九州大学 文系数学 講評| 2024年度大学入試数学
2024/03/04
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●2024年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は九州大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2024年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2024年大学入試(国公立)シリーズ。
九州大学(文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
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九州大学(文系)
(試験時間120分、4問、記述式)
1.全体総評~質量ともに減少し易化~
理系同様に易化しました。去年の確率と漸化式のような難問もなくなりました。前半の2問は易しく手がつくし、後半の理系との共通問題も片方は難しくなく、もう片方も途中までは解ける。
分野的には、グラフ主体の微積、ベクトル、整数、場合の数です。今年は確率が復活し、あとは微積と数Bという感じでした。
試験時間120分に対し、標準回答時間は73分。
2023年:105分
2022年:105分
2021年:90分
2020年:95分
2019年:88分
2018年:75分
2017年:85分
2016年:115分
2015年:85分
2014年:110分
2013年:100分
2012年:130分
2011年:105分
2010年:120分
2.合格ライン
第1問は2放物線の共通接線。超典型問題で落せません。
第2問もただの計算問題。与えられた条件を素直に式にするだけなので取りたい。
第3問は文理共通の整数でキー問題。(3)は意外と思いつきにくい。
第4問も共通問題だが、これはただの数え上げなのでおさえたい。
第1,2,4問を確保し、第3問は途中まで。今年は70%ぐらいは欲しいかも。
3.各問の難易度
☆第1問【微積分総合】2放物線の共通接線、面積(B,20分、Lv.2)
2放物線の共通接線を求め、面積を求める問題で、典型的かつ基本的な微積分総合問題です。文系でもこれは落とせませんね。拙著にもほぼ同じ類題が載ってます(拙著シリーズ 数学Ⅱ 積分法 例題23)。
(1)は原則通りです。どちらも接点をおいて接線の式を作り、比較します。
(詳細は拙著シリーズ 数学II 微分法 p.61 参照)
今回は両方放物線なので、片方だけ接点設定して接線の式を作り、もう片方と連立して重解条件でもOK。
(2)は(1)の接線と書く放物線の接点を求めます。重解を持つことが合っていることの確認になります。持たなければ(1)を見直し。あとは放物線同士の交点。2次の係数が同じ場合、x座標は2つの接点真ん中になります。これも検算になります。(検算の方法もちゃんと拙著に記載してあります)
面積は接点絡みなので、こちらの原則でラクに積分しちゃいましょう。
(詳細は拙著シリーズ 数学II 積分法 p.33 参照)
※KATSUYAの解答時間は6:41。がっつり拙著にも載っている問題。なのに(1)の接線の計算最後ミスって(2)で重解持たなくなった^^;もちろん見直して修正。
第2問【平面ベクトル】条件を満たす点の位置(A,15分、Lv.1)
平面ベクトルの基本問題です。なんか定式試験にも出そうな感じの問題ですね。
(1)はBの座標ですが、座標を置き。最初の問題文の条件を式にするだけです。さすがに自分で置くことには気づけるでしょう。垂直条件から内積ゼロを使うには、文字でおくしかないので。
(2)はすでにs,tで置かれているので、Cの座標をs,tで表し、面積は1/2|ad-bc|の公式ですぐに出せます。Oが入っているので簡単ですね。s=tが分かれば、あとはOC=4に入れるだけです。
※KATSUYAの解答時間5:11。さすがにちょっと簡単な気が^^;
第3問【整数】階乗絡みの方程式の整数解(BC、25分、Lv.2)
理系との共通問題です。詳しくは理系のエントリー(第3問)をご覧ください。(3)は文理ともに思いつかないと、答えの予想止まりかもしれません。
第4問【場合の数】一直線上に並ぶ3点以上の選び方(AB、15分、Lv.1)
理系との共通問題です。詳しくは理系のエントリーをご覧ください。こちらはコツコツ数えて文理ともに正解したい。
4.対策
昨年、文系もあまり最近のレベルを前提とした対策は避けましょうといいましたが、正解だったのではないかと。2022年と2022年、2023年の難化傾向はいったん収まっています。もちろん難しい年に合わせて対策を取れればそれが一番いいですが、数学だけをやればいいわけではないです。特に文系ですから、他の科目の事も考えて、例年レベルで合格点+αがとれる対策をしておけばいいでしょう。
頻出分野は微積、確率、整数です(2021年、2022年ともに数IIが多めでした)。確率は理系のものもやるといいでしょう。
Bレベルの問題が確実に解けるように、基本手法を身に付け、それを2、3個組み合わせられるようになりましょう。3年の頭には、入試基礎演習にとりかかりたいですね。
なお、拙著『Principle Piece』シリーズであれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、この後にもう入試標準演習の問題集に接続可能です^^
量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいでしょう。
以上です^^
■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(ほぼ全分野揃ってます!)■
数学A Chapter1~集合と場合の数~ (第4問)
数学A Chapter3~整数~ (第3問)
数学II Chapter6~微分法~ (第1問)
数学II Chapter7~積分法~ (第1問)
数学B・C Chapter3A~平面ベクトル~ (第1問)
すでに原則習得の参考書をお持ちの方は、こちらがおススメ
※2023年末時点で販売中のもののみ記載しています。最新販売情報はこちらからどうぞ^^
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