とき(条件)」の前後ですね。

 

 

※KATSUYAの解答時間は2分強です。昨年が14分でした。この時点で、「あれ、立命館ってもっとしんどかったような^^;」とか思ってました。

第2問・・・【図形と式+2次関数+2次曲線】放物線と定点の距離の最小値(B、15分【10分】、Lv.2)

分野的にはいろいろ融合されているように見えますが、全然難しくありません。放物線が横になっているなので、数IIIの2次曲線を一応入れておきました。

本サイトの「入試標準演習」タイプにならそのまま載ってそうな題材です。

放物線上の点と定点との距離が最小になるのは、その定点の場所によって変わると言うことです。放物線と円が接する条件みたいなタイプも、ほぼこれと同じですね^^

本問は誘導なので難易度は落ちています。距離を求めるとルートの中が2次関数になります。「a」が入っているので、軸の位置で場合分けして求めましょうということですね。

 

 

 

※KATSUYAは4分弱で解いています。ここも昨年の半分ぐらいで終わっています。大学間違えたかと思ったぐらいです。

 

☆第3問・・・【複素数平面】5乗根と式の値(B、30分【20分】、Lv.3)

唯一のまともな数IIIの大問。しかも微積じゃない^^;題材は5乗根を利用した式の値の計算です。ようやく立命館らしい難易度になってきたかな、と。

最初はいいでしょう。5θ=2kπと第一象限と言う条件で決まります。「イ」はω^5-1の因数分解です。

「ウエオカ」は、解と係数の関係のように行うのがいいと思います。どれも1になりますね。

別解としては、=0としたときの解が1/ω、1/ω^2、1/ω^3、1/ω^4ですが、1=ω^5なので、結局4解はω、ω^2、ω^3、ω^4です。従って、「イ」の左辺をzに変えるだけでできるはずですね。

「キ」は複雑な式に見えますが、導入がありますので、それに従います。「ウエオカ」で得た式にそれぞれ代入して足す、ということですね。結局1の部分だけが5つ残り、5と分かります。

後半は、最初の4項の掛け算で「ウエオカの式」が、最後の掛け算の項(1ーα)なので、結局1-α^5になります。5乗なら偏角は5倍で30°ですので、計算できます^^

最後の式の値も、誘導文からみても、通分すると分母が(※※)、分子が(※)の式になるのは容易に見えますので、あとは分母にある複素数を実数化して終わりですね。

誘導がないとかなり難しい(Cレベルかな)ですが、誘導があれば難易度はかなり下がりますね。

※KATSUYAは13分で解きました。立命館らしくなってきたかな。でもまだマシな気がするけど。

第4問・・・【三角関数+極限】n倍角と多項式、極限(B、20分【14分】、Lv.2)

最後は三角関数からで、極限がちょろっと絡んでます。n倍角をcosに関する多項式で表すとどうなるか、という問題です。

最初の極限は出来ると思います。x→1-0ということは、θ→0ということです。sinの方は、sin●/●の極限が1になることを利用し、無理やり合わせていくんでしたね。

次がメインだと思いますが、「加法定理を用いると」って書いてあるので、そのまま従えば終わりです。sinθsinnθの部分は、Un(cosθ)・sin^2θ=Un(cosθ)(1-cos^2θ)とすると、cosθだけになりますね。

次に、2つの式からUn(x)の3項間漸化式を作ります。2番目からTn=・・・の式にできるので、nを1つ挙げてTn+1=・・・も作ります。この両方を1番目の式に代入しましょう。

連立漸化式は、このような要領で3項間漸化式に直すことが出来ますので、覚えておくといいと思います。

漸化式が出たらU1~U4まで出すだけです。あとは当てはまるようにキクケコを計算しましょう。最高次数がすぐ決まるので、係数計算はラクです。

 

 

※KATSUYAは11分弱で解きました。「エ」の符号をミスり、「カ」を含む式が合わなくなったので戻りロスが発生しています。8分ぐらいでいけたかな。

 

4.対策~数学IIIと数学Aを中心に~

今年こそ微積が全く出ませんでしたが、「数IIIと数A」という傾向は継続すると思われます。数Aは確率、整数両方マークしておくべきでしょう。

ただし数学IIIの極限などでは、数列や三角関数などと融合されることも多いです。(今年も例にもれず)「IIIに取り組みつつ、IIBの公式などで不安が見つかったら、その時点でIIBの学習もやっておく」というスタイルがよさそうです。チャート(青色がいいでしょう)と、同レベルの入試問題集をたくさん練習しましょう。あまり数IIの勉強を怠ると、今年のようなセットに対応できませんので、ご注意を。

量をこなす演習:じっくり演習=7:3ぐらいでよさそうです。

以上です^^

※受験方式の多い大学です。過去問がご自身の受験する方式と合致しているかどうか、再度ご確認の上で購入しましょう。

 

■他年度の、本大学の入試数学■

>> 
2010年度

>> 
2011年度

>> 
2012年度

>> 
2013年度

>> 
2014年度

>> 2015年度

>> 2016年度

>> 2017年度

>> 2018年度

>> 2019年度

>> 2020年度

 - 2021年度大学入試数学 , , , , , ,