東北大学 文系数学 講評| 2024年大学入試数学
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●2024年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は東北大学(文系)です。
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2024年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2024年大学入試(国公立)シリーズ。
東北大学(文系)です。
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。
したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。
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東北大学(文系)
(試験時間100分、4問、記述式)
1.全体総評~文系にはちょっと苦しいセット~
理系同様に難化です。マシなのは文理共通の第1問ぐらい。第3問の共通は文系だと意外苦戦し、残り2問のうちマシなのは第2問。第4問も演習経験が十分ないと最後まではすっといかないでしょう。昨年よりは点数が取りにくいセットだと思います。
分野は、図形、不等式、微積分、数列です。確率からは出題がありませんでした。
試験時間100分に対し、標準回答時間は90分。時間は変わらないですが、微妙に苦しい問題が多い。
2023年:91分
2022年:80分
2021年:90分
2020年:90分
2019年:95分。
2018年:80分
2017年:110分
2016年:85分
2015年:100分
2014年:110分
2013年:90分
2012年:105分
2011年:90分
2010年:125分
2.合格ライン
第1問は文理共通で基本的なのでしっかりおさえたい。
第2問が意外とキー問題か。方べきの定理が意外と詰まるかも。
第3問は文理共通問題ですが、文系だとキー問題になるかも。
第4問もキー問題。(2)までは行きたい。(3)が出来れば(4)も出来るが、どこまでたどり着けたか。
まず1番を確保し、なんとか残りをかき集めて1完半ぐらいを目指したい。60%強ぐらいですかね。どれかもう1完出来れば勝ち確かと。
3.各問の難易度
第1問【微積分】接線、面積(B,20分、Lv.2)
第1問は文理共通の数Ⅱの微積分の問題です。詳しくは理系のエントリーをご覧ください。文理ともに落とせない問題です。
第2問【平面図形、三角比(関数)】方べきの定理、長さの積など(B、20分、Lv.2)
平面図形の問題です。去年も2番が平面図形でしたが、今年も平面図形から。方べきの定理の証明など、数Aの平面図形を完全に避けているともしかしたら出来ない可能性のある問題で、盲点かもしれません。
(1)は加法定理でもいいし、直角三角形でもいいです。
(2)は(1)を利用するだけです。図をかけば、OAもOBも、dとtan75°の値を使って表せます。AB=6にあてはめれば全部出ますね。数学Iの三角比の問題にありそうな感じです。
(3)はただの方べきの定理の証明ですが、文系だと平面図形の学習をしてなくて出来ない人が意外といるかもしれませんね。基本的に円絡みは相似(二角相等)によって解決することが多いです。
(4)は(3)を利用するだけ。ADとBDさえ出せばOK。どちらも2重根号を外すタイプの問題ですね。15°系、75°系の斜辺は2重根号外せます。外し方はさすがに大丈夫ですね。
(詳細は拙著シリーズ 数学I 数と式 p.42 参照)
※KATSUYAの解答時間は9:02です。今年も。
☆第3問【対数】不等式の証明、対数不等式の整数解(B、20分、Lv.2)
こちらも文理共通問題です。詳しくは理系のエントリー(第2問)を下さい。
文系だと(2)を(1)とつなげられたか意外と難しいかもしれません。
第4問【数列+整数】連立漸化式、1次不定方程式の整数解(BC、30分、Lv.2)
(1+√2)^n を題材にした問題の連立漸化式で、最後はそれを利用して整数解を求める問題です。後半はちょっと難しいかもしれません。(4)は最悪(1+√2)を6乗まで計算し、b_5とb_6を出して、まともに1次不定方程式を解くという強引な方法もあります。
(1)はよくあるパターンなので大丈夫でしょう。
(2)は帰納法とあるので、それに従います。その際に、(1)の漸化式が使えます。直接しますときは二項定理の展開項を考えます。
(3)は意外と難しいかもしれませんが、(1)と(2)によって直接bnを出してしまい、強引に計算してしまうのが最も泥臭いですが、思いつきやすいかもしれません。
私は、いくつか求めて公比ー1を予想し、nを1つ上げた式を式変形する方針を取りました。その際、2つの漸化式を利用してbnだけの3項間漸化式を用意する必要があります。なお、もっとうまくやると、(1)と(2)で出した項の積になることが示せます。
(4)は(3)を用いて、p=b_4、q=b_5とすると-1となりますので、符号を変えることで1つ解が見つかります。あとは1次不定方程式の原則に従うだけです。
(詳細は拙著シリーズ 数学A 整数 p.37 参照)
もし流れに乗れなくても、6乗ぐらい計算してb5とb6を出せば(4)だけを解くことは出来ます。70と29なのでユークリッドを使って探す方法もありますが、片方が10の倍数なので、29の方に1,11,21…と入れていけば比較的すぐに見つかります。
入試では1点でも多く稼ぐことが最優先です。サイアクどんな方法でもいいので、出せるなら答えを出すつもりでいましょう。時間を測ってやっているときは特にこれを意識すること。実戦形式です。
※KATSUYAの解答時間14:41です。(3)でまあまあ迷った。直接出したほうが速かったかも。(4)は(3)を利用。-1になるけど^^;あえて符号を変えさせてってことか。最後までひと手間かけさせる感じね。
4.対策
出題分野に大きな偏りはありませんが、微積は図形と式と融合させて出やすいです。その他、確率や2次関数をベースに他の分野が融合されます。
Bレベルを中心に、Cレベルの問題も出てきたらじっくり考えてみる、ぐらいでいいです。Cだけを意識してやる必要はないでしょう。今年のような典型問題だけという可能性は低いかもですが、Bレベルの問題が解ければ確実に合格点を狙えます。
Bレベルの問題は、入試標準レベルの演習をしておけばOKでしょう。難しい問題よりも、このレベルの問題を数多くこなすほうがいいでしょう。
なお、拙著『Principle Piece』シリーズであれば「原則習得」「入試基礎演習」の両方の段階を兼ねていますので、この後にもう入試標準演習の問題集に接続可能です^^
量をこなす演習:じっくり演習=8:2ぐらいです。
以上です^^
■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)■
数学A Chapter3~整数~ (第4問)
数学I Chapter4~三角比~ (第2問)
数学II Chapter4~三角関数~ (第2問)
数学II Chapter5~対数関数~ (第3問)
数学II Chapter6~微分法~ (第1問)
数学II Chapter7~積分法~ (第1問)
数学B・C Chapter1~数列~ (第4問)
融合問題が多いですね。
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※2023年末時点で販売中のもののみ記載しています。最新販売情報はこちらからどうぞ^^
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