関西大学 文系(2月2日) 数学 講評| 2024年大学入試数学

      2024/02/08

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●2024年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(文系、2月2日実施)です。


2024年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(文系、2月2日実施)です。


問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。

また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。



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関西大学(文系、2月2日実施)
(試験時間60分、3問、ハイブリッド型)

※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~安定して例年並み~

難易度は例年並みです。普段はⅡB中心の傾向が強めですが、今年は三角比が大問1に出て、これが記述問題でした。それを含めても全体的に基礎~標準レベルで、きちんと勉強していれば満点も狙えるセットですね。なお、今年は数学B(+ベクトル)からの出題がありませんでした。

試験時間60分に対し、標準回答時間は48分【37分】(2/2実施)

2023年は48分【38分】(2/2実施)

2022年は51分【39分】(2/2実施)

2020年は51分【40分】(以下、2/7実施)

2019年は50分【37分】

2018年は45分【34分】

2017年は48分【37分】

2016年は46分【36分】

2015年は40分【33分】

2.合格ライン

第1問は(1)が意外と戸惑うかもですが、おさえたい。

第2問はキー問題。因数分解が出来ないと④以降全滅なので、結構差が出そう。

第3問は問題文に素直に従えば行けるはず。最後まで詰まることはないハズ。あとは計算力。

第2問の後半が取れない場合は第1問、第3問を出来るだけ完答したい。7割ぐらいでしょうか。

3.各問の難易度

第1問・・・【三角比】三角形条件、外接円の半径、内接円の半径(AB、15分、Lv.1)

今年はここが記述問題でした。三角比からの出題です。内容的にはどれも入試基礎レベルで、きちんと勉強していればまず手が止まることはないでしょう。

(1)は意外と戸惑うかもですが、拙著シリーズ『Principle Piece ~三角比~』できちんと公式として、抜かりなく取り上げています。受験生の皆さんがこういうところで点数を落とすことを知っていますので。

三角形成立条件は、各辺について、他の2辺の和未満であるという式を立てればOK。絶対値を使って書ける人はそれでもOK。

(2)3辺の長さが与えられている+余弦の値なので、迷わず変形余弦ですね。出た答えが(1)の範囲に入っていることの確認は一言書いておきましょう。

 Principle Piece 

 正弦定理・余弦定理の使い分けの判断を

(詳細は割愛。具体的には拙著シリーズ 数学I 三角比 p.33 参照)

(3)は3辺と1角のcos分かっているので、外接円はsinにして正弦定理です。また、内接円は面積媒介ですね。基本的な原則です。

 Principle Piece 

 内接円絡みの問題は面積媒介

(詳細は割愛。具体的には拙著シリーズ 数学I 三角比 p.51 参照)

※KATSUYAの解答時間は7:30です。

☆第2問・・・【複素数と方程式】方程式、因数分解、高次式の値(B、18分【12分】、Lv.2)

複素数と方程式の総合問題。良問かどうかは分からないですが、適度に差が付きそうな問題だと思います。

最初はすなおに展開計算していくだけです。実部、虚部を比べて連立しましょう。

次の4x^3-9x^2+49の因数分解ですが、因数定理を用いて候補を探しても出来なくはないです。その際はこちらの原則に従います。

 Principle Piece 

 因数定理の代入候補は±1、次に ±定数項の約数/最高次の約数

(詳細は拙著シリーズ 数学II 複素数と方程式 p.24 参照)

今回は1次式が(4x+〇)となっているので、●の方は49の約数である±1、±7、±49が入ります。ただ、計算はメンドウです。

そこで、問題文の利用に気づきたいところ。この式はx=2+√3iを入れるとゼロになる式です。従って、4x^3-9x^2+49=0は2+√3iを解に持ちます。共役で2-√3iも解になります。あとは解と係数の関係で、簡単に残りが-7/4と分かりますね。

こちらの原則に素直に従っただけです。ただ、問題文が絶妙に遠回しなので差が付きそうですね。うまい設定です。

 Principle Piece 

 3次方程式の解情報の問題は[1] 共役も解  [2]解と係数の関係  の利用

(詳細は拙著シリーズ 数学II 複素数と方程式 p.34 参照)

最後は高次式の値ですが、わざわざ先に割り算して商も余りも出させているので原則が見え見えですね。

 Principle Piece 

 高次式の値は次数下げか割り算で

(詳細は拙著シリーズ 数学II 複素数と方程式 p.38 参照)

今回はP(x)のところにx=2+√3iを入れると0になるので、余りだけが重要だと分かります。

 

※KATSUYAの解答時間は8:00です。④の因数分解、意外と迷った。問題文の流れに気づいたのでセーフ。

第3問・・・【2次関数+積分】2次関数総合、面積(B、15分【10】、Lv.2)

最後は2つの放物線を題材にした2次関数と積分の問題。いろいろ聞いてきますが、繋がっているので分かっているとやりやすい。ただし、最初でミスると芋づるで全滅するタイプでもあるので注意。

最初は放物線の係数決定。置き方に惑わされないように。頂点の情報があるなら平方完成型がいいですよね。というより(1)で、そのようにしろと言っているようなもんですね。p、qとおく意味がほぼないですが、穴埋めだとこういう聞き方になります。

(2)は連立して判別式でOK。

(3)(2)の方程式の2回の差です。ただの差の場合は解の公式で出して引けばいいでしょう。

(4)はその根号の中の最大値。平方完成するだけです。

(5)最後は面積。面積は交点と上下関係に注意しますが、今回は交点ではなくー1~0と決まっているので、その区間でどっちが上かがわかればOK。上下の入れ替わりもなく、簡単ですね。

 

※KATSUYAの解答時間は5:55です。穴埋めの問題より簡単な気が^^;

4.対策~IIBを中心に典型問題を徹底演習~

難易度的には共通テスト程度です。むしろ設定はシンプルで文章はそんなに長くないので、共通テストより気持ち的にはラクなのではないかと。

段階としては、原則習得として黄色チャート(青チャートであればお釣り来るかと)、その次に入試基礎演習段階まで行いましょう。

これが終わったら、なるべく早めに過去問に触れて実践演習を行いましょう。日程が違うものも形式は似ていますので、数をこなすことができます。

拙著「Principle Pieceシリーズ」であれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、そのまま過去問に接続できます^^

(※量をこなしたい場合は、さらに入試基礎演習の問題集は必要です)

量をこなす演習:じっくり演習=10:0でOK。

以上です^^

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)

数学I Chapter3~2次関数~ (第3問)

数学I Chapter4~三角比~ (第1問)

数学II Chapter2~複素数と方程式~ (第2問)

数学II Chapter7~積分法~ (第3問)

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