関西大学 理系(2月2日実施) 講評 | 2022年大学入試数学

      2022/12/18

●2022年度大学入試数学評価を書いていきます。今回は関西大学(理系、2月7日実施)です。

※入試シーズン中はコメントの返信が大幅に遅れることがあります。ご了承ください。

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^いよいよ、2次試験シーズンがやってきました。すでにお馴染みになってきたかもしれませんが、やっていきます。
2022年 大学入試数学の評価を書いていきます。


2022年大学入試(私大)シリーズ。

関西大学(理系、2月2日実施)です。



問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの標準的な時間です。

したがって、目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越えることも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、ヒントや答えをみるといい、という目安にしてください。





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関西大学(理系、2月2日実施)
(試験時間100分、4問、ハイブリッド型)
※ハイブリッド型とは、穴埋め型と記述式の混合型のことです。

1.全体総評~時間内に処理可能なセット~

今年は数IIIが第2問にあるぐらいで、あとは小問にあったり、少し混じったりしているぐらいです。ただし計算量が少ないわけではなく、第1問は差が出るタイプで、第2問の極限や小問集合も、それなりに演習量を確保していないと時間を持っていかれます。


試験時間100分に対し、標準回答時間は95分【78分】(←穴埋め考慮) (2/2実施)

2020年は109分【87分】(←穴埋め考慮)(以下、2/7実施分)

2019年は97分【78分】(←穴埋め考慮) 

2018年は123分【97分】(←穴埋め考慮)

2017年は104分【86分】(←穴埋め考慮)

2016年は128分【102分】(←穴埋め考慮)

2015年は122分【88分】(←穴埋め考慮)

2.合格ライン~70%でもちょっとアヤシイ~

第1問はキー問題。楕円上の点と直線との距離で差が付きそう。
第2問もキー問題。最後の挟み撃ちはbnをうまくはさむ不等式に変えられるか。前半の計算は合わせたい。
第3問はベクトル。数値はちょっとメンドウなものの、図形は単純で時間を掛ければきちんと解けるはず。
第4問は今年は(1)(3)(5)などは差がつくかもです。数IIIの(2)(4)はおさえたい。


第3問を押さえ、残りで2完分稼ぎたい。70%前半ぐらい欲しい。


3.各問の難易度

☆第1問・・・【2次曲線+図形と式】楕円上の点と直線の距離(B、25分、Lv.2)

楕円と直線の関係及び、距離の最小値に関する問題です。うまく融合されていると思いますが、ほぼ数IIの図形と式の知識で解けます。

(1)は円のときと同様、2次曲線の式に直線の式を連立して判別式DでOKです。

(2)は差がつきそう。Pから直線に下した垂線の足Hを求めるなら、PHの式ともとの式を連立するのがいいと思います。PHの式はPを通り、y=2x+kに垂直なので、傾き-1/2です。これでPHの式を出し、y=2x+kと連立するのが手堅いでしょう。

(3)はPHの長さを出すだけなら(2)を使わずとも、点と直線の距離でOKです。絶対値の中身はsinθ、cosθの1次式なので、合成です。

絶対値の中身の議論の仕方ですが、(1)の条件からk>5であること、合成部分については絶対値が5以下であることを用いれば出ますね。ここらへんもちょっと差がつきそうです。

 

※KATSUYAの解答時間12:21。

 

☆第2問・・・【積分+極限】定積分と極限(B、15分【10分】、Lv.2)

積分と極限の融合で、求められない定積分の値を、求められる積分値を使って挟み撃ちするパターンです。誘導がありますので、丁寧に従いましょう。

最初は積分するだけです。x^2=tと置換すれば、式が短くなるタイプの置換積分になります。logの計算も形にあうように、真数とにらめっこしましょう。anの(  )内をさらにe^9nでくくれば、(1ー・・・)の形が見えますね。

後半ははさみうち、不等式が成り立つなら、その区間でそのまま∫をつけても成り立ちます。これでbn≦an≦3bnです。これを、bnを真ん中にして挟んだ式にする必要があります(誘導もあるので、かなり親切)。最後の極限は挟み撃ちですね。

 

 

※KATSUYAの解答時間は3:56です。

 

第3問・・・【平面ベクトル】長さ、面積、sinの値(B、20分、Lv.1)

平面ベクトルからで、三角形を題材にした問題。交点のベクトルなどもなく、非常に単純な問題なので合わせたいところ。数値は整数でないものが多いので、煩雑さはあります。

(1)ABはOB→-OA→の2乗で、OPはOAPに余弦定理を使えば出ます。

(2)面積ですが、OAB全体に対して、PQ/AB倍する方法が早いと思います。OABは3辺とも分かっているので、変形余弦でcos→sin→面積公式の流れです。

(3)は(2)の面積を用いて、1/2・OP・OQ・sin∠POQと比べれば出せます。OQはOP同様、OAQに余弦定理を用いればOK。

 

※KATSUYAの解答時間は9:23です。

 

第4問(1)・・・【指数関数+対数関数】指数と対数(AB、5分【3分】、Lv.1)

ワークなどによくあるパターンです。この手の問題は、底を統一して対数表示します。条件式が2つ出ますので、2文字減らしましょう。「zで表すと・・・」とあるので、zを残します。

※この形は頻出で、結果を知っていれば計算不要です。

第4問(2)・・・【複素数平面】極形式表示の値(A、3分【2分】、Lv.1)

複素数平面からですが、偏角を足し引きするだけの計算問題です。絶対値の計算も不要ですし、さすがにちょっと簡単すぎる気がしますね^^;

 

第4問(3)・・・【確率+整数】さいころの目、約数の個数(AB、9分【6分】、Lv.2)

さいころの目と、整数の約数の個数を絡めた問題です。

整数の約数の個数の問題では、個数自体を積の形に因数分解します。

与えられた数字は2と3の素因数しかないので、(a+c+1)(b+c+1)=24ということです。したがって、24をどのように分解するかがポイントになります。 

 

第4問(4)・・・【微分(III)】関数の最大値(A、8分【5分】、Lv.1)

関数の最大値です。小問とはいえ、関数がさすがに簡単すぎる気がします。微分して=0となるxを探しましょう。

こちらも頻出の形で、x=eで最大であることは知っておいて損はないでしょう。

 

☆第4問(5)・・・【積分II+数列】積分値と区分求積値の差(AB、10分【7分】、Lv.2)

数IIIの区分求積法を意識した問題。Snは極限値がSになるという公式は区分求積法の公式にありますが、nをどれぐらい大きくすると差が小さくなっていくかを計算する問題です。

Snの方を数列の公式でΣ計算します。すると、本来の積分値1/3に、余計なものが出ます。この余計な部分が1/100以下になるためには、nがいくつ以上であればいいかを聞いています。

不等式をまともにとくのは厳しいです。余分な項について、nが大きければ、ほぼ1/2nが占めているはずです。したがって、だいたいn=51ぐらいから調べ始めればいいことになります。

群数列でもよくやる方法ですが、nは自然数なので、主要な項からnの検討をつけることがポイントです。

※KATSUYAの解答時間は合計で6:09。結果を知っているものは一瞬で終了しています。

 

4.対策~第4問の穴埋めまでまんべんなく~

小問も含めると、分野的にはまんべんなく出ます。数IIIの微積総合問題も出やすいです。題材自体はそんなに難しいものではありませんので、変に難しいものをやるのではなく、チャート式の典型問題や基礎的な入試問題で演習量を積んでおきましょう。

また、第4問の小問は今年は特に感じましたが、癖のある小問です。過去問を長年分手に入れて、しっかり練習しましょう。

IAIIBは穴埋め形式での出題が多いです。奇問はそこまでありませんが、傍用問題集の単問に比べるとひねりや融合がありますので、いろんな表現になれるために量をこなしておきましょう。チャートは黄色、どちらでもいいと思います^^

レベル的には、入試基礎演習のレベルの参考書を最後に、過去問に接続しても大丈夫だと思われます。

以上です^^

 

■関連する拙著『Principle Pieceシリーズ』(リニューアル版!)

数学A Chapter2~確率~ (第4問(3))

数学A Chapter3~整数~ (第4問(3))

数学I・A ~原則のみ~

数学II Chapter3~図形と式~ (第1問)

 

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